『バクマン。』 168 ページ 「訂正と宣言」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 13 号)
『さよなら絶望先生』と『よつばと!』・『日常』をほぼ毎日読んでいます。寝る前や歯磨き中にパラパラとめくる。『バクマン。』と『HUNTER×HUNTER』は、感想のために深く読み込むから、さすがに週の半分くらいです。
『絶望先生』には、「台風は騒がしいけれど中心は静か」という話がありました(これだけで 1 話を作るのは すごい)。まさに今回のサイコーが、「動かざること台風の目のごとし」です!
シュージンのほうも、冷静なネットの解説者になっている。お前は「兄者」か。
曲げられねー
普段は「虚構の世界」を描いている福田が、嘘つきな人間を批判する。──これこそ本当に「現実と虚構の違いが分かる男」ですね!(コーヒーの宣伝?)
「大人の事情
」に文句を言う人間の多くは、自分もオトナであることを平気で棚に上げる。ところが福田は違った。同じ社会人として「腐った大人
」たちの意識を問い、自分の意見を曲げないようにしている。これは素晴らしい!
雄二郎も、絶対に福田なら「無理だ!
」と言うだろうな──と思いながら仕事場へ来ました。それでも電話で済ませずに、ちゃんと足を運んでいます。こういうところは偉いと思う。
同じく班長の相田だったら、絶ッッッ対に電話で伝えたはずです。そう言えば、相田が編集部の外へ出た場面って、1-2 回くらいしかなかったような気がする。本当にデブ症──もとい出不精な人です。
上には何とか
福田は、あくまでも自分の意志は変えないけれど、それ以外の余計なことを言った点については反省している。彼の素直さは大いに見習いたい。
──いま問題になっているのは、福田が本当の事
を言ったからなんですけどね。「大人の事情」のせいで事実を曲げるなんて、福田が納得するはずはない。
雄二郎も長年の付き合いで十分に理解しているから、強くは言いません。むしろ福田が断わってくれたおかげで、ちょっとスッキリした感じです。
でも、帰って行く雄二郎の表情は、妙に寂しそうだったなぁ……。母親に言われて子犬を元の場所へ戻しに行く子どもみたい。
サイコーが うれしがっていたことは、福田には意外だった 魂の交流というか
ただ──、本当に喜んでいるのなら、サイコーのほうから電話をかけるべきでしょう。いつものクールさです。彼の電話には、亜豆とシュージン以外には発信する機能が付いていないのかも。
ここまで徹底して動かないサイコーは すごい。自分が以前に お付き合いさせていただいた女性みたいです(遠くを見る)。向こうから電話をかけてきたのは、5 年間のうちに 10 回も あったかなぁ……。
でも彼女は
こんなことがあっても、サイコーは亜豆に連絡していなかった。これまた福田の想定外だったでしょうね。純真な福田先輩には、ますます「異性と付き合うこと」の奥深さが分からなくなったと思う。
福田が「土下座でも 切腹でも 何でもしに行く
」と(冗談交じりで)言っているのに、サイコーは「はい
」の ひと言で済ませる。彼の鉄仮面ぶりもブレませんね!
どちらも男らしい態度を取っているはずなのに、なんだかサイコーは「ツンツンした女の子」みたいに見えました。昔の蒼樹紅みたいです。福田に優しく接してくれる人物は、アシスタントと雄二郎くらいだ。
そんな時くらい
サイコーは女心を分かっていない。──これが第 1 話から ずっと続いている『バクマン。』の裏テーマだと思います。
「察しと思いやりをあなたの心に届ける」がキャッチ・コピーの(?)シュージンも、いかんせん女性の気持ちを見る時だけはメガネが曇っている。だから 2 人ともトンチンカンに見えてしまう。
こんな時だからこそ亜豆は、電話して欲しいに決まっているだろうが! たとえば会いに行ったとしても、「夢が叶うまでは(以下略)」と言いながら、満面の笑みになるはずです。
このあたりは「ラブコメの皮をかぶった男くさい劇画」である本作品らしい表現でした。ラブコメの主人公って、「頭わいとんのんちゃうんかッ!(日本語訳: おかしな方ですね)」というくらいニブい。
『To LOVEる』のファンでも本名を漢字で書けないことで有名(?)な、主人公のリト(結城梨斗)が この業界のプリンスに君臨している。スペックの高さ(親が金持ち・家事が得意・優しい)を感じさせない謙虚な態度がモテ男の極意ですね。
まるで恐竜のように鈍感だから、これからは彼らを「ラブサウルス」と呼ぶことにします!(絶対 明日には忘れている)。