『鈴木先生』
スンマセン(いきなり謝る)。いままで「マンガ」カテゴリィを設けて、のうのうとブログ更新してきましたが──
──『鈴木先生』を読んでいなかったのは、マンガ読みとして失格でした。
と言いたいくらい、このマンガはスゴい!
これまた百万回も言われていることかと思いますが、この作品の主人公である鈴木先生が、じつに「人間らしい」のが最大の見どころ ですね。
教師が主人公で、教育現場が舞台の作品となると、「聖人君子」みたいなウソくさい先生が出てくるか、「先生自身がオチコボレだから、同じ立場の生徒も気持ちも分かる」みたいな路線ばかりでした。
または、「日本の教育、イコール、受験戦争に勝つ」という、ある意味ではリアルな描写が話題の『ドラゴン桜』とか。
本作は、悩める教師・鈴木先生の視点で、今の中学教育、そして中学生たちを描きます。──と書くと、アリガチなマンガに思えますが……。
生徒への性教育や、教師の性生活など、本当に描きにくいテーマも積極的に取り上げ、多感な時期の少年少女たちを繊細に描く。その一方で、すべてを ぶち壊しにしてしまいそうな、鈴木先生の「危うさ」が たまらない魅力の作品です。
文芸漫画家武富健治公式ホームページ胡蝶社OXNA.NET (作者のサイト)