バクマン。 #155-3 「仕事場とノート」 3 人目と権利書

シェアする

『バクマン。』 155 ページ 「仕事場とノート」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 49 号)

baby amigurumi ^__^
(何人目でも──世界一かわいい!)

亜城木夢叶のアシスタントで、マンガ家にまで成長したのは、高浜昇陽・白鳥シュンだけです。折原や森屋は、よっぽど仕事場の空気が心地好いのか、落ち着いてしまっている。

ただ、2 人も作家を育てたのは、多いほうなのかも。

スポーツ好きの人なら分かるように、選手としての才能に恵まれた人でも、監督として人を指導する立場には向いていない人もいます。

マンガ家の世界でも、「あの先生のマンガは おもしろいけれど、あの仕事場からデビューした人は──」という例は多いでしょう。

また、亜城木はコンビなのに、高浜と白鳥は一人きりで描いているところも、なかなか興味深い。とくに白鳥は、原作者がいる良さを十二分に体験した上で、原作も自分で書いている。かなり珍しいケースなのでは?

「TRAP」の時 アシスタントしてくれた

いろいろと(家庭面で)パワーアップした小河が再登場します! いや、むしろ家庭でパワーを使いすぎて、ゲッソリした姿で やって来たりして。

まさか亜城木がずっと第一線で「ジャンプ」に いるなんて、小河も想像できなかったでしょう。長くアシスタントをしていると言うことは、マンガ業界を去った作家も多く知っているはず。亜城木は、「去る側」と思ったのでは?

小河に対するサイコーの評価が高い! アシスタント 3 人分という言い方からは、折原・森屋・加藤の働きは、小河ひとりに値する──と聞こえました。実際、そうなのかも。

最初からアシスタントで仕事をすることが好きな加藤はともかく、(表面上の)やる気だけはありそうな折原や、作家志望の森屋には、早く巣立って欲しい。

芸術的なマンガを愛する森屋と、アシスタント業を職人的に専念する小河は、いかにも意見が合わなさそう。また言い争いの日々が始まるのか──。

でも逆に、この 2 人がコンビを組んで作家デビューも面白い!

おじいちゃんから 買うことに

サイコーは、この仕事場で ずっと作家として生きていく決意を固めました。それは良いことなのか、そうでもないのか──。

もう いなくなった人の思い出を大事にすることと、その人に縛られることとは、紙一重の違いです。いや、同じと言ってもいい。

これまでのサイコーは、まるで「おじさんに取りつかれている」ような行動が目立ちました。もうすこし楽な生き方ができたのでは──と思う。

亜豆美保も、サイコーの意思を尊重してガマンしている部分があるはずです。本当は、「普通の恋愛」も したかったのでは……。

おじいちゃんが 用あるみたい

「サイコーは親孝行」と以前に書きましたが、祖父とは あまり会話をしていなかったようです。食事と寝るためだけに帰ってくる──という感じなのでしょうね。

バクマン。 #152-4 「相乗効果と新記録」 可哀想とビリ | 亜細亜ノ蛾

シュージンは、自分の親兄弟の話を まったくしません。たまには家に帰っているのかな……。

中学校のころからシュージンは普通に家族の話をしていたから、それほど恨んでいるわけでも避けているわけでもないはずです。ただ、いまはマンガ家として・夫としての生活で手一杯なのでしょう。

親に顔を見せている主要人物は、サイコー・亜豆・カヤ・中井くらいです。ほかの人物は、まるで天涯孤独のようにも見える。それは社会人なら──というかマンガの登場人物なら、普通のことなのかも。

加代子さんに 聞いたんだが

サイコーの母親は「真城加代子」(ましろ かよこ)という名前なのですね。──ん? 作中に出てきたっけ……?

インフルエンザが流行中の病院で風邪の患者を診る医師のように、ものすごく ざっくり調べてみると、アニメ版の『バクマン。で初めて公開された──のかな。

おじいちゃんの名前も、Wikipedia に「真城二三男」(ましろ ふみお)と書いてあるけれど、これもアニメ化で決定されたと思う。

バクマン。の登場人物 – Wikipedia

個人的には、原作で決まっていない設定は、決まっていないままにして欲しいですけどね。「サイコーの髪の毛が跳ねているのは、○○というメーカの□□で毎朝 固めているため」などと設定されたりして。


お付き合い させて もらってるとかお嬢さんとは 将来一緒に なりたい──という言葉が良いですね。「何人 落としたか」などと競い合う下品さとは、まったく反対の すがすがしさを感じました。

ただ、若いころは、ある程度の無茶をやったり、友だちや世間に流されたりしても良い──と思います。もちろん、将来になって後悔しない程度に、自分の頭で考えて調整する必要があるけれど。

サイコーや亜豆──というか、「少年マンガに登場する人物」のように、「普通の青春時代」を体験しないまま大人になると、けっこう──苦労しますよ。

経験者は(聞かれなくても勝手に)語る、でした。

僕は 真剣に

おじいちゃん、良いキャラしてるなー! 仕事場のカギを渡す時も格好良かったですね。着ているシャツも、そう言えば「ハイカラ」な感じがする。

二三男の若いころは、かなりモテたんじゃないかな。ちょっとシュージンに似ているし(髪型とメガネだけやん)。

この場面からすると、サイコーは川口たろうとは似ていても、父親には似ていないらしい。

もしかして──、いや、なんでもありません……。