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『のりりん』 4 巻 鬼頭莫宏 – 老いた松が手渡す刃

鬼頭莫宏 『のりりん』

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(その刃は──丸く収まらない)

「『のりりん』って どんなマンガ?」と聞かれれば、「ラーメン屋の おばさまが語る自転車の うんちく話に萌えるマンガ」と答えます。「なんでラーメン屋?」と聞かれたら、「んがぐぐ」ですけれど。

前巻までの感想はこちらです!

『のりりん』 1~3 巻 鬼頭莫宏 – 性格の悪さが実力差を埋める | 亜細亜ノ蛾

4 巻では、とくに「語り」の傾向が強かった。なにしろ自転車に乗っている場面が すくない。

読者が まったく知らなかった・興味がなかった世界のディープな話を延々と語っていて、それでも面白いのは驚異的です。また、650C 規格の話などは、ロードバイクに詳しい人でも楽しめるはず。

自分の得意なジャンルで たとえると 4 巻は、「キーボードは QWERTY 配列が大多数の現在に、Dvorak 配列AZERTY 配列の逸品を探す」みたいな話でした。

──まず、「キー配列に種類がある」ことを知っている・意識している人が少数だろうし、上記のアルファベットを見た瞬間に脳が情報を遮断してしまった人が大半のはず。

キーボードに詳しい人は、逆に「いやいやぁー、ここは日本なんだから、親指シフトのことを語ってもらわないと困りますよぉー」などと「たいへん気持ちが良い」口調で しゃべり出したくなる。

どちらの読者にも楽しめる内容で、しかもマンガにしようとなると、とてつもなく難易度が高い。

「人間、生きていれば小説の一本は書ける」といった言葉があって、誰でも得意分野の話なら本 1 冊分くらいは書けるそうです。しかし、マンガはムリだ。描いてみると分かるけれど、4 コマ・マンガですら形にすることは難しい。

恐ろしいほどの話の構成力に酔える一冊でした。

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『のりりん』 1~3 巻 鬼頭莫宏 – 性格の悪さが実力差を埋める

鬼頭莫宏 『のりりん』

1999 Ford Mustang Cobra rear detail
(出会いは偶然──別れは必然)

なるたる』・『ぼくらの』といった「すこし(どころじゃなく)・ふしぎ」な作品を世に生み出し、メルヘンチックな世界を想像した少年少女の心をへし折った鬼頭莫宏先生が、まさか「自転車乗り」を描くとは思いませんでした。

生まれて初めて幼稚園のころに買ってもらったのは『ウルトラマン』が描かれたイカす自転車で、それ以降はママチャリばかりだった──という自分でも楽しめるマンガです。

新年そうそう・2012 年 1 月 6 日『のりりん (4)』に発売されるこのタイミングで、3 巻までの感想を書きます。

同じ日に発売される『なにかもちがってますか (2)』みたいな世界観になっていないか期待──もとい不安ですけれど。きっと、いままでのような「邪悪な路線」は『なにか』で描ききって、おそらく『のりりん』は平穏無事な展開でしょう。たぶん。

作者である鬼頭莫宏氏のウェブ・サイトを見ると、最近は見事にロードバイクの一色で染まっています。よっぽど好きなんだなー。

パズルピースがこんなとこ
パズルピースがこんなとこ

講談社の作品紹介ページから、『のりりん』の第 1 話が試し読みできます! 自転車の好き嫌いを置いておいて、純粋にマンガ作品の初回として最高レベルの仕上がりをご覧ください。

イブニング|のりりん|作品紹介|講談社コミックプラス

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