HUNTER×HUNTER #275『約束』 キルアが聞きたくない言葉

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HUNTER×HUNTER No.275『約束』 (週刊少年ジャンプ 2008 年 18 号)

ゴン株の大暴落が進行中ですが──、まさか、前回より [これはひどい] な行動に出るとは──!

今回、下手をすれば「人類滅亡のシナリオ」も あり得る、というところまで行ったのが驚きでした。

さらに、ゴンとキルアの関係も揺らぐのでは、という発言もあり、ハラハラしっぱなしの展開です。

いったい、どこに話の着陸点があるのか、まるで見えない状況に目が離せません。

キルアの制止

いつも書いていますが、ゴンとキルアは、本当に いいコンビだと思います。

抜群の瞬発力と直感力でゴンが突き進み、冷静な判断力と(元・殺し屋としての)経験で制止するキルア。

今回も、大体の状況をキルアが把握したおかげで、「最悪のシナリオ」は避けられそうです。

──が、それは「読者の視点」だから言えること。

たしかに、ゴンの言うとおり、キルアは「おそらく」や「多分」の判断なんですよね。「敵」の言うことを素直に聞いた上での。

それを、おとなしく聞いて待つ、という事が できるような、生半可な怒りと使命感で ここまで来たゴンではない。──というのは判るけれど……。

ネフェルピトーの覚悟

ピトーも、相手が折れないと気付き、「侵入者」の目の前で とんでもない行動に出ました。

ここまで必死で、痛々しいほどのピトーを見ることになるとは──。前回の時点でも、思いませんでした。

──自分も含めて読者の大半は、前回の展開のあと、「素直に治療を待つゴンとキルア」を想像したのでは?

そんな甘っちょろい、ご都合主義的な作品・作者と、ほんの少しでも思っていた自分に絶望した!

ピトーの「王の命(コムギを治療する)を全うすることに、全細胞を働かせる」というのは、ここまでの覚悟を含む物だ、というのを見事に描いて いますね。

それにしても──。ピトーの能力が、「治療の際は すべてのオーラが使えない」「治療には(実際の手術同様に)数時間を要する」という設定になっていたのは、今回のことを想定していたのかも知れませんね……。

シンジ君と化すゴン

そんな、ピトーの覚悟を見ても聞いても、否定しようとするゴン。

おそらく、今まで いろいろと察しの良いゴン(女性関係除く)の事だから、ピトーが言うことが真実であることも気付いているのでしょうが──。それを認めると、自分の行動の是非も揺らぐから、聞き入れない。

そんなゴンを止める、キルアの一言が鋭い。──これ、かつてレオリオがクラピカを止めた場面を思い浮かべた人、多いのでは? クラピカは すぐに普段の冷静さを取り戻しましたが──。

ゴンは、とうとう、キルアが一番聞きたくなかった言葉を口にしてしまいます。もう、「それなんてシンジ君?」という感じで。

キルアは、いつも、「その言葉」に おびえながら、ずっとゴンのそばに居たのでは──。

いまさら言うまでもなく、ゴンとキルアの冒険の目的って、一致していないんですよね。なので、「それ」を言ってしまえば終わり、なんですよ。

キルアの表情の、本当に悲しそうなこと!

(「──え、目的ってなんだっけ?」という質問に答えるような、無粋なことは しないので、コミックを参照ください)

「ここで待つ」

──えっと、ここって笑うところ? と判断に迷うラスト付近でした。「ここ」で待つなよ(笑)。

なんというか、「お客様、困ります ><」みたいなピトーに噴いた。どう見ても突っ込みやコラ待ちです。本当に(ry

絶対、「嫌がるピトーを無理矢理 XXX するゴン」というシチュを描く人が大量発生しそう。最近のピトーのかわいらしさと言ったら、もう──と思う、自分が汚れていますか !? 汚れていますか !?

そんな、ねじ曲がった見解を抜きにすると──。

これ、おそらく「片腕が折れたピトー」でも、オーラ全開ならゴンを瞬殺できるだろう、というところが面白い。多分、ゴンが この先、何年も修行を重ねないと、ピトーと勝負にならない。

──なのに、このゴンの態度。作者は、こういった「あり得ない状況」を創る天才だな、と感じます。

まとめ

まとめるも何も──。「ゴン自重しる!」しか言いようがない。

てか、カイトって「元に戻す(Ctrl+Z)」ことが出来るのか? という問いの答えを知るのが怖い……。

──あ、今ごろ気付いたけど、ピトーが治療する際は、操人形の能力が解除されるけど、カイトは その時どうなってるんだっけ? というのはスルーしたほうが良いのかな……。