『バクマン。』 144 ページ 「会社と必勝法」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 37 号)
前回はスルーしてしまいましたが、HIBIKI
のあとにつづく M.S
と M.K
というフロア名は気になっていました。
響が「マジ スネ夫」と「メッチャ 気さく」という意味──ではないとは思ったけれど。
Corporation を CO
と略しているくらいだから、上の 2 つも英単語の略かというと──ものすごくテキトーな名付け方であることが分かりました。
七峰には、ネーミングのセンスが欠けているのかも。
お金が 欲しいんだ
『この世は金と知恵』によって、七峰の ゆがんだ価値観は生み出されました。──つまりは、「亜城木夢叶のせい」です。
そう、『PCP』よりも『金と知恵』のほうが、他人への影響力は大きいでしょう。なにしろ、あの新妻エイジが認めた作品ですからね。エイジも心の底では、「亜城木先生は『金と知恵』が 1 番!」といまだに思っているのでは……。
毎週のように作家へファンレターを送り続ける熱心なファンの中には、七峰のような「信者」も多いはずです。七峰の場合は、幸いにして、人に迷惑をかけるような方向へは向かわず、本当に良かった!(小杉編集のことは置いておく)
今週号の「ジャンプ」でゲスな人間
が出てくるマンガは、ほかにもありました。それは、『SKET DANCE
毎週のようにゲスっている『銀魂』なども合わせて行くと、「ジャンプ」の 98 割はゲスゲスしそうでゲス(この語尾で思いついたけれど、『侵略! ゲス娘』という作品は どうだろうか)。
車でお迎えに あがりましたので
響恭太郎を見て驚いている亜城木コンビに、違和感を覚えました。──あれ? お互いに面識は ありましたっけ?
『バクマン。 (7)』に収録の「53 ページ」では、(響も参加するはずの)新年会にシュージンは「行きます」と答えている。しかし、新年会の様子は描かれていません(必死に探してしまった)。ただ、3 人の接点はこの新年会だけなので、ここで会っているのでしょうね。
そう言えば、上記の回の感想で、今後、『チーター』は人気作品になるかもしれませんね
──と書いていました。あいかわらず、予想が外れることには定評のあるブログです。
バクマン。 #53-1 「18 と 40」 見上げる天井と鳴る電話 : 亜細亜ノ蛾
SHINJITSU コーポレーション !?
サイコーとシュージンが、七峰の会社の規模に圧倒されているのは、よく分かります。しかし、七峰が響を雇っていることに絶句するのは、ちょっとおかしい。亜城木たちだって、年上のアシスタントたちに給料を払ってきたのです。
とくにサイコーは、マンガとお金とを結びつけて考えませんよね。考えてみると、「金のためにマンガを描いている」とハッキリ言う人物は、初期のシュージンとアシスタントの小河くらいです。
お金の話から 1 番遠いのは、エイジでしょう。自分の仕事場を有限会社にしているのに……。たぶん、雄二郎が手続きを全部やっているのだと思います。──心なしか、雄二郎が必要以上にリッチな気がする(それはないか)。
まだデビューしてない 16 人
七峰が響を右腕にした理由は、いまだに不明です。
想像するに、「連載を持っていないベテラン作家」の中で実績がある点と、『怪盗チーター』などの作風を七峰が気に入ったから──ではないでしょうか。推理物が好きそうですよね。
ただ、七峰の話を聞くと、響は絵の上手い作家さん
ではなかったから、講師になったのかも……。
理由はともかく、響は講師がピッタリと似合っています。見事な転身ですね! 講義の風景は、まるで外国語教室みたい。──あるいは、怪しげなビジネスの講習に見える。
大変喜んで くれてます
今回の七峰のやり方は、かなり手が込んでいます! これなら確実におもしろいマンガを作り出せるのでは──という説得力がある。
他人には簡単に実践できないところも痛快です。いったい、どれくらいの資金が必要なんだ……。
資金の都合が付くか、方法論を変えれば、どこかの雑誌社がマネしそうな気もしますが──、出版界ほど保守的な場所もないそうです。
一般的に、どうやって作品が作られたのかは、読者には伝わってきません。たとえば、斬新な方法で作品を編みだしても、わざわざ公表してアイデアを盗ませる意味もない。知らない間に、出版界の常識も変わっている──という可能性もあります。