『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 18 巻 「燃えろファルケン!」
祝! アニメ化ドンドンドンパフパフー記念号──というべき 1 冊です。
週刊連載の時に、「アニメになることが決まってから、こまかい設定が急に固まる」という現象が見られました。『さよなら絶望先生
意外と「原作至上主義」な自分は、残念ながらアニメは見ないと思いますが、早乙女ロマンが繰り出す「マンガ的表現」をアニメでどう描くのかは気になる。そこは原作をトレースするだけではなく、「アニメ的表現」をするべきですね。声優にツッコミ、とか。
アニメから入った女性ファンは、「──で、ボッスンはヒメコを取るの? それともロマン? きゃー!」と想像しながら、楽しみに観るでしょうね。さて、どうなるのか?
その答えは、次の巻あたりに出てきたりして──。
第 154 話 「ヘンタイ犯人とヘンジン 8 人」
ヒメコが のぞきの被害にあった──という話をコミカルに描いた回ですが、女性にとっては許せない犯罪行為です。ボッスンとスイッチは、慣れた相手だから彼女のことを茶化しているけれど、すこし軽率な気がしました。
加藤希里が言うように、見られたもんは 見られたもんだ 怒っていい
──と自分も思います。そのあとの加藤がやった制裁は問題だけれど──、もしもこの場面で更谷を殴ったのがヒメコだったら、ボッスンや椿には何が言えただろう?
──と真面目に考えていたら、「高橋キャプテンの着替えが見られなくて残念!」と書ける空気じゃなくなった。
この高校(このマンガ)は、異常に性犯罪が多い。極めつけなのは、第 23 話 「蜘蛛の会」(『SKET DANCE (3)』)です。女子生徒への猥褻(わいせつ)行為を目的にした組織が、学園内にある(あった)なんて、信じたくない事実ですね。
「学園モノ」と「性的な描写」と言えば、ちょっとしたハプニングから「わぁ~お(ハート)」な展開が巻き起こるという、『To Love る
ところが、『スケットダンス』では、妙にリアルな描写を出してしまう。作者は、性犯罪防止に本気で立ち向かいたい(読者にも立ち向かって欲しい)のか、性的な興味を誘いたいのか、よく分かりません。
リアル志向が良い方面に向かった、「修学旅行編」という好例があるから、「もうエロい話は やめてください!」とは思いませんけどね。
『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 15 巻 感想・2 : 亜細亜ノ蛾
結論としては、宇佐見羽仁(うさみ はに)が もっとがんばるべきだ! 君には、期待しているよ……(ごくり……)。あと、デージー(浅雛菊乃)が積極的に宇佐見を攻めていて、たいへんよろしい。
「セルフ・ライナー・ノーツ」によると、作者の篠原健太氏は、「SASUKE」の収録現場を取材したことがあるそうです。この人の経歴は、いろいろと面白いですね。
Wikipedia の情報は、まだまだ すくないけれど、これから面白情報で あふれていくに違いない!
第 155 話 「さぐりあい本音(はら)」
スイッチもホウスケもすごいな! ──という話でしたね。この 1 人と 1 匹にチュウさんを加えると、完全にファンタジィや SF の世界になってしまいます。高校の部室におさまるレベルじゃない。
リアルな描写がこの作品の特徴──と上では書いたけれど、わざとバランスを崩すあやうさも魅力です。
普段は仲の良いスケット団ですが、さすがに頭の中身を読まれると、ギスギスしてしまいますね。本音を言い合う 3 人でさえ こうなるのであれば、普通の高校生や社会人だったら──。
前回はボディをのぞかれ、今回はハートを さらけ出されたヒメコは、照れ屋さんかわいい! 好きな人の告白へと話を持っていったのは、スイッチの策略でしょうね。
ボッスンとスイッチが好きな相手は誰だったのか、気になるところです。言い出しっぺの笛吹は ともかく、藤崎まで すんなりと決めている。迷わずに決定した相手とは、誰なんだろう……?
──あ、そうか。スイッチの場合は、アニメのキャラクタを挙げるでしょうね。あるいは、「声優として」のモモカとか。
このスケット団の中だけに限定して、恋人候補ではなく友だちとして「とくに好きな人物」を言い合うとしたら──、ヒメコだけではなくスイッチも、ボッスンの名前を挙げるはずです。なぜなら、2 人とも彼に救われたから。
──では、ボッスンは?
彼の場合は、「どちらか 1 人だけ」には絞りきれない気がします。どうしても──ということであれば、同性である笛吹の名前を思い浮かべたと思う。
第 156 話 「ロマンが道を往く」
前回のラストでは早乙女ロマンが久しぶりに登場したけれど、また本筋とは関係がないまま終わっていきました。ほとんどマスコットキャラ──というか、漫符に近い存在になっている。
そう思っていただけに、今回の活躍はうれしかった!
スケット団と女子漫研とは、部室が隣同士だった──という取って付けたような設定からは、面白い想像ができます。ロマンは、「あこがれの王子」が楽しそうに(ヒメコと)話し合う声を、ずっと近くで聴き続けていた──。
これって、ものすごく胸がキュンキュンする状況ですよね! ロマンがどれだけ本気でボッスンのことを好きなのかは、ハッキリと描かれていないけれど、この点だけは「普通の女子」としての「好き」なんじゃないのかな……。
いつものように、ロマンは素の表情で無茶をやっている。でも、ボッスンが部室を訪ねてきた時には、本当に喜んでいたと思います。王子との合作も心臓バクバクだったはず。ヒメコに対しては、複雑な心境だったりして……。
個人的にはずっと注目してきた「ボッスンに対するロマンの恋心」は、おそらく──今後も真剣には描かれないでしょう。自分で想像するしかありません。
なぜなら──、いや、いまは言うまい。
真賀田道則(まがた みちのり)と犀川望(さいかわ のぞむ)の「サイノン & マガーファンクル」コンビの命名は、藤子不二夫氏の『まんが道』に出てきた登場人物(と サイモン & ガーファンクル)から取ったそうです。
SKET DANCE #その他の生徒 – Wikipedia
あとは、森博嗣氏の小説に出てくる、真賀田四季と犀川創平の名前も借りていると思う。そうじゃないと、「犀川」「真賀田」という名字は、ちょっと出てこない。
「卜打荘」(ぼくだそう)の住人である彼らの作品は、古くさいけれど面白かった! 正直なところ、ロマンとボッスンの合作よりも完成度は上だと思う。
作品の中で架空の作品を出すためには、かなりの苦労が必要になるはずです。それでも、今回のような対決をもっと見てみたい。ロマンの新境地は、どこまで突き抜けていくのか──、ファンとしては見届けたいです。
第 157 話 「忍と鬼と赤い角」
男子生徒の暴走から始まって、多くの生徒がいるのに「忍んでいない」加藤、丹生美森の負傷──と冒頭から激しい始まり方でした。
お嬢様は、こんな時でも おしとやかなんだな……。なぜだか、自分の中でミモリンの株が急上昇しました。
勝手な行動を取るな
と加藤をしかりながらも、椿は暴力を振るう。そう、生徒会長になっても、彼は鉄拳での制裁を続けています。加藤に指摘されても、全力で自分自身を肯定している。
これでは、ほかの生徒の見本には なれないのでは?
もう「コブシで語り合う」時代ではないし(演歌のことでもない)、生徒会の人間が暴力に訴えるのも問題だ。それでも描いてしまうのが、この作品の──作者の特徴ですね。
ヒメコと加藤は、まるで家族のようによく似ています。もちろん、意識してそう描かれているのでしょう。おそらく、ボッスンとヒメコとのような関係になっていく──と想像できます。
いまのところ、ヒメコは、加藤に対して男性としての興味はなさそう。しかし、加藤は──微妙なところですね。どう見てもツンデレだし。
作者のあとがきによると、ほかのキャラクタと違ってキリは道筋が決まっている
とのこと。初登場のころから「作品の世界に なじんでいないな」と違和感があったのは、わざとそう描いているのでしょう。
この作者の言葉を聞くと、ますます、加藤とヒメコは結ばれるのでは──と思いました。
アカツノチリ毛虫と同じように、ソワソワしながら 2 人の関係を見守りましょう──。