『バクマン。』 38 ページ 「窓と雪」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 26 号)
今週号の見どころは、やはり、ラストシーンである。
ハッキリ言って、ベッタベタだ。「ご都合主義」とか「お約束」「お涙ちょうだい」といった言葉が頭に浮かぶ。
──でも、オレはそんな話が大好きだ!!!!
作中の季節は寒いのに、温かい気持ちになれて良かった。
ひととおり感動させたあと、最後の最後で笑いも取っている。カンペキだ。
それより何より、ものすごく珍しい表情の蒼樹紅が見られた。それだけで、幸せである。
男見せてんだ……
大雪の中で執筆する中井を「死んでも本望
」と福田は思っている。「言葉のアヤ」とばかり思っていたのだが、どうやら本気のようだ。
福田自身は、中井のようなムチャなマネはしないだろう。しかし、同じ男として気持ちは理解ができる。自分が男を見せている時にジャマをされたら、中井は許さないはずだ。
──男とは、バカな生き物なのである。
自分の命と、男の意地とでは、どちらが大事なのだろう。そんなことは、生まれてから一度も考えたことがなかった。
血も涙もない女
4 人で公園へ向かう途中、サイコーと福田は中井の気持ちを悟る。
- 福田:
「蒼樹に惚れてる 以上に 蒼樹の作品に 惚れてんだ」
「そして 中井さんを 1 番動かして いるのは マンガへの情熱」
そこまで──そんなところまで、ひとつの物事に打ち込めるものなのか……。
情熱だとか熱血・努力・根性・勝利──そんなモノとは遠く離れた場所でヌクヌクと生きている自分には、まぶしすぎる男たちだ。
ごめんなさい
ラストの中井と蒼樹の会話には、お互いにお互いを思いやる心がある。
いや、それ以上に、相手よりも自分のほうが努力を重ねる、という決意を込めているのだ。プロのマンガ家らしい言葉である。
いいフンイキになってきたところで、中井の余計なひと言から「! は 反応が 異常です 撤回します
」と言う。こんなに目を開ききった蒼樹は、二度と見られない。
以前に中井が妄想した蒼樹のように、この表情は幼く見える。
バクマン。 #31-3 「火曜と金曜」 『hide out door』と中井の妄想 : 亜細亜ノ蛾
中井と蒼樹との間が、すこしずつ近づいてきたようだ。蒼樹の かたくなな部分が、すこし柔らかくなるかもしれない。それが作品にも生かされるだろう。
けっきょくのところ、間界野昂次は一人でマンガを描くことになった。初めから自分ひとりで世界を創っていくつもりだった彼からすると、ちょうど良かったのだろう。──もう、彼は出てこないのでは……。
後味の悪い新年会から、中井・蒼樹コンビの復活まで、一気に描ききった。たった 1 話で、こんなに内容の濃いマンガはない。普通だったら、2-3 話くらいを使って描くはずだ。
そして、1 ページ ごとの感想を、こんなに じっくりと書くブログもない(自画自賛)。
