小畑健一覧

バクマン。 #78-4 「やめるとやめない」 ボロボロと駄目

『バクマン。』 78 ページ 「やめるとやめない」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 16 号)

Olympic Gate (by cmaccubbin) (by cmaccubbin)

今週号の最後は、サイコーの行動に疑問が残りました。なぜ、あんな態度を取っていたのか……。

でも、急にイミフメイのことを言い出すのは今に始まったことでもないし、そもそもジャンプの主人公キャラは突発的な行動にでるものです(そうか?)。今回のことも、次回には「ああ、そうだったのか」と分かる──かな。

サイコーと比べるとシュージンは、常識的です。ただ、いつも周りに流されてばかりいる。恋愛も結婚も、半分以上は勢いだったもんなぁ……。編集部では「亜城木夢叶はトラブルメーカ」なんて言われていますが、半分以上はサイコーのせいなのに……。

がんばれ、高木秋人!

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バクマン。 #78-3 「やめるとやめない」 ブラックテイストとわがまま

『バクマン。』 78 ページ 「やめるとやめない」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 16 号)

2009-03-19 Kids Comic Book Store (by juverna) (by juverna)

マンガ家が連載をやめたければ、編集部はそれを許可するのか? ──読者も気になるところです。『ドラゴンボール』や『幽☆遊☆白書』など、いろいろな例が知られていますからね……。

早期に終了した連載マンガは、「打切りになった」と読者は認識します。しかし、中には、作者の方から連載の終了を申し出たという場合もあるのでは。このページを読んで、そんな想像もしてみました。でも──なかなか珍しいケースでしょうね。

『タント』は、作者があまり乗り気ではないのに、担当の編集者の強いプッシュでなかば強引に連載までこぎ着けた。かなり極端な例である、という印象を受けます。ところが実際には、こうやって編集者の勧めで始まった連載というのも、けっこう多いのでは。

マンガ家は仕事でマンガを描いているので、すべてが自分の好きな作品を描いているワケでもないのでしょう。新妻エイジ(や岸辺露伴)は、かなり特殊な成功者なのかもしれません。

それに、マンガを描き上げる苦労の割りには、マンガ家の所得はすくないとも聞きます。──好きなことだけを描いて、そして一生暮らしていけるような、そんな理想の世界はあるのでしょうか? その答えは、同人誌やウェブコミックにありそうな気が……(あまり詳しくないので、テキトーに書いてます)。

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バクマン。 #78-2 「やめるとやめない」 無責任と尻すぼみ

『バクマン。』 78 ページ 「やめるとやめない」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 16 号)

Onsen Manju (Hot Spring Bun) Coins Bag - Bronw (by ♥ Rainbowcatz ♥) (by ♥ Rainbowcatz ♥)

昨日、書き忘れました。結婚式までは激やせだったシュージンが、いつものフェイスラインに戻っていますね。百万回ネタにされていそうですが──、シュージンは、温泉地でタップリと「おいしいもの」を食べてきたのでしょう。元気になったようで、何よりです。

シュージンまで倒れて、また「作者入院→連載中止」とならないか心配でしたが、もう大丈夫でしょうね。良かった良かった──。

──あ、それが『タント』を正当な理由でやめられる方法では?

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バクマン。 #78-1 「やめるとやめない」 新婚旅行と温泉卓球

『バクマン。』 78 ページ 「やめるとやめない」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 16 号)

Pong (by notic) (by notic)

心の中にワダカマリがあるまま生きていくのは、ツラい。ましてや、言えないことを腹に隠し持ったまま 2 人で暮らすなんて、ストレスが溜まって仕方ありません。それが理由で別れた、ということも多いでしょうね。

新婚ホヤホヤ(死語?)のシュージンとカヤにも、ワダカマリのモヤモヤが忍び寄る……!

(まったくどうでもいいけれど、「わだかまり」は日本語だと「蟠り」というなんだかカッコイイ漢字が当てられるのに、英語だと bad feeling ですと。そもままヤンけ!)

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バクマン。 #77-4 「大好きと否定」 祝いの席と「面白くない」

『バクマン。』 77 ページ 「大好きと否定」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 15 号)

Frühlingsgefühle (by Sweet-Things) (by Sweet-Things)

この作品には、「天才」と呼ばれるマンガ家が何人か登場します。

まずは、天才といえば新妻エイジでしょう。『バクマン。』の登場人物の中では、一番売れているマンガ家です。

しかし、エイジは子どものころからずっとマンガを描き続けている、「努力の天才」でもあるんですよね。いわゆる「王道バトルマンガ」しか話を思いつけないという、欠点もあります。しかし、優秀な原作者(と編集者)がいれば、いくらでも化ける余地がある。

自分が思うに、『バクマン。』で一番の天才は、平丸一也です。彼こそ本来の意味での「天才」の名にふさわしい。

なにしろ、ろくにマンガを読んだこともない・もちろん描いたこともない、というところから勢いで脱サラして、すぐにジャンプで連載を始め、アニメ化までこぎ着けた、という……。恐ろしいほどの才能を持つ平丸ですが、彼の才能(と扱い方)を見いだした、優秀すぎる編集者である吉田の力が大きいですね。

そうやって見ていくと、亜城木夢叶コンビは、たんなる「努力家」という感じがします。

面白いことに、バトルマンガに似た構造をしている『バクマン。』なのに、主人公は平凡な生まれ育ちなんですよ。──ジャンプに載っているバトルマンガって、どれも「親の七光」ですからねぇ。

さて、我らが静河流はどうか。これがいまだに、彼の才能は「未知数」です。

山久との関係が、静河の今後の大きなカギを握っているのは間違いない。しかし、静河の持ち味は、「超・自己投影」にあるわけです。山久と静河は、まるで友だちのような接し方をしている。これが、悪い方向へ進まなければいいのですが……。

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バクマン。 #77-3 「大好きと否定」 化学反応と「やめちまえ」

『バクマン。』 77 ページ 「大好きと否定」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 15 号)

130/365:"And they called me mad,mad I tell you!!!!" (by practicalowl) (by practicalowl)

今回は、服部の言動が気になりました。彼が話した内容の真意は、いったいどこにあるのか……。

よく考えると、現実の世界では結婚式のスピーチに、そこまで意味を求めませんよね。それなのに、自分は『バクマン。』を読んで考え込んでしまった。それもひとえに、服部哲という、いまだにどこかつかみ所のない男がいった言葉だからでしょうか。

いや──違うかな。どうも、『DEATH NOTE』の作者コンビが描いた作品だから、「すべての発言に意味がある」と思ってしまった、というだけかも。『デスノート』の場合、本当に一字一句、すべて見逃せなかったですよね。

ちょっと思ったけど、あるキャラクタが本当に何気ない発言をして、別のキャラクタが深い意味を含んでいると取って、話がふくらんでいく──。それこそが「キャラが勝手に動き出す」ということなのでしょうね(というか、それが「話作り」の基本中の基本、なのか……?)。

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バクマン。 #77-2 「大好きと否定」 鬼怒川と礼儀

『バクマン。』 77 ページ 「大好きと否定」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 15 号)

鬼怒子 (by Shenghung Lin) (by Shenghung Lin)

身近にいる人が、悪い方向へ変わってしまう。──それが一番の恐怖だと思います。以前にも何度か書いた覚えがありますが、何度も書きたくなるくらいに、こわい。

『バクマン。』という作品は、人物の描写をコロコロと変えてくる。イケスカナイ人間かと思っていたら、面倒見のいいアニキ肌だったり。一見すると女性にモテなさそうなストーカ体質かと思いきや、──いや、なんでもない……。

サイコーやエイジ・福田あたりは、初登場のころはとくに印象が悪かった。ぱっと見は別人のようです。ところが、彼らを長い間見ていると、そんな一面があっても不思議はないな、と思えてくる(人間だもの)。

現実世界の人間も、印象なんてガラッと変わるものです。それでも根っこの部分は「三つ子の魂百まで」なハズ。

それがとつぜん根本から変わってしまったら、周りの人間はとまどうしかありません。──最近のシュージンが、まさにそんな感じに変わってしまったんだよなぁ……。

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バクマン。 #77-1 「大好きと否定」 ギャグ出しと祝福

『バクマン。』 77 ページ 「大好きと否定」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 15 号)

Gimp Suit with Ball Gag (by &gt;&gt;&gt;WonderMike&lt; &lt;&lt;) (by >>>WonderMike< <<)

なんでも相談できる相手がいる、ということは幸せです。相談相手が恋人だったりすると、実際には「何でも」は話せませんが……。

世界で一番ザンコクな遊びである「はないちもんめでさえ、「相談しましょ、そうしましょ」と相談タイムをもうけたところに、人間の良心を感じます。

そう、たいていのことは、話し合えばなんとかなる。そして、相談する前に、だいたいは結論が出ているものです。『走れ! 大発タント』を続けるかどうかも……。

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バクマン。 #76-4 「決めギャグとメッセージ」 ライバルとまた来週

『バクマン。』 76 ページ 「決めギャグとメッセージ」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 14 号)

Apologies from a Dream (by Pensiero) (by Pensiero)

いつものようにこの場所は、感想の内容とはあまり関係のないことを書きます。

そういえば、「亜城木夢叶」という名前には、「真・高豆、3 人のえる」という意味あいが込められていたのでした(『バクマン。 2』 p.169)。

「亜城木夢叶」には、言い出しっぺの名付け親である、見吉の名前が入っていない。なんという控えめな性格! とそのころから思っていました。

それが──なるほど。いつの間にか、亜城木の中に「カヤの名前」も組み込まれていることに気がつく。「15 ページ」の時点で、作者は今の展開を考えていたのかもしれませんね。──もしかして、物語の終わりまで……?

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バクマン。 #76-3 「決めギャグとメッセージ」 声優といいかも

『バクマン。』 76 ページ 「決めギャグとメッセージ」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 14 号)

Zenith Television Set, 1977 (by Roadsidepictures) (by Roadsidepictures)

趣味と仕事は違う──とよく聞きます。自分もそう思う。趣味として楽しんでいるときは良いけれど、それを仕事にすると、心と体に負担がかかる……。

マンガは、多くの人にとっては楽しい娯楽です。しかし、マンガ家の中でそう言える人は、いったい何人いることやら……。

亜城木夢叶と新妻エイジとの一番の差は、そこにありそうです。

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