小畑健一覧

バクマン。 #52-1 「感想と疾走」 作家のプライドと意識のズレ

『バクマン。』 52 ページ 「感想と疾走」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 41 号)

Cat on fax machine (by Secret Pilgrim) (by Secret Pilgrim)

今週号は「亜城木夢叶の迷走編」です。

冒頭でサイコーとシュージンが行なっていることは、作品をより良くするための努力──なのですが、逆に作品を悪くしている。それが、素人の目にも、すぐに伝わってくるのです。

おそらく、マンガ界の傾向に対する作者からの批判、でもあるのでしょうね。

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バクマン。 #51-4 「再開と下位」 キャラへの愛着とファンの要望

『バクマン。』 51 ページ 「再開と下位」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 40 号)

にゃ・手紙 (by popkiss) (by popkiss)

次の会話は、少年マンガの全読者と、すべての編集者に読んで欲しいです。

高木:
「バトルやって このマンガ 人気出ると 思う?」
真城:
「逆に下がりそうな 気もするけど」

ここでは「バトル」となっていますが、「安直な人気取り」と読み替えるのが正しい。

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バクマン。 #51-3 「再開と下位」 次の会議と不自然なバトル

『バクマン。』 51 ページ 「再開と下位」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 40 号)

TWO AWARD-WINNING FLICKr PHOTOGRAPHERS DUKE IT OUT (by Okinawa Soba) (by Okinawa Soba)

テコ入れと打切りは、悩ましい関係です。

良いテコ入れは あり得るけど、打切りに善し悪しはあるのか──。いまのジャンプは、「円満な連載終了」ができるのでしょうかね?

どちらかというと、「もっと続きが読みたかった」よりも「あそこで終わっておけば良かったのに」というジャンプマンガばかりを思い出します。ムリに人気を取りに行って、自滅するのがほとんど。

『バクマン。』で、テコ入れの良い方向性が描かれるのか、期待しています。

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バクマン。 #51-2 「再開と下位」 アンケート順と単行本の売り上げ

『バクマン。』 51 ページ 「再開と下位」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 40 号)

«A photographer for dinner would be a good idea!» (by Tambako the Jaguar) (by Tambako the Jaguar)

福田がイチオシしてサイコーもエイジも大納得だった、『To Love る』は──ビックリする展開になりました。ネタバレなので、詳しくは書きませんが……(ほとんどバレバレ)。

ただ、最終ページを見る限りでは、しばらく面白い展開が続きそうですね。コミックスが楽しみです。お得意のなんとか券が発行されるのでしょう。

そこで思ったのが、「続きはウェブで」ならぬ、「続きはコミックスで」というマンガです。今後は増えるのでは。実際に、週間連載と単行本では内容の違うマンガがありますよね。

「雑誌での連載とコミックスとの違い」について、今回の『バクマン。』で出てきました。

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バクマン。 #51-1 「再開と下位」 高浜の師匠と『BB ケンイチ』

『バクマン。』 51 ページ 「再開と下位」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 40 号)

at Shibuya, Tokyo (by no_typographic_man) (by no_typographic_man)

今週号から新展開です。「サイコーがマンガを描き続ける」という部分は変わらないですけど。

サイコーといいエイジといい、マンガ家は常にペンを走らせているのだろうか。本当に「呼吸をするように絵を描く」感じです。

ということは、絶賛休載中のマンガ家も、じっくりとツメを研いでいるのでしょうね。──きっと、そうだろう……。

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バクマン。 #50-4 「無茶と根性」 スポ根マンガと自己管理

『バクマン。』 50 ページ 「無茶と根性」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 39 号)

15.大仏様 / May.'09 (by takuchucamerabu) (by takuchucamerabu)

サイコーと川口たろう先生が言う「根性」とは、「歯を食いしばって がんばること」──ではありません。よく勘違いをしている人が多いのですが、がんばることが大事なのではなく、

根性で結果を出すこと

こそが重要なのです。何かに一所懸命になることは素晴らしいが、結果がともなえば より良い。

スポ根の 読み過ぎ

上で書いた根性の話ですが──。

自分自身がアマノジャクなので「じゃぁ、がんばらなくても結果が出ればいいのか」という意見もすぐに思い浮かびます。それは、その通り。──しかし、努力や根性なしに達成できることで、結果を出せるようなものは、それほど価値が ないのでは?

まぁ、自分はアマn(省略)なので、さらには「価値があることしか やってはいけないのか」という考えも思いつく。「ご自身でお考えください」としか言いようがありません。

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バクマン。 #50-3 「無茶と根性」 元気な姿と 12 話分の重み

『バクマン。』 50 ページ 「無茶と根性」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 39 号)

ラーメン (by gullevek) (by gullevek)

けいおん!』の同人誌が話題になっています。この作品には詳しくないのですが、同人誌のほうはセンスがあるセリフですね。

けいおん! のとある同人誌が2ちゃんのあちこちで話題に:【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)

これを見て、クラブ活動を描いた(おもに少年)マンガについて思ったことがあります。

「部活動で選んだスポーツや趣味を、一生やり続ける人は少ない」

──現実世界では当然の事実ですよね。自分も短距離走の選手だったのですが、いま 100m ダッシュなんて、ムリ。

ところが、なぜかマンガでは、バスケならバスケ・囲碁なら囲碁で、「一生、食っていく」主人公が望まれます。ただ楽しいだけの学生生活──を終えたあとは、マンガの世界では存在しない。

たとえば、桜木花道がトラックの運転手になっても、別にいいじゃん。部活だけが人生やないでェ。

そうして見ると、浦飯幽助がラーメン屋のオヤジになったのは面白い。まぁ、雪村家の定食屋を継ぐことになるんだろうなぁ(一生、ヨメの尻にしかれる)。

『バクマン。』は、初めからプロになること・一生マンガ家を続ける事を想定した話になっています。少年マンガでは、珍しいでしょうね。

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バクマン。 #50-2 「無茶と根性」 取り引きと元気ハツラツ

『バクマン。』 50 ページ 「無茶と根性」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 39 号)

Druckhaus Spandau (by Gertrud K.) (by Gertrud K.)

長期の連載が確実となったマンガには、おなじみの「人気投票」があります。そこで、当然のように『バクマン。』も投票が開催されたのですが──。

なんと、キャラクタではなく、作中の“マンガ”人気投票なのです。コレは斬新! というか、キャラクタが少ないからかも……。

自分が投票するとしたら、『自信過剰ヒーロー ジシンマンマン !!』ですね。もしも投票が集まって掲載されるようになったら、ガモu ──もとい、大場つぐみさんが絵を描くのでは、と期待しているからです。

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バクマン。 #50-1 「無茶と根性」 港浦の説得と吉田の不満

『バクマン。』 50 ページ 「無茶と根性」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 39 号)

sign in restrooms #1497 (by Nemo's great uncle) (by Nemo’s great uncle)

今週号で『バクマン。』は連載 1 周年を迎えました! おめでたい!!

──という巻頭カラーの扉絵で、誤植しています……。今回は「50 ページ」なのに、なぜか「34 ページ」になっている──どんだけ間違えてるんだよ! なんか、以前のジャンプにも、合併号の前後で誤植があったような……(どの作品かは忘れた)。

扉絵は、作中の各マンガが描かれているので、「もしかして、『疑探偵 TRAP』の話数が書いてあるのか?」と一瞬思いました。──が、誤植でしょう。

このカラーには、ほかにも見どころが多いです。

「まるで、蒼樹紅がヒロインみたい(その通りだ!)」「中井さんの位置が──ヤバい!」「『CROW』の『生ゴミ』って何だよ!」「『TRAP』は『あなたを、犯人です』ネタかー(違う違う)」など──。なにより、パステルカラーのドットで色づけしてあるのが、目に鮮やかです。オシャレ!

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バクマン。 #49-4 「リコールとコール」 鳴り続ける電話と急病

『バクマン。』 49 ページ 「リコールとコール」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 37・38 合併号)

City Light customer account operators, 1945 (by Seattle Municipal Archives) (by Seattle Municipal Archives)

読者というものは身勝手な生きものです。たった 1 週でも連載が休みだと、次回に掲載されるまで、そのマンガの存在が頭から消えたりする。

ましてや、何か月も休載されれば、熱心な読者以外は「連載が終わった」と思うことでしょう。『HUNTER×HUNTER』やコミック版の『新世紀エヴァンゲリオン』・『BASTARD!!』など……(萩原先生、新作を描いてくださいよぅ)。

週間連載は休んじゃ駄目なんだ!! ──マンガ家のサイコーが語った言葉であり、読者のワガママな気持ちでもあります。

ただし、そのためにマンガ家の健康を無視してもいいのか、マンガ家と編集長との主張はどちらを優先すべきか、究極的にはマンガ家と読者と どちらを優先するのか──。難しいテーマを『バクマン。』では描こうとしています。

はたして、「少年マンガ的に安定した着地点」を描ききれるのでしょうか……?

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