『バクマン。』 155 ページ 「仕事場とノート」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 49 号)
個人的には、残念な思いが残る展開です。雑誌を替えて成功した作品は、あまり聞いたことがありません。亜城木夢叶が成功例になると良いけれど……。
たとえば、大好きな『銃夢』も、『銃夢 Last Order』で再起動し、いろいろあって『銃夢 Last Order NEW EDITION』を出版する事態になった。純粋な気持ちで作品を楽しみたいのに、周辺の事情が気になってしまいます。
セリフの表現規制が原因で「銃夢 LastOrder」、集英社ウルトラジャンプから講談社イブニングへ移籍か – GIGAZINE
亜城木夢叶の場合は どうか。
『この世は金と知恵』・『疑探偵 TRAP』と意欲的で(編集部にも読者にも)挑発的な作品を発表したと思ったら、『走れ! 大発タント』というコミカルな作品も描く。そしてまた、『PCP』・『REVERSI』と挑戦しながらも雑誌を移籍する──。
この亜城木の作家スタイルは、『銃夢』の作者である木城ゆきと氏にソックリです!
両者のペンネームが似ていることは、「15 ページ」の時点で指摘しました。やべー、まーた予想が的中したわー、まじつれーわー(ミサワッ)
バクマン。 #15-3 「送信と返信」 見吉の命名と服部の自信 | 亜細亜ノ蛾
できれば 小学校卒業まで
急に決まった展開でも、事前に用意しておいた伏線で切り抜けるあたりは、さすがシュージンですね!
上で挙げた例とは反対に、亜城木夢叶は「円満移籍」なのですが、読者には伝わりません。もしも経緯をくわしく説明したところで、「やっぱり 模倣犯のせいで……」とか「人気が落ちて……」と思われるはず。
考えてみれば、サイコーが倒れたあとで「福田組」の集団ボイコット事件が起こり、それからずっと亜城木の休載が続きました。読者の大半が忘れていても、「匿名掲示板」で定期的にウワサが流れていると思う。
──「亜城木が『何か』で大勢を巻き込んで、それで責任を取らされて しばらく休んでいたのだ」などと……。
随分 遅くなって しまったな
亜城木コンビに向かって、声を張り上げて服部が気合いを入れるのは、これで何度目だろう──。
サイコーとシュージンは、いつも服部の期待に応えてきました。今回も、期待を上回る結果を出してくれると良いですね。
ここで 3 人が「たまには どこかで何か食べて帰りますか」──とならないのは、いかにも『バクマン。』らしい。引いた目で見ると、ちょっと冷たい関係に見えてしまう。
日本人は、何かと「おいしい ご飯」と「うまい酒」で ごまかしがちです。会社の経費で落とせる場合は、「高い料理と酒」が正確でしょうか。
それから比べると、服部たちはビジネスライクで良いかもしれませんね。「仲が良い」とは言えないけれど、信頼と信用で結ばれている。
勝手を 言って すみません
雄二郎が言い出したとはいえ、会社からすれば「瓶子編集長が決めた」として扱われます。ある意味では、編集長とは責任を取るための立場だったりする。
しかし、終わってみれば「週刊少年ジャンプ」にも「必勝ジャンプ」にも、大いに実りのある結果になりました。
佐々木に認められて機嫌良く帰っていった瓶子は、奥さまと過ごすラブラブな時間が、待ち遠しくて仕方がないのでしょうね。これが酒の席にでも誘われたりしたら、ムスッとした態度へ戻ったに違いない!
──いま思ったけれど、こうやって編集者やマンガ家たちが別れて帰る姿を わざわざ描くのは、
「『ジャンプ』の編集者・イコール・キャバクラ」 という いまわしき等式
を隠す目的だったりして。
その次の号から 亜城木くんの
このエイジの驚き方からして、「週刊少年ジャンプ」で『REVERSI』を連載することは、完全に想定外だったようです。
これは、エイジの予想を、初めて雄二郎が超えた瞬間かもしれません。何気ない場面のようで、歴史的な大事件なのでは? うんうん、アフロも成長したなぁ──とか思っていると、
- エイジ:
- 「(計算通り)」
エイジが言う謎めいたいよいよ です
という言葉は、ただたんに「いよいよ全力でライバルと戦える」という意味だけでしょうね。
雄二郎が不思議そうな表情をしているから、無意味に深く考えてしまいました。こんな風に──。
──「いよいよ」は数字に直すと「1818」、1818 年と言えば、メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』が出版された記念すべき年である。
科学者・フランケンシュタインが作りだした怪物は、多くの悲劇を生んだ。これは、『ZOMBIE☆GUN』のテーマと見事に一致する! ということは、つまり──、
何が まずいん ですか?
中井巧朗の肉体改造計画は、順調に続いていたようです。そう言えば、吉田がエサを まいていたのでしたね。
バクマン。 #142-2 「新人とベテラン」 同い年と泣き黒子 | 亜細亜ノ蛾
蒼樹紅に「恵梨子」という姉がいるかどうかは、いまだに不明です。普通なら蒼樹紅に聞けば一発で分かるはずですが、平丸も中井も普通ではなかった。
なんの確証が持てないまま突っ走ることができる──という 2 人の性格を見抜いた、吉田の作戦勝ちですね。
目の前にぶら下げられたニンジンを食べられなかったら、馬だって怒るはず。しかし、平丸と中井は、調教師・吉田が用意した別のニンジンを追いかけるでしょう。
いまでも十分に福田組の時代
は来ています。アンケートの正確な順位は分かりませんが、「福田組」メンバで上位を占めているのでは?
平丸と中井が肩を並べて執筆しているのも、(ほんのすこしは)福田真太の おかげです。亜城木コンビが元気に仕事をしているのも、福田がいるから──と言えなくもない──かもしれない。
そろそろ福田も、美味しいニンジンを手に入れて良い時期だと思います。ニンジンと言うよりは「じゃじゃ馬」な、岩瀬愛子が釣り合いそう。彼女は元気だろうか──。