『HUNTER×HUNTER』 No.370 「観察」 感想
今回の見どころ
- 順調に死亡フラグを立てていくモブさんs
- 銃火器に くわしくて煽り上手なクラピカさん
- お茶目なオイトちゃんが今日もカワイイ(一週ぶり2048回目)
「静かな多数派」の脅威
「王位継承戦」が始まってから「特定の者にしか見えない能力」が登場しました。
〈11人いる!〉の 〈座敷人形〉 は、発動した術者の他には〈憑かれた者〉にしか見えません。しかも、〈呪唇白蛇〉は4匹同時に一人を襲えば 11秒で全身の 血を吸い尽くす
という凶悪さです。
これまでの〈念〉の概念を打ち壊すほどの能力に感じました。
たとえば、今回の犠牲者はバリゲンでしたが、同じ攻撃でクラピカやオイトにワブルなども襲えたのでは?
ただし〈11人いる!〉も万能ではありません。
まず、どうやらターゲット(射程)が決まっています。能力名から考えて、今回の10人
が絶対の条件なのでしょう。ターゲットと平手 友梨奈さん──もとい〈黒ぼっこ〉を入れて11人、なのかな。
──いや、〈憑かれた者〉ことロベリーが指さした際に、ターゲットと思われる10人が一斉に人形を見ました。この「11人が〈黒ぼっこ〉を見る」ことが〈ツチボッコ〉の発動条件で間違いないはずです。
そして、下に示す制約を破った時が恐ろしそう……。人を呪わば穴二つ、ですね(『地獄少女』かな?)。
〈11人いる!〉の説明には良く分からない点が二つ ありました。
まず、親切丁寧にも術者が語ってくれた以下の制約です。
不測の事態で 座敷人形が一人も 殺さず強制解除 されると 呪いが術者に 返ってきて しまう…
実際に対象者を襲ったのは〈ツチボッコ〉でした。これは「〈座敷人形〉が殺した」としてカウントされるのでしょうか?
もう一つの疑問は、なぜバリゲンを襲ったのか? ターゲットには もっと手強そうな護衛が何人も入っていたのに。
──と思って読み返すと解決しました。リスク覚悟で 早めに一人 殺っておく
と術者が考えたからでしたね。
ただ、これは最悪の悪手でしょう。この場にいる全員が警戒しています。強制解除の危険性が増しただけで終わりました。
それとも、この状況も術者の「計画通り」なのか?
ミュハンは、まっさきに肉片と化しそうな性格です。すぐにキレる部分だけは顔も含めてベンジャミンと似ている。しかし、第一王子と違って知性を感じません。
創作物の世界では、無駄に横柄な態度をしている者の末路は決まっていますよね。バリゲンに先を越されたことが意外でした。
(──と書いたけれど、この作品で性格が悪くて退場した人間なんて いたっけ? ある意味ではネテロが当てはまるけれど)
ケンカ腰
と書いてスラム流
と読む! クラピカの あおり文句が見事でした。
ミュハンが激怒した理由は、本当に貧困層の出身なのかも。
会ったばかりの相手なのに、クラピカは生まれ育ちまで見抜いたのでしょうか。それとも当てずっぽうかな。
いずれにせよ、クラピカの煽り上手な一面を思い出しました。そう言えば単行本の一巻から ずっとクラピカは悪態をついてばかりの人生だった(完)。
──いや終わっていない。けれども、幼いころの純真なクラピカは帰ってこないのだろうな……。
HUNTER×HUNTER 「クラピカ追憶編 前編」 彼女が目指した世界
HUNTER×HUNTER 「クラピカ追憶編 後編」 目の色を変えて怒る彼女
おわりに
題名は鱣は蛇に似たり、蚕は蠋に似たり
から借りました。
「鱣」は、鱧(はも)のこと
・「蠋」は、芋虫のこと
。ようするに、「ヘビっぽいハモでもイモムシっぽいカイコでも、美味しい食べ物や金儲けのためなら平気で扱えてしまう」という意味ですね。
「最初は大嫌いだったアイツも、いつのまにか──」というラブコメあるあるみたいな感じでしょうか(絶対違う)。そんな恋愛がしたい人生だった(未完)。