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Ralpha – リニアな色空間(ガンマ: 1.0)でリサイズできるソフトウエア

Ralpha によるリサイズ


(アールとアルファの──美しい関係)

こまかい模様を含む画像は、縮小した際にはモアレが出やすい──。それを改善したのが「ガンマ: 1.0 縮小法」です。前回の記事で紹介しました。

Photoshop で【本当に】美しくリサイズする「ガンマ: 1.0 縮小法」 : 亜細亜ノ蛾

スクリーントーンや線画で描かれたマンガ・アニメの絵、または衣装の模様も、この方法によって美しく・正しくリサイズできます。

下の画像のように、こうかはばつぐんだ!:

具体的なリサイズ方法の要点は、下記のとおりです:

  1. 最重要Adobe Photoshop CS5 を購入する
  2. [プロファイル変換] でガンマ: 1.00 へ変更
  3. [画像解像度] にて普通にリサイズする
  4. プロファイルを元に戻す

──と、ここで終わっても良いのですが、やはり「フォトショップを利用してリサイズする」という点が引っかかって来る人も多いでしょう。新規で購入するにはハードルが高すぎるし、持っている人も起動の時間が惜しい。

そこで、良いソフトウエアを見つけました!

Ralpha は、「ガンマ: 1.0 縮小法」と同じ効果が得られる素晴らしい無料ソフトです! レタッチするのではなく、リサイズだけが目的であれば、Ralpha が最高でしょう。


スキマ産業 ≫ Ralpha

ここから先は、Ralpha の使い方を紹介します。また、各ツールの縮小に差が出るのかどうかも実験しました。

オプション設定がカギ

Ralpha を起動したら、リサイズのオプションを設定しましょう。次のリンク先から、オプションの開き方をご確認ください:

おすすめの設定は、次のとおり:

  • 「リニアな色空間で処理する」にチェックを入れる
  • 縮小のアルゴリズムは、「Lanczos」の「半径: 2」に設定

「リニアな色空間」とはガンマ: 1.0 のことです。このオプションこそが、Ralpha の特長になっている。

一般的に Lanczos と言えば、Lanczos 3 を指します。Ralpha も初期設定では「半径: 3」(= Lanczos 3)になっている。ではなぜ、半径は 2 を勧めるのか?

Lanczos 2 を推奨する理由は、次のページが分かりやすいです。その根拠は、ノイズのレベルですね。リンク先には、分かりやすくグラフで示してあります:

笛田薫Blog: ローパスフィルタ

縮小した結果

2 つのソフトウエアを利用して、「ガンマ: 1.0 縮小法」を実行しました。1 番目が Ralpha で次が Photoshop での実行結果です。ほぼ同じですね。究極 vs. 至高といった感じ(?)。

  • Ralpha: 「リニアな色空間」
  • Photoshop: 「ガンマ: 1.0 縮小法」

CZP でテストする

画像の加工やカメラの撮影をテストする際によく使われるのが、CZP (Circular Zone Plate) です。数式から生み出された画像ですね。

ISP imaging-developers – CZPによる評価

上のページから保存した画像を Photoshop と Ralpha で縮小した結果が、下のリンク先にあります(すべて等倍で表示される):

──ここでも、下の 2 つには差はありません。

さらに手の込んだテスト

じつは、下のサイトで解説されている もう一つの方法──「32 bit/ チャンネル法」も試しています。

きれいに縮小する方法(2) – Photoshopの32 bit/チャンネル | 有坂ユウトのblog

この方法を含めた 3 つの方法で、僧と CPZ の画像をリサイズしてみました。しかし、画像のヒストグラムを見ても差が分かりにくい。それほど似ているのです。

そこで、もっと意地の悪いテストを考えまて、下の画像を作りました(自分が利用している画像の共有サイト・Flickr でも、やはりガンマ値のことを考えないリサイズをしているようで、表示がおかしくなっている)。

まずは、クリックした先の原寸サイズをご覧ください:

この画像は、次のようにして作りました:

  1. 画像のサイズは 997px × 997px にして、
  2. テキトーにグラデーションを塗り、
  3. 僧と CZP をテキトーに並べる

そして、この画像を「499px × 499px」にリサイズしてどうなるかを試しました。──サイズの「997」も「499」も、画像を置いた XY 座標も、すべて素数にしています。この「割り切れない関係」のモヤモヤさを味わってください(?)。

さて、いよいよ縮小した結果は、こちらです:

Photoshop で「ガンマ: 2.2」のままリサイズしたのは論外として、「32 ビット法」が意外と汚い! 「32 ビット法」を試してみると分かりますが、背景のグラデーションだけか、僧・CZP だけだとキレイに縮小できます。でも、それだと意味がない。

おそらく、Photoshop CS5 は 32 bit/ チャンネルの状態ではバイリニア法しか使えないことが原因でしょう。32 ビット──いや、16 ビット・モードでも良いから、Lanczos 2 でリサイズできたら良いのに……(そんなプラグインはあるのかな?)。

「ガンマ: 1.0 縮小法」の Photoshop と Ralpha は、またしても差が見られませんね。ヒストグラム上でも誤差の範囲です。

Photoshop は 16 ビット・モードを利用しているので、すこしはグラデーションがなめらか──だったら良いな……。

次回の予告

今回の記事は、昨日のうちに 98% は書き上がっていました。日曜日くらいは楽するぜ──と思って推敲をしているうちに、とても面白い実験を思いついたのです。

それが いけなかった……。

次回は、金曜日(2011/02/25)あたりを予定しています(月~木は『バクマン。』の感想書き)。「ガンマ: 1.0 縮小法」よりも面白い方法が見つかった──かもしれません……。

2011-02-26T14:16:54+09:00 追記

続きの記事を書きました! ──が、残念な結論……。

「ガンマ: 1.0 埋め込み法」 – 理論上は正しく縮小される画像 : 亜細亜ノ蛾

asiamoth:
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