『バクマン。』 151 ページ 「ゾンビと悪魔」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 45 号)
「オレたちの戦いは これからだ!」みたいな終わり方をしていて、ちょっと不安でした。も、もしかして……。
──いやいや、ちゃんと最後まで描いてくれますよね? →大場・小畑 両先生
亜豆美保が自分の孫に向かって、「そのマンガ おじいちゃんが 描いたのよ(遠い目)」と昔を懐かしむ場面まで──(次回がコレだったりして)。
サイコーが電話してきて
サラッとアイデアを出すサイコーが良いですね。お互いを補い合う、本当に良いコンビです!
シュージンは、いつも設定に凝りすぎてしまう。そこでサイコーやカヤの助けを借りると、さらに話の広がりが出る。1 人で思い悩んでいるよりも、協力し合ったほうが、絶対に良い結果が出るはずです。
『バクマン。』自体が「邪道であり王道」だと、このあたりからも よく分かりますね。
たとえば、『ドラゴンボール』も、孫悟空の強さは「ナンバーワン」で間違いない。しかし、悟空が 1 人で敵のボスを倒した──という展開は、後半には ほとんど出てきません。
「暴力による解決」をしている点では、悟空たちも敵も同じです。それでも、最後にはスッキリと「少年マンガ」を味わえる。
亜城木の次回作も、さわやかな読み口なのでしょうね。
その考えは 正義だ!
悪魔物の新作は、とても面白くなりそう!
大ざっぱに言うと「悪魔たちによる人間の洗脳合戦」という──とてつもなく「ジャンプ」らしからぬ内容なのに、ちゃんと少年マンガになっている。
最後に 勝つのは 真の正義
だからですね。
シュージンのセリフは、まるで正義は必ず 勝つ
と断言していた「世界一の名探偵」みたいに聞こえる(『DEATH NOTE (2)』)。
他人から見れば疑問を感じる思想でも、正しいことだと言い切ることこそ、「正義」なのかもしれない──。
正義の反対は悪なんかじゃないんだ。正義の反対は「また別の正義」なんだよ。
正義を 出すことで でかくなった
主人公の悪魔 2 人と、サイコーとシュージンの髪型が似ています! これに気がついた時には、ちょっと うれしかった。構図的な視点から見ても、原画と本人が並んでいて面白い。
べつに「サイコーは悪・シュージンは正義」というわけではなく、サイコーが無意識に描いた──という設定なのでしょう。主人公と作家はイコールでは つなげないけれど、どこかは必ず似てきますよね。
行き着くところはここ
「金持ちになりたい」・「好きな子と結婚したい」という不純──いや、限りなく純粋な理由から 2 人は出発しました。ようやく今、「ジャンプ」作家らしい・自分らしい作品が見えてきている。
ただ──、やはり不安は残ります。『PCP』の連載を続けたままで、本当に新連載を立ち上げられるのか?
佐々木編集長は、亜城木夢叶の 2 人が新妻エイジを超えることを期待していました。しかし、エイジのように「2 本同時の連載」を始めることは、期待していなかったと思います。
福田真太も、「『PCP』を おろそかにしてるじゃ ねーのか!?」と怒りの電話をかけてきそう。
──サイコー大先生は、そんな他人の意見に左右されないと思いますケド。