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『バクマン。』 141 ページ 「年齢と実績」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 33 号)

Glory-ous morning
(過去の栄光は──幻覚を見るほど愛おしい)

『バクマン。』に出てくる「面白いマンガ」は、編集部で賛否両論になることが多い。「少年による完全犯罪」を題材にした『PCP』や、主人公たちが消えていく『シンジツの教室』は当然として、『CROW』でさえ連載に反対する人がいました(『バクマン。 (3)』)。

たとえば、『ONE PIECE』が いま初めて持ち込まれたら、「主人公の目が点なんてナシでしょ!」と言い出す編集者が絶対にいる。『ドラゴンボール』だって、描写の過激さを指摘するでしょう。性的な意味で……。

『ドラゴンボール』 - 其之一 「ブルマと孫悟空」からエロさ爆発! : 亜細亜ノ蛾

マンガを 見る目は ある……

東は、自分の年齢を必死に隠そうとしていました。それなのに、瓶子編集長は彼を知っている。もしもここで はち合わせしていたら、どうなっただろう。せっかくの計画もムダになるのでは? ──と この時点では思っていました。

問題は、そんなところでは なかったのです。


編集部で話題になる作品でも、評価は二分することが多い──と上で書きました。ところが、東の『ぱんちらファイト』は大評判です。これだけ何人もの編集者に絶賛されているマンガは、初めてなのでは? 連載も確実そうです!

──と書いてきて、いま、気がつきました。編集部にいるのは、相田班の人間ばかりです(+ 吉田)。この状況であれば、先輩である服部が持ってきたマンガに文句を言う人は、だれも いないでしょう。

今回の服部は、目が怖いし……。

ただ、次のページで瓶子も面白さを認めているから、『ぱんちら』の実力は本物ですね。

すさまじく 面白いな!

東の名前(本名?)は、「東美紀彦(あずま みきひこ)」という。この語感からすると、どうしても──あの「芸能人は歯が命」の人を思い出します。そう言えば、自分と同じで誕生日が 8 月 12 日なんだよなぁ(──で?)。

東幹久 - Wikipedia

なんと、瓶子は東の担当者でした!

そうなると、東の言動が不思議です。元・担当者が編集部にいることくらい、「黒幕」も東も知っていたはず。しかも、ペンネームも変えていません。

これでは、たとえ服部が黙っていても、東の年齢は絶対に知られます。どうして隠そうとしたのだろう? 服部がどんな反応をするかを見て、彼を試そうとしただけ──かもしれませんね。


東を担当者していたころを、瓶子は回想しています。この場面で、「とんでもないこと」をサラッと言っていることに、お気づきでしょうか?

瓶子が くだした東の評価は、「女性は上手に描けるが、話は書けない」といった感じです。そのため、連載も打ち切られてしまった。でもそれって──、

原作者を用意すれば済む話です!

十数年前の話だから、現在のように「マンガの原作者がいて当たり前」という状況ではなかった可能性を考えました。しかし、原作者つきの名作は、以前から普通に何作もあります。

漫画原作者 - Wikipedia

つまり──、東のマンガがウケなかったのは、瓶子が自分の仕事をしていなかったせいでしょう。それとも、「話が書けなかったら、自分で原作を見つけてくる」のも、マンガ家の仕事なのかな……(昔は本当にそうだったのかも)。

連載していた栄光…

小杉の評価は、最悪に下がりました。若い人の方が 扱いやすい──と作家をモノ扱いしている。たんなる言葉のあやで、「接しやすい」という意味かもしれませんが、これが小杉の本性なのだと思いました。

七峰透と協力して作品を盛り上げようとしていた感動的な場面も、これで台なしです。いま思うと、あれも「自分の思い通りに七峰を動かそうとしていた」だけに見える──。

これでは小杉が港浦と同じレベルです。港浦も、「小杉はワシが育てた(どやぁ」と思っているのだろうなぁ……。


作者と読者との年齢層に差があっても関係ない──と服部は言う。自分もそう思います。

マンガは「子どもが読むもの」だと、多くの人から思われている。社会人になってマンガを読んでいると、バカにされたり、査定に ひびいたりします。それこそ、バカらしい話だけれど。

──そのマンガをいつまでも描き続けているのが、プロのマンガ家です。だから、年代のことをあれこれ議論するなんて、いまさら無意味な気がする。そんなことは、班長である吉田が、ちゃんと声に出して言えばいいのに。

ただ、『バクマン。』の世界で天下を獲った新妻エイジは、実際に「高校デビュー」(意味が違う)したマンガ家なんですよね。ほかの登場人物も若者ばかりです。現実世界のマンガ界は さておき、この作品の中では若いほうが有利でしょう。

絶対にいけますから

『ぱんちら』の掲載が決まりました。──ついでに、呼びやすい略称を決めて欲しいなぁ……。『ぱんファイ』というのも、なんだかイヤラシイひびきだし。『らイト』?

半日もあればカラーで描き直せるのは、かなり速いのでは? 線画ができているとは言え、ひとりで仕上げるはずです。東はカラーも得意なのでしょう。ますます、作画担当者が向いている。

「シルエットの人物」との会話からすると、どうも東には『ぱんちらファイト』に対する思い入れが感じられません。「自分の作品ではない」感じがする。2 人で作り上げた作品なのか、それとも──。


さて、この「黒幕」の正体ですが──、普通に考えれば七峰透でしょう。格好も口調も手口も、七峰透を思わせる。ワンアイディアが 秀逸という作風も、彼の持ち味ですよね。

しかし、疑問も残ります。

東と同じく、七峰も絵は描けるが話は書けない。この 2 人が協力したところで、傑作が生まれるはずがない。たとえ読み切りだけなら何とかなっても、連載は狙えません。誰か別の協力者がいるのか?

もっと単純な答えを考えました。

七峰透に協力した「判定人」の 1 人が、黒幕の正体という可能性です。「判定人」は多数いたけれど、本当に優れた原案を出したのは、ごく少数だったと思う。その中の 1 人 が、「ジャンプ」に自分のアイデアが載る楽しさを忘れられなかった──。

これが正解だとすると、「七峰チルドレン」の誕生ですね。同じようなことが「週刊少年ジャンプ」以外でも起こったら、面白いことになる。──第三者から見れば。


やっぱりチョロイな 「少年ジャンプ」! というセリフは、なんだか語呂が良い。公式キャッチフレーズにしてみたら どうでしょうか?(ダメに決まっている)。

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