『スカイ・クロラ』
前回に続き、映画『スカイ・クロラ』の感想を書きます。
『スカイ・クロラ』 劇場で森博嗣作品を見る至福 : 亜細亜ノ蛾
登場人物に焦点を当てて紹介しますが、長くなったので、今回は主人公の二人だけ……。
なるべくネタバレは書きませんが、そうすると、映画を見る前にここを読む人がいるのか、少し疑問ですが。
映画の空気が少しでも伝われば幸いです。できれば、いまのうちに劇場で味わってください。
また、映画を見た人が、「このブログの管理人はこんな感想を持ったのか」と思い、ブログ記事を書くきっかけになってくれたら、さらにうれしいです。
──というかさー、プロの評論家(や評論家気取りのシロウト)が、
「押井守(と周辺のアニメ監督)を語る」
みたいな「考察記事」ばっかりで、面白くないんだよねー(急に馴れ馴れしく)。森博嗣は知らなかったり。
もっと「キャラ萌え」や「設定萌え」、「スイトがあの夜、どんな表情と■位で■ッ■■したのか悶々と考察」とか、面白可笑しく書いた「感想」が読みたい。読ませてください!
ということで、各キャラクタの感想です。
押井守監督最新作 映画「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」公式サイト
草薙水素(クサナギ・スイト)
危ない女、ですな。いろんな意味で。
キルドレ──つまり、子どもなのに司令官。まぁそういう設定、と途中までは違和感がなかったのに、後半で「大人の男性」である司令官が出てきて、不思議に思いました。ほかの地域でも、キルドレが司令官になることはあるのでしょうか?
もう一人の主人公・ユーイチとは仕事上の上下関係があるのに、「上司」だったり「恋人」だったり、いろんな顔を見せるのが忙しそう。──「顔を見せる」は言葉のあやで、いつも無表情だけど。
(エヴァの監督)庵野さんがパンフレットに書いた感想のせいで、どうしても綾波に見えてしまうのが困りもの。そうすると、まるで綾波とシンジの恋物語に見えてしまうじゃないか!
それにしても、森作品に出てくる女性は、みんな恋に命がけだ。
「え? 理系の小難しい人たちばかりだから、恋愛ベタなんじゃないの?」
などという人は、「V シリーズ」と「四季」を読んで猛省せよ!
たこの刺身のように淡泊の極みのようなスイトも例外ではなく、振り返ってみると、わが身を焼くような恋のためだけに生きている、ように見えた。
勝てない敵、大人の男である「ティーチャー」に、異常なまでに執着するスイトは、もしかして──。
(the teacher は森博嗣表記だと「ティーチャ」だと思うけど、パンフレットに従った)
函南優一(カンナミ・ユーイチ)
ぬーぼーとした男。いろいろな出来事に巻き込まれつつも、最後のほうで「僕」のアイデンティティを再確認する姿は、村上春樹作品に出てきそう。
主人公というよりは、語り部という感じ。戦闘機の腕前はエース級だけど、地上では周りに流されっぱなし。
──あ、でも、かわいい女の子や親切な友人に、状況がよく分からないまま引っ張り回される、っていかにもラブコメの主人公だなぁ……。
何気ないシーンでゾクッと来たのが、出撃前に大人に励まされたところ。
「気をつけて」
「──何に?」
──どうですか。いかにも森作品に出てきそうな場面でしょう。犀川先生が口にしそう。
これ、イヤミでも何でもなく、純粋に「何に気をつけるのかが分からない」から聞いている。自分の「秘密」を知らないうちに出てきた自然な言葉だけど、死ぬことに何も感じていないように思えました。
あくまでも「仕事」として空を飛び、相手を撃ち落としてきたユーイチ。映画のラストで、ティーチャーに挑む彼は、何かを変えられたのか……。
まとめ
『スカイ・クロラ』は恋愛映画だ。と監督は語る。なるほど、それはその通りでした。
しかし──、では、スイトとユーイチの恋物語なのか。答えは……。
あ、そうそう。スイトを見て「ツンデレ」と思った人はいますか? そう思った人が多かったら、
「デレは『ほっぺたを赤く』しなくても成り立つ」
という証明になって、面白いなぁ。いい加減、同じようなデレ方が食傷気味なので。