鬼頭莫宏 『のりりん』
トラベルにはトラブルが付きものです!
前巻からツーリングが始まりました。それぞれのロード・バイクも着ている服もバラバラで、力量も違いすぎる。本人たちは楽しそうでも、見ているほうは不安に なってきました。
『のりりん』 5 巻 鬼頭莫宏 – 旅は「道」連れ | 亜細亜ノ蛾
とくに、「カラモモさん」こと杏 真理子(からもも まりこ)が行方不明で心配していました。連絡すら取れないなんて、現代の女性には考えられない異常事態です。
『なるたる』や『ぼくらの』の作者・鬼頭 莫宏のことだから、杏も複数人で輪■のレ■■されている(※)のでは──なんてワクテカ心配していたら、なんと!
カラモモさんが──、車に!
2013/01/10 現在、前巻の 5 巻までは電子書籍版『のりりん』(Android 携帯からも閲覧可能!)や Kindle 版『のりりん』が登場しています! この機会に ぜひどうぞ!
負けず嫌いな男たち
丸子 一典(まりこ かずのり)・等々力 潤(とどろき じゅん)・門真 洋一(かどま よういち)──と負けん気の強い男 3 人が参加しているから、やっぱり「なかよく けんか」していました。
本当にこいつら、仲が良いなー。
ドマチが初心者・ノリが中級者・トドロキが上級者として、分かりやすくロードの世界を見せています。それぞれの腕前(脚前?)に応じた視点から語ってくれる。初心者は入門しやすく、上級者は「あるあるネタ」で笑えます。
おにぎり vs. あんぱん
おにぎりに 目覚め
たノリが、あんぱんの魔力に屈する場面が おもしろかった。お腹が空いていたら激ウマでしょうね。
さんざん あんパンにヨダレを垂らしていたのに、ドラ焼き
を買ってくる若江 南(わかえ みなみ)も外していて楽しい。若江はムード・メーカとして貴重な存在ですね。あんパンで例えると上のゴマみたい(その程度!?)。
でも自分には、「おにぎりじゃ 走りながら 食えない
理由」が すぐには分からなかった。なぜ?
ポクポクポク──チーン! と一休さんみたいに 8 時間ほど考えると(長ッ)、なるほど、ノリとリンご飯が別になっている おにぎりだからですね。
最初から海苔が ご飯が一体化している「ゆるふわノリおにぎり」の好きな自分にはピンと来なかった。それに、けっきょくトドロキも、あんぱんの袋を開ける時に両手をハンドルから離していますよね。だったら おにぎりでも良いような……。
リン vs. 老松は?
超・上級者の老松(おいまつ)がノリとトドロー高速に追い抜きつつ、その上空を超・初心者な織田 輪(おだ りん)が華麗に飛び越えていく──。全員の実力差を感じさせる展開でした。
いや、老松とリンは、本気で競争したら どっちが勝つか分かりませんね。リンは圧倒的な体力と常識を破るテクニックを見せるだろうし、老松は熟練した技能と知識でペースを乱さずに走り続けるでしょう。
いつか「リン 対 老松」を見てみたい!
震える彼女
第 6 巻で地味に好きな場面は、p.61 の「あたしも 欲しいかも
」の南です。なぜか彼女はプルプルしている。なぜ? トイレなら早よ行きんしゃい!
ここでも『DEATH NOTE』の主人公・夜神 月ばりに高速に頭脳を働かせて、0.2 日間ほど考えると(長ッッ)──、単純に「背伸びをしているから」でしょう。
ノリと同じ意見である南は、ノリと同じ目の高さで話したかった。だから背伸びしてプルプル震えている。それが読者から見ると「コマに入れて欲しいみたい」──とメタな楽しみ方が できました。
運転免許ガール
さっそうと「カラモモさんが、車に」乗ってやってきました。──いや、まだ彼女の霊という可能性も……(ねェよ)。
トドロキに怒鳴られ、老松に しかられた杏は、このままロードから離れていきそう。それはそれで、女子力
が高まって良いのかも。
ノリは気にしないだろうけれど……。
おわりに
(※)は、言うまでもなく「複数人で輪行のレン習をされている」(不自然な尊敬語)ですねー。なにかヘンなキーワードを埋めた人は、大いに反芻してください!(牛!?)
冗談は さておき──。
「順調 すぎるなー
」と不安をあおるセリフが あったり、トラブル続きでドキドキしながら読みました。ドマチが立ちゴケ
した時は、「──来たか!(ガタッ」と思ってしまう。
「バドミントン 部員
」は『なにかもちがってますか』を・「腹巻き
」は『なるたる』を思い出しましたね。
とくに『なにか──』の 3 巻にも自転車ネタが出てきます。作者が好きなネタというだけではなく、両作品の世界観が つながらないかワクワク心配だ──。