『バクマン。』 49 ページ 「リコールとコール」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 37・38 合併号)
今週号の『バクマン。』は、マンガ家たちと編集者たちの話し合いから始まりました。交渉といえば、いつも思い出す名ゼリフがあります。
- ゲンスルー:
- 「本当の 駆け引きって やつを見せてやろうか? いかに冷静で イカレてるか 相手に理解させる のがコツだ」
『ハンター×ハンター (No.15)』 p.69
「イカレてる」を「真剣である」と読み替えると、福田やエイジの発言に通じるモノがありますね。マネしてみたい──けど、中途半端なテクニックはヤケドの元です。
これは 決まりだ
さて、ついに始まった「マンガ家・対・編集者の対決・イン・ファミレス(なんでやねん)」は、福田の切り返しがウマいですね。相田の脅しを封じ込めました。
よく見ると、話し合いと説得が上手な人は、マンガ家側には福田しかいません。それに対して、編集者たちはネゴシエーションのプロばかりです。彼らと互角に戦えるなんて、本当に福田はスゴい。
役に立てて 嬉しいです
相田の「くすぐり」も慣れた感じです。完全に中井へ焦点を絞って、「編集部側」へ引き込む作戦と見ました。今回のような極端な事例はないと思いますが、過去に何度もマンガ家を説得する機会があったのでしょう。
しかし、エイジには敵わなかった……。
前回も皆の分も ボクが出します
といった意味あいのことは言っていましたが、具体的な金額が出てくると説得力が増しますね。
ちなみに、コミックス 1 冊が 390 円・850 万部を印刷した場合の印税を一割だとすると、
390 * 8,500,000 * 0.1 = 331,500,000
──ということで、3 億円強です(!)。
おそらく「850 万部」は売り上げであり、印刷はもっと刷っていると思うし、原稿料と契約金は別でしょうが──そんな「誤差」は どうでもいいですね(よくないよくない)。
ちなみに、基本的に印税は発行時に著者へ支払われる──と聞いていたのですが、最近では、著者に有利とされる発行印税から、版元に有利とされる売上印税に移行しつつある
そうです。
となると、2 億円以上も、エイジは何に使ったんでしょうか? 『H×H』のキルアみたいに、お菓子代に消えた、だったりして。毎日、エルメスのジャージを使い捨てている、とか。
じゃあ 聞くが
相田・吉田という班長組の交渉には応じなかった福田が、服部の問いかけには初めて ゆらぎました。
さすが服部! 目の付いているところが人よりも中央に寄っています──じゃなくて、目の付け所が違いますね。
明らかに休みたい一心からとはいえ、平丸は核心を突いています。たしかに、休みの時期をいくら短くされようが、『TRAP』と同じ分だけ休載にしないとボイコットの意味がない。休むことに関しては天才的だ……!
それ ここで 言うか?
お互いに一歩も引かずに話し合いを続ける中──
──もっとも衝撃的なことを、エイジはアッサリと言う。
思えば、高校生の新妻エイジをスカウトに来た編集長に対して、あの有名な「嫌いなマンガをひとつ終わらせる権限」をサクッと要求していました。いまだに、この時の真意は分からないですね。
これは、エイジ特有の、人を試す話術なのかも。上記の冷静で イカレてる
を効果的に実践しているわけですね。
かまいません
中井と蒼樹は、本当に何もかもが違う 2 人です。どこも似ていない。最終的には「良いコンビ」になるのでしょうが、かなり先は長そう……。
とはいえ、「かたくなな蒼樹」は久しぶりに見ました。それだけ最近は、中井の言うことを素直に聞く蒼樹を見慣れていたのですね。
こういう場では頼りにならない中井ですが、絵を描くときは別です。男は、何かひとつ秀でている部分があれば良い。
