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『のりりん』 7 巻 鬼頭莫宏 – 鬼の居ぬ間に頂上

鬼頭莫宏 『のりりん


鬼が出るか──輪が出るか

ついに杏 真理子の本性が暴かれる第 7 巻です!
カラモモさんは「カマトトさん」だったわけですが、その正体は──「オニモモ様」だった……!

また、ラーメン屋「」での解説が おもしろかった!
オイちゃんが延々と話を続ける場面は、「動かざることエベレストのごとし」な(?)『SKET DANCE』を思わせます。両方とも、セリフだらけなのに ちゃんと「マンガとして楽しい」!
オイちゃんと陽子さんの 2 人が中心になってロード・バイクの解説をする内容で、『のりりん』の副読本が出たら買います! たとえロード乗りじゃなくても、そういう読者は多いのでは?

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女 2 人集まれば

「ガスト」での女子 2 人の会話が興味深い!
「元ヤン」というよりは「現役バリバリなんで夜路死苦★」な友だちから、「あんたにしては 品行方正」と杏さんが言われています。やはり彼女は、おしとやかに振る舞っていただけなのか?

とくに、その直後の「いつもの 感じと 違ってさー」と言うカラモモさんの目つきに注目です! 完全に悪(ワル)の目をしている……! 援助的な交際に いそしむ女子高校生なギャルと同じ目ですよ!
あるいは、鬼頭 莫宏 作品では日常茶飯事な「平気な顔をして同級生の首を■る女子」を思い起こす……。
きっと、モアモアしたカラモモ・ヘアの下には、とんがったデビル・イヤー(は地獄耳♪)が隠されている。

ノリの命運は決まった?

そんな(どんな!?)杏さんだから、女子高生を 選んだノリを実力行使(意味深)で落としたあとは、一生 尻に敷いて君臨し続けるはずです。若江 南×東 均カップルのように。

オニモモ部長」という呼び方で、「杏さんは部活動で厳しかっただけ」というオチ(ズコー)が付きました。でも それは、裏を返せば「部員たちが悲鳴を上げてもシゴキ続けた部長」を連想させる。
ノリもシゴかれるのだろうな(いろんな意味で)。

タイトル通り「やっぱり女子には敵わない」話でした。

縛りにハマる

ビンディング・シューズビンディング・ペダルは、ロード乗りなら避けては通れないアイテムす。
ただし、いきなり投入しては、本巻のノリのように「立ちゴケ」してしまう。前巻の門真 洋一で軽く予告しておいたことが効果的でした。

ノリ
たっ 立ちゴケじゃ ないよ(震え声)」

ビンディングが最初に「ガチャ」とハマり、本当に うれしそうな表情を見せるノリが印象的です。あれだけ自転車乗りが嫌いだったのに、おかしな運命ですね。
ハマっているのは、ノリのほうでした。

仲間か敵か

ロード乗りたちの息のあった「×」が笑えます!
見ず知らずの人に対しても、みんな仲間意識が高くて楽しそう。有名人なリンが近くにいたから、「知り合いの知り合いは みな知り合い」感覚なのかな。


一方、女子チームは まわりを「」と見なしていた。
同じ趣味を楽しむ同士なのだから、「仲間」と思っても良いのに……。
女子は、「友だち」と思った相手には、必要以上に馴れ馴れしかったりする。しかし、縄張り争いが激しく、対抗意識も強い。

それでも、いちばんキツい表情をしている丸子 三夢は、兄と同様に穏やかな性格です。いつも猪突猛進な南や、暴走しがちなオニモモさんを抑える場面が増えそう。
兄妹そろって、苦労人ですね!

静かな名将

ツンデレな等々力 潤は いつものこととして、織田 陽子さんまでデレて(照れて)いる!? (p.18) 当然ながら娘の織田 輪とソックリで、妙に かわいらしい。

「解説役」を老松さんに譲ってからは、陽子さんは おとなしく脇に下がっています。
しかし、ノリから直接 速く なりたい気持ちを確認したからには、次の秘策を投入してくるに違いありません! 「体力バカ」なノリは、イジメがいがあるだろうなぁ……。

陽子さんの「細いけどよく見える目」は、オニモモさんの本性も見抜いているでしょう。彼女をノリの特訓に使いそうです。
カラモモさんがノリを地獄のシゴキ(意味深)でグッタリさせる(意味深)日も近いか!?

嘘と沈黙の雨

「リンとカラモモの二股をかけているノリが、2 人に嘘をついた」とも読める会話の流れで、「頑固なノリは雨の中を自転車で通勤するはず」と読める陽子は すごい!
しかしノリは、ほかにも「女の人には 見透かされている」のであった。けっきょくは 2 人ともウソを見抜いてノリと会っている。

恋のライバル同士が、バチバチと火花を散らしながら冷静に戦っています。その炎は、雨なんかでは消えません!


一緒に走っとって 気持ち良かよ」と笑うリンは、どう見ても恋する乙女です。
それなのに我が娘を見た陽子さんは、「走り方が 上手い」と分析している。過保護な親なら娘の貞操を心配するところですが、陽子さんは娘との並走を望んでいた(どやぁ)。
「親バカ」ならぬ「自転車バカ」な陽子さんです。


走り方が上手な人は、相手の気持ちをよく考えている
いつも怒ってるようでいて心の中は 緩い人」というギャップがあり、意外と思いやりがあるノリは、カラモモのように女子は惹かれてしまうのでしょう。
たしかにフツーと逆ですね。見た目は穏やかなのに、いつも内心は怒ったり攻撃的な男性──すぐ近く(アナタから 0m 以内)に いませんか!?

まさか、南までノリにホレていたとはビックリです!
こうなると、もしかして女子チームは全員──妹のミムまでノリが好きなのか!?

雨では流されぬ色香

サイクリング・キャップをカブったリンが かわいかった!
いつもロングの巻いた黒髪(と体つき)が女の子っぽいリンが、その特長をすべて隠した雨仕様なのに、少年っぽくて逆に色気を感じる(ごくり……)。

また、『サクラ大戦』などの時代物に登場する女性戦闘員みたいにも見えます。
やはり『のりりん』も、後半になると「セカイ系」なバトルものに変わっていくのか……!?

雨ガッパを着た女生徒に対して「いかし過ぎだぜ」とクラクラしていた鈴木先生の気持ちが よく分かります!

『鈴木先生』 多感な少年少女と多汗な教師が「いかし過ぎだぜ」 | 亜細亜ノ蛾


でも、このレインコート(ポンチョタイプ)には色気を感じないなぁ……。
──あ、だからこそ女性にはピッタリか!?

今回のフラグ

ビンディングを忘れて立ちゴケしかけるノリや、体力の限界を考えずに山登りする女子チーム、「今日帰ったら 丸子さんに交際申し込むよ」など、地雷原を突き進むようなフラグだらけの展開でした。
「ついに鬼頭 莫宏が本気を出してきたか!?(ガタッ」と思わせて、意外にも全員が無事で──良かったですねー(チッ!)。


フラグと言えば、恋愛フラグがノリ周辺で立っている。

門真 洋一と 2 人で走ることをリンは「ちょっと 気まずか けんねー」とイヤがっています。もう完全に この 2 人が結ばれることは ありませんね。
対照的に、たんなる自転車の仲間という以上にイイ空気で走るノリとリンです。しかし、最後の言葉遣いに関する指摘で、少し距離が開いてしまう。普段は ぶっきらぼうなトドローでさえ気を遣ってるくらいです。

どうして 博多弁なの?」はリンを知る人なら全員が気になるはず。単純に考えれば、リンの「好きな人」が博多弁で話すのでは?


わざわざ背の順に並び、生暖かい目でノリを見つめる営業所の みなさんが笑えます。
モテるノリのことだから、女性社員ともフラグが立っているのでは?

そういえばノリは、「すべて下ろした前髪」「オタクな趣味」「メガネ」という──アリガチなエ■ゲやラノベの主人公タイプですね! だからモテモテなのか……(?)。

自家用車は当たり前か?

自家用車禁止」は自分も賛成です。
トドローが言い出した この考え方は、森 博嗣先生がウェブログの『MORI LOG ACADEMY』で何年も前に書いています。おそらく、大学の教員たちなどの間では、何十年も前から議論されているでしょう。

現在は自家用車が中心になっているから、当然のように「むしろ自転車を禁止すべきだ!」と反論する人のほうが多数なはず。
しかし、今の世の中で「テレビを見るのが当たり前」な人は もはや大多数ではない。それと同じにはできないけれど、数十年後──いや数年後の社会では、自家用車に対する考えも変わっている可能性は十分にある。


また、「自転車も原付と 同じルールで 走る」は、ぜひ正式に法律で定めるべきだと思います。その上で、原付バイクと自家用車に関する法律の問題点を考えれば良い。

おわりに

拘束されるの好きな人」とか「タマにはカタイの」といった「(意味深)」なサブ・タイトルが出てきました。とくに後者は、本編でも突っ込まれている(意味深)。
でも、不必要に「シモ方向」へイジくり回さないところが、オトナのコミック(意味深)な本作品らしい。この作者の作品は、たとえドロドロした部分を描いていても上品に見える。


第 8 巻では、ついに女同士の戦いが本格化します!
じつは、すでにカラモモさんのオニ部分は「運転者に口移しで酒を飲ませる」でバレバレでした。あの時は酔っていたから見過ごしたけれど──。
今回はシラフで「くそう あの男 バカに しやがって(ノリを思い浮かべながら)」ですからね! 「元ヤン」要素が見え隠れするオニモモさんが「デレ」たら、「ヤンデレ」に なって危険な恋を楽しみそうです!(アカン)

リンが行方不明になった原因は、オニモモさんが──。

asiamoth: