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007 慰めの報酬 – 復讐を求めるのは死者ではない

『007 慰めの報酬』 (Quantum of Solace)

Daniel Craig as James Bond
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土曜日(2009/01/17)の夜、「007」シリーズの最新作を 109 シネマズで見てきた。正式な公開は 2009/01/24(土)だが、先行上映会をやっていたのだ。

じつに面白かった。いきなり派手なカーアクションから始まり、中だるみなしに最後まで進行していく。前作は 144 分と長かったが、本作はわずか 106 分である。しかし、物足りない感じはしない。むしろ「詰め込み過ぎなのでは」と思えるほどの内容だ。

迫力のあるアクションシーンが多い。何でも器用に乗りこなすボンドが、血と汗にまみれながら戦う。見応えたっぷりだ。

しかし、自分には静かな場面のほうが印象に残った。戦いが終わり、砂漠から帰ってくるシーンのしんみりとした感じが好きだ。

誤解を恐れずに言うと、「007 シリーズにしておくのが もったいない映画」と感じた。

これは、別に「007 は古いから もういい」といったシリーズを否定する意見ではない。そうではなく、「慰めの報酬」が新しいジェームズ・ボンドを描こうとしているのに、「007 シリーズだから」という「お約束」を入れている、と感じたからだ。

──つまりは、あまり 007 っぽくない。往年のシリーズ作品を懐かしんで劇場に足を運んだ人は、「オレが見たかったのはコレジャナイ!」と叫びたくなるかもしれない(アナウンス「館内ではお静かにお願いします」)。

ストーリィが前作の一時間後から始まる。復讐ならぬ復習が必要かもしれない。「組織内に裏切り者がいるのだな」とだけ理解していれば、なんとか話について行けるだろう。

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