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貞本 義行 『新世紀エヴァンゲリオン』 13 巻 感想

貞本 義行 『新世紀エヴァンゲリオン

その身に宿るは──天使か悪魔か

新世紀エヴァンゲリオン (13) 【プレミアム限定版】』が届きました! 特典が すごい!

  • 限定版だけの描きおろしカバー
  • 3D カード(カバーと同じ絵柄)
  • 「ORIGINAL ARTWORKS」(扉絵の画集)
  • 描きおろしのポストカード 6 枚組

とくに「ポストカード」が素晴らしかった! シンジ・レイ・アスカ・カヲルたちチルドレンに加えて、ミサトさんが「サービス サービスぅ!」な格好をしています!

──でも、そのサービス精神は 2 巻ほど前で見たかったな……。この殺伐とした空気の中では、綾波の■を見ても うれしくありません(賢者モードで)。──ふぅ。

3D カード」も素晴らしい! Nintendo 3DS みたいに綾波とアスカが「飛び出して」見えます!(ニシ君に凸られるでェ) やっぱり、レイもアスカもこの世に存在したんだ……!(?)

──などと現実世界から逃避しつつ、感想を書きます。

Volume 13 「Calling」

碇シンジが格好いい!

そもそも貞本版のシンジはウジウジ率が低かった。その上、葛城ミサトさんとの約束を果たすとなれば、あの熱血ぶりも納得です。

そうか、やっぱり『エヴァ』は、第 2 巻で あさり よしとお氏が言うように「シンジ君の成長ドラマ」だったのか……!

──碇ユイの意志が込められているとは言え、初号機のパワー・アップぶりには、「シンジさん」な感じで笑えたけれど(「ゴンさん」的な意味で)。


惣流・アスカ・ラングレーとの会話も、「楽しかった『エヴァ』」が戻ってきたようで感動しました。ツンがデレっていて かわいらしいし、なんだかオトナの女性みたいにも見える。

アスカはシンジのことが好きなのか」は、まだ微妙なところです。早熟とは言え中学 2 年生だし、本人にもハッキリとは分からないでしょう。──じつは結末に直結する重要な部分だけに、気になる……。


碇ゲンドウの格好悪さは哀れでした。

ただ、愛する人を失った悲しみと苦しみ・絶望は よく分かるし、その人を取り戻したい気持ちには共感できる。自分だって、「愛する人の復活が可能な立場」であれば、ゲンドウ並の非情さで打ち込んだはずです。

愛して いた」という言葉も、何割かは本心だったのだと思う。──貞本版のゲンドウには「じつは良い人だった」という要素が皆無なわりに、なぜか「悪になりきれない人」という印象がある。

赤木リツコのほうが悪人に見えてしまうのは、作者も自分も男だからかな……。どうしても男の視線から見ると、女の嫉妬が醜く見える。


ゼーレが必要としていたエヴァの数も、地球に生まれた使徒の数も(ヒトを含めて)、合計で「13」体です。だから、てっきりコミックスも 13 巻で終わり──と思っていました。

──違う。まだ続くんだ!

うれしいけれど、あと 1 巻分以上の話を描けるのかな──と心配になりました。どうやら旧『劇場版エヴァンゲリオン』と同じ展開になりそうですが、あの「劇場にいる おまいら(観客)」とか、どうするんだろう?


いや、旧『劇エヴァ』とは決定的に違う部分が ある。

まず、アスカの安否です。──吹き飛ばされているから不安が残るけれど、おそらく生きているでしょう。そうなると、新しい展開が見られそうです。

このまま「人類補完計画」が進んだときに、「エヴァンゲリオンの中にいる人間」が どうなるのか。弐号機の心──アスカの母親(の良い部分?)との融合が あるのでは?

また、最後まで何も できなかった旧・劇場版のシンジと、自分の手でアスカを助け出したマンガ版シンジとは、まるで性格が異なります。「欠けた自我」にも差が現われて、別の可能性が生まれるかもしれない。

おわりに

アスカが生きているだけで丸もうけ!(かなぁ……)

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の予告映像でも弐号機とアスカが活躍している(らしい※)し、まだまだアスカのターンは終わらない! (※: 「ただいま当ページのアクセス集中により、本映像を一時的に停止しております」)

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 公式サイト│特報・予告

asiamoth: