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バクマン。 #117-2 「FL とブログ」 「YJ」とピザの配達

『バクマン。』 117 ページ 「FL とブログ」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 08 号)


(「私が焼きました」──とでも言うかのように)

『シンジツの教室』は、普通に考えれば青年誌向きですよね。「ヤングジャンプ」にでも載れば、もっと過激な表現も可能になって──、バランスを崩すかもしれません。

できることなら、「週刊少年ジャンプ」で『シンジツ』を連載して欲しいところです。──現実世界でも!


おそらく、『DEATH NOTE』を連載する前にも、同じようなやり取りがあったのではないでしょうか。たとえば、読み切り版(『DEATH NOTE (13)』収録)にあった「死んでも蘇る」という設定に変更するとか、キラが最後には真の正義に目覚めるとか……。

『DEATH NOTE』にしても『シンジツ』にしても、「インクに水を混ぜる」ような表現のやわらげ方は、せっかくの面白さを台なしにする可能性があります。

近頃の詩人は、インクに水をたくさん混ぜる。

by ヨハン・ゲーテ

Fesh 名言集 – ヨハン・ゲーテ 名言

そして読者には、表現を直す前の原稿は見られません。「内容を薄めていない『デスノート』」が存在したりして……(読みたい!)。

編集の 仕事だろ

いつの間にか、港浦は成長していますね! 編集者として──ではなく、ウザキャラとして……。

港浦は、「ジャンプ」界の日塔奈美(『さよなら絶望先生』)だったのか。口ぐせは「小太りって言うなー」で決まりですね(両方のファンを敵に回した気がする)。

日塔奈美 – 久米田康治ワールド Wikiサイト


これだけ他人に絡む編集者は、港浦のほかには雄二郎くらいです。そのアフロでさえ、たまに上の者にかみつくくらいで、普段はマイペースでいる。山久も、すっかり最近はおとなしい。落ち着いた編集者が多いです。

みんなラフな格好(普段着まるだしっ)だから強く感じませんでしたが、そう言えば──、集英社って会社ですよね(えっ?)。編集者たちがかしこまって見えるのは、社会人として当たり前でした。

でも、雄二郎も山久も服部も──もちろん吉田も、マンガ家と一緒にいる時のほうが、よっぽど生き生きとしています。編集部にいる時と作家の前と、態度を切り替えている。

この編集部でのオン・オフの切り替えも、港浦はズレていますね……。この分だと将来は、鳥嶋取締役(マシリト)の頭をはたきながら、岩瀬にヘーコラしていそう。


いまどきの子どもは「水を得た魚」なんて言っても、「えっ? 切り身を濡らすと喜ぶの?」なんて思われそうだから(?)、「マンガ家の前の編集者」のほうが伝わるかも。

ゆとりって魚が切り身の状態で泳いでると思ってそう カオスちゃんねる跡地

終わった みたい ですね

上で書いたように、山久にトゲがなくなっています。何というか、「いい人」みたいな感じ。──いや、山久は、自分の気持ちに正直で、根はいい人なのは間違いがありません。

最初は山久を嫌っていた蒼樹も、いまでは彼に感謝しているでしょう。もしも山久が本当の「スケベ心」を持って近づいていたら、完全に蒼樹は男性恐怖症になっていたはず。意外と草食な山久で、本当に良かった。


『シンジツ』を描いた七峰透のことを、亜城木夢叶や静河流と比べても才能は同レベルか それ以上──と港浦は言っています。納得ができる話ではあるけれど、別に──港浦が自慢することでもないよなぁ……。

ただ、港浦のウザさは、「相田班が好き」という思いから出ているだけなのかも。相田班からヒットが出ることを喜び、担当する班員のことを思っている。

──まぁ、ウザいですケド。

俺は ついてる…

謎の存在だった七峰が、だんだんと前に出てきました。まずは電話ごしの声だけですが、「作風とは似ても似つかない」人物だと想像ができます。この威勢の良さは、(初期の)折原よりも上に感じる。

このページだけで、「『シンジツ』には自信があった」と七峰は 3 回も言っています。最初から「ジャンプ」で一番の作家を目指して意気込んでいた、新妻エイジを思わせる。

七峰も、自己主張の強い「天才キャラ」なのでしょう。


「明るくてやりやすい」と七峰のことを小杉は評価しています。はたして、そうだろうか……。

エイジの例があるから、担当者がしっかりとしていないと、アフロみたいに「原稿を取ってくるだけ」になる。

これから僕が 担当になって ……

七峰が言う想定内の 最悪とは、「『シンジツ』が最終候補止まりだった」ことと──、「担当者が頼りなさそう」ということも含まれていそうです。もっと有名な編集者からの電話を待っていたのかも。

以上から、無邪気に喜んでいると思ったら、七峰にはウラがありそうです。やはり、エイジのように「食えない人物」を臭わせる。

トラブルメーカとしては、エイジよりも亜城木(というかサイコー)がリードしていました(しちゃダメだ)。今後は、「もめごとと言えば七峰」──になるのでは……。

今週も 面白い

文字だけで追うと、ものすごく素っ気ない服部です。

「亜城木コンビのやる気を引き出すこと」を常に考えている服部が、トレジャーの結果を言い忘れてたなんて、信じられません。これも策略のうちかと思ったら、どうも本当にうっかりしていたようです。

倦怠期(けんたいき)でしょうかね?(違うよ)


服部の話で面白かったのは、才能を見せる目的で 投稿して来る作品もあるという部分です。まずは天下の「ジャンプ」で注目されてから、ほかの青年誌で連載を始める人もいるでしょうね。うまい自己 PR です。

雑誌の色なんて考えず、空気を読まずに作品を描いてヒットしたら、理想的ですけどね。

asiamoth: