『ニセコイ』 vol.1 「ヤクソク」
愛の錠は──鍵をかけたままが良い?
『ニセコイ』は、古味直志(こみ なおし)氏が描くラブコメ・マンガです! 前作の『ダブルアーツ』は──正直あまり読んでいなかったのですが、この作品は第 1 話から引きつけられました。
さて、ラブコメとは何でしょう?
コメディ作品の基本は「勘違い」です。登場人物が A のことを B だと思い込むことで話が広がる。読者を勘違い(認識違い)させるとミステリィ作品になりますね。じつは視点の違いだけで両者は似ている。
恋愛作品の基本は「すれ違い」です。「ボーイ・ミーツ・ガール」という言葉があるけれど、好きな者同士が出会って一瞬で恋に落ちていたら、「週刊少年ジャンプ」では連載が取れません。だからガンガンすれ違いまくる。
コメディと恋愛が合わさったラブコメ作品である『ニセコイ』は、勘違いと すれ違いの嵐が吹き荒れます! その上、「分かりやすいベタなノリ」が軽妙で楽しい!
しかし、それだけの作品では、わざわざ自分が何時間も使って感想を書いたりはしません(何様!?)。
ある種のミステリィ的な要素──「10 年前に主人公と約束した女の子は誰だ?」の謎で、読者をグイグイ引っ張っていきます。この謎も「志村ァー! うしろ うしろ!!」な見え見えでベッタベタと思わせて──。
ところで、第 1 巻の帯にはデカデカと「始まる、偽恋物語 !!
」と書いてあります。──同じ雑誌に いらっしゃる『偽物語』と『恋物語』の作者・西尾維新先生に怒られるでェ! だから『ニセコイ』は片仮名にしたのかな。
それでは、軽々と読める感想をどうぞ!
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