『森博嗣本』
昨日、本屋を散策中に偶然発見。「発行: 別冊宝島編集部」ということでキワモノ(失礼)かと思いながら怖々手を延ばして立ち読みしたところ、これは凄い一冊でした!
簡単に言うと「森博嗣のファンブック」です。これは、森博嗣ファンなら絶対に手元に置いておくべき一冊ですよ!
概要
本書は読者の視点でつくられた、「森ワールド」への入門書です。すでに完結しているS&M(10冊)、V(10冊)、四季(4冊)という三つのシリーズを中心に、爆発する宇宙のように広がっている森ワールドの全体を視野に収めようとするものです。足元を崩されるような発想の魅力から、題材、ストーリィ、文体、会話、タイトル、キャラクタにいたるまで、森作品にあふれる魅力を全ページに満載。
この本の目玉
この本でしか見ることができない(当たり前だけど)情報は次の通りです。
- 「犀川研究所」や「捩れ屋敷」などのイラスト
- 西尾維新氏と森博嗣氏の対談
- コジマケン氏によるキャラクタのイラスト
- 森作品の特徴の一つである「引用文」の解説
- 作品のネタバレ情報
作品解説は他の本でも見られますが、「引用文」の解説はこの本以外ではほとんど見ません。正直、森作品の引用文は、毎回ほとんど無視していました。引用文の解説には実に 50 ページも割いているので、じっくり読んでみました(結局、あんまり解らなかったけど)。
あと、コジマケン氏による「保呂草潤平」のイラストはちょっと衝撃的。な、なるほど、彼をイラスト化するとこうなるのか……。と、クラクラしました。
ネタバレ情報は、イマドキのファンには当たり前な部分も多いですが、たとえば「彼」のことを「林警部」と呼んだ人物はいない、などが面白い。まぁ、「彼」のことを知る人物なら当たり前ですが、こういった細かい整合性は挙げればきりがないくらいあるのが凄い。
熱心なファンにとっては、この本に載っている情報くらいは「当たり前」かもしれませんが、おそらくそこまで読み込んでいるのはごく一部なのでは……。
S&M シリーズと V シリーズを読んで、「でも○○ってどういうこと?」と疑問が残ったり、あるいは疑問にすら浮かばないくらいに読みとばした人は、ぜひともこの本を片手に、森作品の奥深さに驚いて欲しいですね。
(あと、西尾維新さんの「森博嗣崇拝」っぷりが凄いよ)