『恋染紅葉 1』 坂本 次郎×ミウラ タダヒロ
『恋染紅葉』は、「学園ラブコメもの」の楽しさと、友情の大切さが味わえる「週刊少年ジャンプ」の連載マンガです!
コミックス第 1 巻の表紙は、胸部に特殊な袋の付いた制服が「ごくり……」ですね! そして背景を覆い尽くす真ッ赤な紅葉は、まるでヒロインの情熱と怨念を表わしているようでした。
──ん? オンネン?
そう、例によって例のごとく、このブログでは登場人物たちをほんのちょっぴり違った視点から見ています。こんな感じで──。
- 紫之宮 紗奈(しのみや さな)
- ナチュラル・ボーン・ヤンデレ
- 七里 由比(ななさと ゆい)
- お色気担当・兼・フビンさん
- 海音(うみね)様
- 八重歯が かわいくて友だち思いでボケもツッコミも出来る女神
- 葛城 翔太(かつらぎ しょうた)──とかいう人?
- 普通
DMM.com コミック全巻レンタル: 『恋染紅葉』 第 1 巻~最新巻
Reviewer: あじもす @asiamoth,
主人公の普通さ
「ジャンプ」マンガの主人公たちは、バトル・マンガもラブコメものも、「最初からハイ・スペック」が ずっと流行しています。たとえば──。
- 『To LOVEる』の結城 リト
- 家庭的で優しくて、両親が有名人の お金持ち
- 『ニセコイ』の一条 楽
- 家事が得意で優しく、家は(ヤ■ク■ザだけど)お金持ち
- 『HUNTER×HUNTER』のゴン
- (基本的には)仲間思いで、父親はトップ・クラスのハンター
- 『BLEACH』の黒崎 一護
- なん……だと……!?(訳: 父親も つおい)
自分は 6 年前から言い続けていました。
ところが! 『恋染紅葉』の主人公・葛城 翔太は、まったく普通の高校生です。部活動に燃えているわけでもないし、本気で俳優を目指すつもりもない。家も ごく一般的です。
その普通さゆえに、翔太は紗奈との距離を感じる──。
友との交流
しかし翔太には、支えてくれる友だちが います。義孝(よしたか)と海音が中心となって、翔太の恋を応援する。ここも普通の高校生らしくて好印象でした!
とくにシーン 1 「出会い 夕焼け 海岸線」で、翔太が海音に「ありがとな
」と礼を言う一コマが好きです。素直に ものを言い合える翔太と海音の関係が うらやましい!
「ジャンプ」のラブコメものに欠けている点が「友情」だと思っていました。自分が大好きな『ニセコイ』も、なんだかんだ言って「主人公とヒロインたち」・「それ以外」という関係になっていく──。
『恋染紅葉』では、良い意味で主人公が なかなか成長しません。そのため、翔太が友だちに頼る場面も多い。友だちも喜んで力になる。素晴らしい!
健康的なヤンデレ
紫之宮 紗奈の印象は、シーン 2 「初デート」のころまで「テンプレ(ートどおりの)ヒロイン」と思っていました。──自分の目が節穴だったからです。
サナは、ものすごくヘンテコな子ですよね! 「恋を知らない乙女」──だけでは済まされないアヤウサがある。
シーン 3 「普通のコト」あたりから、「女優としての紗奈」と「素顔の紗奈」の両方が生き生きと動き出します。そこへ恋のライバルが現われて──という展開が楽しい!
──いちおう書いておくと、本当にサナが「病んでる」と思っているわけではなく、「ヤンデレ的描写」を楽しんでいるだけですよ! ──シーン 4 「ナナちゃん?」のヤン具合は、かなり重傷だけれど。
精神的にも肉体的にも健康なところ(ごくり……)がサナの魅力です。だからこそ、ちょっとくらいの「トゲ」がキラキラと光ってるし、翔太もガッチリとトゲトゲに捉えられている。
不憫な彼女
じつは、「ナナ」こと七里 由比の不憫伝説は、これから回が進むほどに悲惨さを増していきます。だから、現時点で彼女のことを「フビンさん」と呼ぶのは、ある意味ネタバレではある(いまさら?)。
──いやいや、初恋の相手から完全に忘れられているだけで、ナナは そうとうショックを受けているはずです。翔太も正直に言いすぎるから、よけいにナナを傷つけている。しかも翔太は そのことに気づいていない。
この巻の時点で、ナナは翔太に幻滅しても不思議ではないと思う。それでも、なぜナナは めげないのか──は、今後の展開をお待ちください! ハンカチの用意もお忘れなく……。
一方で、ナナは あまりにも無防備すぎます!
シーン 5 「覚えてる?」のストラップを探す場面は最高でした! この天然っぷりがナナの最大の魅力ですね! (近い未来には あざとさも身に付ける!)
翔太の前では、ナナは「より無邪気だった子どものころ」を思い出すのかも しれませんね。彼に会えない さみしい日々を、ナナは自分で自分を慰めていたに違いない……!
読み切り版
『特別読切 恋染紅葉』は、連載版のドキドキ感を濃縮した味わいです。
さすがにページ数の都合で、「監督が はっちゃけすぎだろ!」とか「紗奈のデレが早すぎ!」とか、ツッコミどころ満載ですケド。それはそれで愉快でした。
翔太の髪型が連載版よりもチャラい感じで、これなら紗奈とも釣り合ってしまう。だから連載ではツンツンにしたのでしょうね。──また翔太のチャラ男バージョンが見られる日は来るのかな?
ところで、主人公の名前が「あいかわ しょうた」から「かつらぎ」に変わったのは何かの暗号──、いや、なんでもない……。
おわりに
以前、これまた「最初から強い主人公」の『ドラゴンボール』を第 1 巻だけ取り上げる──という暴挙に出ました。個人的には「どやぁ」な おもしろい試みだと思う。
『ドラゴンボール』 – 其之一 「ブルマと孫悟空」からエロさ爆発! | 亜細亜ノ蛾
──しかし、もしも「『ドラゴンボール』の第 1 巻のみを延々と読んでいる人」が居たとしたら、その状況を許せますか? その人の感想が「おもしろい!」でも「つまんない」でも、最後まで読ませたくなる。
同様に『恋染紅葉』も、これから盛り上がりますよ!
(冒頭で お分かりのようにエコヒイキしている)海音の良さが出てくるのも先だし、最強のアイドルである「小悪魔」も当分おあずけです! あー、早く感想が書きたい!
まずは第 2 巻を予約しましょう!






