『バクマン。』 169 ページ 「声と反響」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 14 号)

ニコニコ いつもニコニコして──ばかりは いられない

声優は「恋人とか結婚とかは 駄目なんだ」というセリフが出てきました。おそらく、「(とくに若い女性)芸能人の常識」として無意識に納得している人も多いでしょうね。

そんな常識は、いったい誰が作り出したのだろう?

手が届かない対象を、手に届かせようと努力もしないで「他人に取られた!」と思う心理が、自分には まったく分かりません。油田の持ち主や宇宙飛行士にも、同じように嫉妬心を燃やすのかな。

──なんだかマジメくさったことを書いているけれど、「あの人気ブログの管理人 うらやましい……!(ギリギリ」とボロボロになるくらい歯を噛みしめる日々です。

亜豆らしいな

いよいよ(いまのムードと合わないタイトルの)『アズキュンナイト』が本格的に始まりました! あまりにも正直すぎる亜豆の発言は、世間に受け入れられるだろうか……。

大半の人は声優に興味がないだろうから、たとえ他人から今回の放送を聞かせられても、「ふーん」で終わるでしょうね。

シュージンは、自分が攻撃されると落ち込むことが多い。しかし、他人のことは けっこう「冷静に分析」します。ここでも亜豆の心理を探っていますね。

もしかしたら亜豆の言葉から、シュージンは作品のヒントをつかもうとしているのかも。今回の放送を引いた視点から見てみると、「視聴者を洗脳する」一面があって、『REVERSI』と つながってきます。

面白いじゃ ないか

今回の騒動を引き起こした張本人たちは情けない!

騒ぎの発端を作った石沢は、のんきに お菓子を食いながらネットを見ている。自分の手に負えないほど話が広がったからです。「開き直っ ちゃったよ」なのは お前だ!

どうせなら石沢には、まっ先に電凸するくらいの最低ぶりを見せて欲しかった。落ちるだけ落ちて這い上がった──中井巧朗の足下にも及ばない。

一般人まで巻き込んだ「東西スポーツ」の記者は、自分が書いた記事を真実だと告げられたのに焦っている。知らず知らずのうちに亜豆は、記者に対して最高の一撃を食らわしました。

むしろ放送を面白がっているデスクのほうが、プロ根性を感じて個人的には好感が持てます。これくらいドンと構えているから、彼がデスクになれたのでしょうね。


亜豆がここまでハッキリと公言して、いまさら冗談だなんて言ったら、逆効果にも ほどがある。

声優プロダクションの社長も、亜豆のマネージャも、「往生際が悪すぎる悪役」みたいです。なんとなく このコマはロボット・アニメの一場面みたいに見えました。もうすぐコックピットが爆発しそうだなぁ。

興味深いことに、「本当のこと」を語っている亜豆の言葉は「夢です」だったり、仮想空間(匿名掲示板)の発言をリアルでの 反応と言ったりしている。このアベコベさが皮肉っぽくて良かった。

何かいいよなあ

自分の気持ちをウソの言葉に置き換えて視聴者の心を癒やすか、あるいは本心を告げて一部のファンに離れられるか──。むずかしい問題です。

ここで掲示板に書かれた >>765 の発言を見てみましょう。「作り話説」を否定した意見に対して、「何でわかる?アズキュンの友達ですか?」と丁寧語で挑発している。

みなさんは、友だちには本当のことだけを話しますか?

相手から聞かれたことに全部答えることが「友だちの条件」なんて考えていたら、息が詰まって仕方がない。友だちや家族・恋人にだって、時には作り話を交えながら会話することが普通です。

今回の亜豆は、「大切なファンに 嘘を言う方が 嫌です」という道を選んだ。この一見すると「プロの声優らしからぬ私的な行動」は、じつは「プロとしてのパフォーマンス」とも言える。

──もちろん、亜豆に そんな計算はないけれど。

これからも 頑張って いきたい

ラジオ番組の制作者たちも、亜豆の作り出した空間に飲まれていますね。

ところで、人気声優が出演する全国放送のラジオ番組なのに、ディレクタと音響・なぜかパソコンと にらめっこの男の 3 人(実質 2 人?)だけで作っています。これは興味深い! テレビとは比べものになりませんね。

テレビ番組でも最近では、ウェブ配信用のカメラで撮った映像を流したりする。映像の世界も手軽に省力化していきそうです。そして映像機器の性能は上がる一方だし、将来のテレビ番組は より身近になっていくのかな。

──時は 3012 年、いまだに日本では「芸能人が飯を食って騒ぐテレビ番組」が 98 割であった。

中国嫁日記:日本のテレビは…


今回は「亜豆美保 vs. 視聴者」な感じでした。

ところが、このラジオ局にいる人間ですら──亜豆の味方ではない。亜豆から「おもしろいこと」を引き出そうと目論んでいる。録音すれば番組は永久に残るけれど、3 日もしたら ほとんどの人間が忘れてしまうのに……。

チェックのシャツを着た丸メガネの男は、この番組のディレクタだと思います。彼もプロだけあって、さらに番組を盛り上げようとしている。もしも自分だったら、社長と一緒に頭を抱えてしまいますね。

生放送で そんなこと

この状況で視聴者の声を入れるなんて、もうイヤな予感しかしません。マネージャと社長が警戒するのも当然です。「ニコニコ生放送 + 中二女子の放送主 + リクエスト大会」くらいの危険さだ……(ごくり……)。

しかし──、どんな視聴者からの電話だろうと亜豆は受けて立つ! 攻撃的な声が多いと分かっているのに……。ディレクタの予想を超えた器のデカさです。

ダテに硬そうな髪型をしていないぜ、亜豆さん……!


ファンに何か 聞かれたら あの子は何でも 正直に答えてしまう そういう子なんだ」と言う社長は、ある意味では亜豆のことを心から信頼している。「期待を裏切らず」に──とんでもない事態が起こると確信しています。

一方、ラジオ局の人間は、「プロの声優なんだし オトナなんだから 節度をわきまえるだろう」と思っているに違いない。

あいにく亜豆のアネゴは、そんなタマじゃねェぜ……!

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