『バクマン。』 121 ページ 「自信と覚悟」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 12 号)
『キャラマン。』に収録されている『ラッコ 11 号』を読むと分かるとおり、あまりネガティブな内容ではないんですよね。意外なことにラッコは、他人のために働いたり戦ったりする。
そこから考えると、『ラッコ 11 号』は「吉田への不満(という名のラヴ)をぶつけた作品」だったのかもしれません。彼の持ち味である後ろ向きさは、隠し味程度だったのではないか。
平丸の次回作である『僕には通じない』は、彼の積極的なネガティブ・シンキングを存分に発揮した作品だと思われます。これは期待ができますね!
来た
苦戦するかと思われた蒼樹紅の『神様がくれた…』は、あっさりと連載になりました! まぁ、連載会議で「あっさり」決まったかどうかは不明だけれど。
間界野昂次(KOOGY)や蒼樹・福田・高浜──と『バクマン。』の表舞台から遠ざかっていった者ほど、連載が順調に続いているような気がします。もちろん、新妻エイジもその一人ですね。「便りがないのは良い便り」みたいな感じ。
ところが、この法則に当てはまらない人も──。
七峰の『有意義な学園生活に必要なそれ』(長っっっ)も連載になりました。話の流れからして、とおるのは当然でしょう。ここで落とされたらビックリする。
編集部まで乗り込んできたのにダメだった──という七峰の顔も見たかった気はしますけどね。ただ、彼のことだから、「アリ」でも「ナシ」でも同じような反応をするはずです。さすがに編集部では、まだ本性は明かさないでしょう。
適切なアドバイスの おかげです
全身で喜びを表現している七峰です。読者だから分かることだけれど、ものすごく わざとらしい。でも、事情を知らなければ「元気な若者だな」と見るでしょうね。女性にもウケが良いはず。
そんな仮面をかぶった新人マンガ家を見た小杉は、嫌悪感をあからさまにした表情をしていますね! そんなにイヤだったのか……。かつて、中ナントカさんの気持ちを初めて知ったときの加藤みたい(『バクマン。 (8)』収録: 「67 ページ」)。
編集部では、小杉のほうが立場が上です。七峰は、完全に猫をかぶっていますからね。普段より強気の小杉が、逆に同情を誘う……。
上で書いた「法則」から外れている人物とは、白鳥のことでした。まったく彼の情報がなかったから、逆に安心していたのですが、長く続かなかったようです。初連載なら順調なほうですかね。
マンガ家・白鳥シュンには、こんなエピソードが──、
- たまたま画材店で森屋と出会って雑談
- アイデアに悩む白鳥がシュージンに電話
- 母親が仕事場にきて──ケーキを置いていく
- アシスタントが白鳥に恋をする(女性? 男性?)
- 姉が日曜日にボーーーっとする
──描かれませんでした。『バクマン。』のいつもの傾向ですね。「お世話になった亜城木先生へ何かお礼をする」といったことがあった──と脳内で補完しておきましょう。
そう言えば、大場つぐみさんが書く話には、「感謝」という概念が薄い気がします……。まぁ、ジャパニーズ・ヒップホップではないから──かな。
なんでヒップホッパーは両親に感謝しまくるの? ぶる速-VIP
小杉 ちょっと いいか
服部刑事が真相に近づこうとしています。洞察力がするどい彼にしては、七峰の本性にたどり着くまでが遅いですね。それだけ七峰の演技が上手なのでしょう。
小杉は、七峰と「判定人」のことはバラせません。自分も同罪だからです。どう言い訳をしようとも、第三者から見れば「不正まがいの行為を出世のために見逃した」となる(「まがい」って便利な言葉だよなぁ)。
どんな話をした
ここでも、服部デカの尋問が絶妙ですね! 質問の仕方と情報の出し方がうまい。一番聞き出したいはずのこと──「何か七峰とトラブルがあったのか?」とは言いません。それでいて、核心に せまっている。
小杉も、できることなら白状したいでしょうね。それほど芯が強く見えない彼だから、このままだと心が折れてしまいそう。編集者を続けられなくなる。何より、自分が先輩になったときに、自信を持って後輩を指導できませんね。
しかも ユリタンは 連載 !?
平丸の『僕には通じない』は、残念ながら落とされてしまいました。彼の天才伝説も、ここまでか !?
超くやしい
という吉田のセリフで流されると思ったら、ちゃんとダメだった理由が明かされたのは良かったです。ついでに、ユリタン
と吉田がしゃべっているところも笑える。
しかし、3 本とも舞台が 学校という所
が落とされた理由とは、ちょっと納得がいきません。アニメの世界なんて、「学園もの」ばかりだというのに──。
ただ、本当に舞台だけが問題なのであれば、会社での話にすれば良さそうです。「高嶺の花の OL がヒロイン」という設定は青年誌に良くあるけれど、「週刊少年ジャンプ」では珍しい(初めて?)。
あるいは、もう完全に奇想天外な世界観を展開して欲しいです。ずばり、舞台が異世界の「ファンタジィ・ネガティブ・ラブ・コメディ」は どうだろうか?
- 佐々木編集長:
- 「ナシだ」