『バクマン。』 43 ページ 「ボケとニュース」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 31 号)
『バクマン。』は、あまりリアル志向では ありません。それにしても、平丸は現実味のないキャラクタです。その味付けはワザとなのでしょうが、反感を持つ人も多いのでは?
マンガを描く、そして多くの読者から人気を得る──これは、並大抵の努力や才能では、実現が難しいはずです。
なぜなら、マンガは、すべて絵で表現しなければならない。
「絵にも描けないような素晴らしい風景」を表すには、歌や小説だったら言葉を選べばいい。しかし、マンガは絵を描く必要があります。「絶景」と書くだけでは、ダメ。
多くの読者に分かりやすい、説得力のある絵を示す。──そんな難しい芸当を、ほとんどマンガを読んだこともない平丸は、平然とやってのけている。しかも、週刊少年ジャンプという王道のマンガ雑誌で、上位を取り続けているのです。
それなのに、本人はマンガが好きではないと言っている。
──そりゃ、文句のひとつも言いたくなりますね。
おとなしく 出てきなさい
吉田刑事が平丸容疑者を連行して行く前に、アシスタントくんが怒りをぶつけています。アシスタントの気持ちも分かる。誰かが平丸に注意するべきだったのです。
アシスタントに怒鳴られて、素直に謝る平丸がカワイらしい。いや、容姿だけを見ると「デスノートに名前を書かれた人」みたいになっていますが。ありあまる才能がありながら、けっこう弱気で素直なところが平丸のチャームポイントですね。
この作品では多くの「出会いの妙」が描かれています。いまのところ、幸せな出会いばかり。平丸の扱いに慣れている吉田との出会いで、この天才はもう一つ上の高みへ行けるでしょう。──たぶん。
いつ寝てるの?
睡眠不足でありながら、サイコーは学校でも絵の技術を磨き続けています。その努力には頭が下がる思いですが──いっそ休めば、と思ってしまう。ムリをしている感じ。
サイコーが絵のことばかりを考えているために、速報の日すら忘れている、というのがスゴい。そこまで集中し続けるのか……。
ジャンプの作家は順位を気にして当たり前、という描写を続けてきて、アッサリと ひっくり返す。順位よりも絵を優先させている、と考えると格好いい!
やばいな…
──そうかと思えば、上位に残ったことをサイコーは実感する。このアップダウンの繰り返しが、『バクマン。』の面白さです。
シュージンのひとつ落ちた
というセリフも、余裕を感じますね。ジャンプの速報で ひとケタ台にいることを聞いて、こんな返事をすぐに返す──シュージンの頭の回転が速い証拠です。彼は本当に高校生なのでしょうか。
超人コンビである亜城木夢叶の会話を聞きながら、見吉は真城の体調を心配している。しかし、本人に言ってもムチャをやめないことは明確なので、黙っています。そのケナゲさが良いですね。
いけるぞ! いける!
亜豆も含めて、自分たちに運が向いてきている、とシュージンは言っています。あきらかに、努力を重ねた結果でしょう。それを「運が向く」と言い表わしたシュージンの、控えめな態度が好印象です。
「聖ビジュアル女学院高等部」とは かなり方向性が違う番組と配役ですが、亜豆がやりたい声優の仕事とは、どちらなんでしょうか。いまだに亜豆の「声優を目指す理由」が描かれないため、モヤモヤしています……。亜豆は いったい、何になりたいんだ?
蒼樹さんのネーム
中井の仕事場は、ウワサで聞くトキワ荘みたいな感じです。
今週号の『こち亀』に出てきたような、メイドのアシスタントがいる快適な関係とは、雲泥の差ですね。──というか、本当に秋葉原には あのようなレンタルスタジオがあるのでしょうか? 「アルファレンタラ」を目指す自分としては、見逃せませんね……(カメラを持ってメイドを撮影しに行きたいだけでは?)。
順位が下がったことに反応する中井は、「蒼樹のため・2 人の作品のため」という思いが強いのでしょう。『hide out door』のために、中井ができることとは……?