『バクマン。』 167 ページ 「戯言と一言」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 12 号)

Roar この騒ぎは迫真の演技──なのだろうか

自分とインターネットとの付き合いは長いため、いまさら「取扱説明書」は不要です。ネットという大海の泳ぎ方は「言葉」でなく「心」で理解できている。と思う。

だからネット上で自分が好きな作品──『バクマン。』や『HUNTER×HUNTER』・『SKET DANCE』の悪評を見つけても、「やれやれ」と肩をすくめてページを閉じるだけです。

しかし今回の話のように、作品の中で登場人物を傷つける描写を見ると──なんとも やり切れない気持ちになりました。作画担当の小畑健さんも、描いていて心が痛んだのでは? でも──、

大場つぐみさんはノリノリでネームを描いていそう。

すごい騒ぎに

亜豆美保の写真を破ったり、彼女の出演作品を廃棄する者たちが現れました。現実世界でも目にする機会が増えましたね。気持ちが悪い連中だなー。

匿名のままで安全性を確保しつつ他人を誹謗中傷する人物が、自分は一番嫌いです。この場面からは想像するしかないけれど、どう考えても実名入りで公開するわけがない。コソコソと大ごとにしている。


インターネットのチャットや匿名の掲示板に載った程度では、「一部の熱心な者」と その周辺が騒ぐだけだったらしい。そういう層は、次の「エサ」を見つけたら そちらに食らいつくでしょう。

やはり現代(よりも未来の『バクマン。』世界)でも、新聞や雑誌といった紙のメディアは強い。クモの巣(ウェブ)と紙の力関係が逆転するのは、あと数年──数十年は かかりそうです。その世界を見られるだろうか……。

実際は キスも

汚れた声優」って名称の響きだけは格好いい──と不謹慎ながら思いました。「ダーティ・ボイス・アクトレス」という呼称が似合いそうなアニキやアネゴもいそう。

亜豆にとっては、こんな呼ばれ方は不名誉に違いない。

世間でどう思われようと、亜豆自身は自分の意志を貫くでしょう。しかし──、事務所が彼女の起用をやめる可能性が高い。


シュージンの観察によると、亜城木夢叶に対する誹謗中傷も ひどいけれど、亜豆よりはマシ──といった印象です。この差は支持層の違いでしょうか。

それよりも、亜城木と亜豆──男女の差のほうが大きいかもしれない。亜城木については「うらやましい」という感想も多そうな気がする。

また、真城と高木の素顔が公開されたことで、亜城木ファン(の女性)が増えた可能性もあります。──そんなことでファンが増えても、喜べないよなぁ……。

夢を 叶えるため だろ

シュージンとサイコーは、「仕事上のパートナ」という以上に密接な関係にある。今回の騒動はサイコーと亜豆が中心だけれど、シュージンには自分のことを責められているように感じたはずです。

──いや、他人を思いやる気持ちが強いシュージンには、むしろ自分が責められるよりも つらかったと思う。

こういう時にカヤが居ると、まだすこしは気持ちが なごやかになります。──だから彼女は不在なのでしょう。この前半部分は、絶望の淵を描く必要がある。


粛々と いいマンガを 描いていればいい」と語るサイコーは、まるで修行僧のようなストイックさです。

佐々木編集長や「ジャンプ」編集部を巻き込んだ数々の騒動を引き起こし、初対面の服部を値踏みし、最初のころは思いっきり冷めていた人物とは思えませんね!

スケジュール 詰めてんだろ

『REVERSI』のアニメを制作するスタッフは、「汚れた亜豆騒動」(食べ物の話?)をどう思うか──。これが今回の焦点です。

どんなにサイコーが「弁明なんて したくない」「男らしくない」と強がっていても、『REVERSI』のヒロイン・菜保役を決めるのは彼じゃない。

ただ、サイコーが言うとおり、現時点で亜城木夢叶が できることは何一つありません。一番もどかしい状態です。今までは解決の糸口が見つかれば、たとえ無茶なことでもガムシャラに突っ走れた。それができない。

サイコーやシュージンの心境を自分の中で再生してみると──、たしかに Twitter やブログで大暴れする有名人の気持ちも分かります。256 分の 1 ほどは。自分は徹底的にリスクを排除するヘタレなので、そんな暴挙には出ません。


もしもサイコーと亜豆との立場を、平丸一也と蒼樹紅に置き換えたら──失礼ながら おもしろい!

われらが平丸だったら、「僕のユリタンをいじめるなー!」とすべての掲示板へ全レスするなどして、ネット上で全力疾走するでしょうね。そして失踪する。

アニメスタッフには

「声優の真価は演技力であって 恋人がいるいないじゃない」──これは幼稚園で習うような当然のことです。それを分かろうとしない駄々っ子がいるから、楽しいはずのマンガ・アニメ・声優業界が おかしくなる。

亜豆美保に “菜保”役をやってほしい」とスタッフに主張することは、こんな状況だからこそ必要です。アニメの制作側も、まさか最初から「亜豆さんをぜひ!」とは言ってこないでしょう。

──でも、もしも話題性だけを買って亜豆をプッシュしてくるような「汚れたスタッフ」だったら、それはそれで楽しくなった気がする。それは『裏バクマン。』として、薄い本で まとめるんだッ!→各位


もはやサイコーは意地になっていて、理想論に すがっているだけにも見える。これが ほかの人物だったら、「たんなるヤケだな」という評価で終わったことでしょう。

いつも夢と理想を追い求めて、そして次々に実現してきたからサイコーだからこそ、シュージンも周囲の人間も「絵空事」として切り捨てられない。彼の熱意に賭けてみたくなる。しかし──、

そのせいで取り返しの付かないことになりそうな……。

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