『バクマン。』 82 ページ 「ヒントとベスト」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 20 号)
今回は、サイコーとシュージンが武者震いをする場面が出てきます。
武者振いといえば、亜城木の 2 人が新妻エイジと初めて合った回(18 ページ)を思い出しました。大場つぐみさんのネームの段階では、エイジを見た瞬間にサイコーは武者振い(的なもの)をします。小畑健さんの清書でも変わらず(『バクマン。 (3)』 p.46)。
ところが、実際にはエイジを目撃しても、サイコーはすこし驚いただけでした。考えてみれば当たり前です。この時点では、サイコーはそれほどエイジの凄さを分からなかったはず。バトルマンガでもあるまいし、「エイジのオーラ(戦闘力・霊圧・覇気……)を感じて──」とはならないのです。
今回、今度こそ完全に「亜城木夢叶が描くべき作品」が見えてきて、ようやく体が震える思いをしました。それくらい、次回作に可能性を感じているのですね。
これしか ないな
服部は考え過ぎだ
とケンソンしたり、港浦を持ち上げたりしていますが──、たぶん、ほぼすべてが「計画通り!」に進んだのでは。後半を見ると分かりますが、エイジもやる気全開になっています。
『バクマン。』の世界にあるジャンプは、半分くらいは服部の策略によって作られている──のだったりして。
何かもったいない…
『走れ! 大発タント』の一場面を服部は回想している。──シュージン、シモネタはやりたくないって言ってなかったか? まぁ、下品な表現に頼るくらいに、話のネタが無かったのでしょうね。でもこれ、亜豆や蒼樹・岩瀬が読んで、どう思ったのだろう……。
服部が言うとおり、サイコーとシュージンが今まで やってきた事には 何ひとつ 無駄はない
。デビュー作の連載がそのまま続いているという、エイジ・福田・平丸からは遅れているように見えますが、亜城木夢叶はこれからです!
野球の珍プレイ!
港浦ひとりだけが、まったく話について来ていない……。どうしようもないくらい、服部との会話がかみ合っていません。ものすごく不安です……。セリフのセンスを磨くことを思いついた時みたいに、勉強して追いついて欲しいですね。
この場面でも、服部の話術が光っています。
ここまで「亜城木夢叶にはこれしかない!」という空気を作り出しておきながら、これが絶対にベスト だとは限らない
、と服部は言う。当然のように、亜城木の 2 人はシリアスな笑いを作る方向を選びます。そう、まるで 2 人が自主的に決めたように思わせるわけですね。
この服部が、まだ「ただの編集者」だというところがスゴい。ジャンプの編集部では、どうやったら出世できるんだろう?
楽しみに してるぞ
シュージンが服部に不信感を抱いている──ように見えて、ドッキリしました。
あれだけ良いヒントをもらったのに、シュージンはどうして不満げな態度なんだ……。と思ったら、服部の行動を冷静に振り返って、そこから次回作へと話をつなげようとしています。なるほど、それは面白い!
おそらく、自分の立ち振る舞いまでもがヒントになるとは、服部自身も思っていなかったはず。シュージンがそこまで頭を働かせなかったら、『疑探偵 TRAP』の続編みたいな作品で終わっていたかもしれませんね。
本当に どっちも 天才タイプ
とうとう『ラッコ 11 号』がアニメ化しました。さすが天才・平丸一也です。初めての連載が 2 年以上も続き、アニメ化になるなんて、ジャンプ作家の何人が達成したのでしょう(ちょっと調べれば分かると思うケド、それをしないのが asiamoth クオリティ)。
平丸の部屋は何度も出てきたと思いますが、こんなに大量にパンダのヌイグルミが置いてありましたっけ? デザインを見ると、「たれていそうでたれていない、すこし
吉田が言うには、アニメが始まった以上はいかに多く描くかを考えるべき
、とのこと。しかし、いつも思うのですが、週に一回しかジャンプ誌上には掲載できないし、どうやって原作のストック
を持つのだろう?(これまた調べる気などありゃしない)
だんだんと休めない理由(マンションと車のローンなど)が積み重なっていく平丸ですが、きっと彼のことだから、苦しい苦しいと言いながらもラクラクとこなすのでしょうね。
- 平丸:
- 「天才ですから」
──『バクマン。』 (完)──