小畑健一覧

バクマン。 #131-4 「模倣と無意識」 50 票とマネしていい事

『バクマン。』 131 ページ 「模倣と無意識」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 23 号)

50... no more... no less.jpg
(天才でも──簡単には超えられない数字)

新妻エイジは、ストライキ決行の時(『バクマン。 (6)』)に 1 億円くらいは持っている──と ほのめかしていました。そのわりには、あいかわらずドテラー(どてら + er)です。

エイジ:
「このドテラ エルメ■製で 80 万円くらいしますケド」

いや、彼の性格からして、「お金は使わないから すべて親に預けている」と言い出しそうなんですけどね。温厚そうな両親だったけれど、いまでは金遣いが荒くなって、エイジの稼ぎでも間に合わない──とかだったら面白い。

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バクマン。 #131-3 「模倣と無意識」 面白味とホワイトデー

『バクマン。』 131 ページ 「模倣と無意識」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 23 号)

!!!!!!!Muchas Gracias!!!!!!!!
(ホワイトデーには──面白い味のキャンディを)

自分が新しいマンガに手を出す場合は、絵で選びます。まず、「雑な絵」は却下する。どうも「ギャグマンガは絵が雑でも良い」という風潮が大正時代くらいからあって、そろそろ滅びて欲しい。

──いや、どちらかと言うと、「キミは絵が雑だから、ギャグマンガを描きなさい」という編集者がいるのではないか、と思うくらいです。そういう「ヘタウマ」から「ウマ」を引いたような絵は、ずば抜けたセンスを持った作家だけに許されるべきでしょう。

あとは、どうしても受け入れられない絵柄もある。これも「雑」に入りますが、「極端に ゆがんでいる絵」はダメです。意図的に「絵のウソをついた構図」は好きだけれど、不自然に狂ったパースは、パスしたい。(ドヤドヤァ

そうは言っても、苦手だった『カイジ』も今では大好きなマンガだから、最後には話の魅力が勝つ。絵から入って、話で決める──という感じです。これは、どんな人でも同じじゃないかな?

マンガもアニメも映画も小説も、すべてはストーリィの魅力で人を引っ張っていく。舞台は役者の力が観客を呼ぶそうだけれど、これも「役者の人生という物語」を観に来るのでしょう。

物語の力をマンガの世界で生かす可能性を信じて、シュージンはこれまでやって来ました。つまらない事件で、台なしにされませんように──。これは、すべての作家に対しても願うことです。

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バクマン。 #131-2 「模倣と無意識」 バレンタインとセキュリティ

『バクマン。』 131 ページ 「模倣と無意識」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 23 号)

Heart Of The Storm
(セキュリティ意識の高そうな──チョコの渡し方)

自分は、「マンガは、人を感動させられる芸術品である」と完全に思っています。しかし、一般的な出版物として販売しているのであれば、ある程度以上は商業的に成功する必要がある。

その点は、何もマンガだけの話ではなく、ほかの芸術──絵画や舞台・映画などと同じです。だから、「マンガなんて、金儲けのために描いているんだろ!」などと言う人がいたら、両方の手のひらを天に向けて・首をかたむけ・軽く息を吐けば済む。

「世間がなんと言おうと、自分の作品は これで良いのだ!」を貫きたいマンガ家も、同人誌で自費出版すれば良いのです。ただし、芸術とは表現者あるいは表現物と、鑑賞者とが相互に作用し合うことであるため、独りよがりでは成り立ちません。

鑑賞者あってこその芸術です。

参考: 芸術 – Wikipedia

現在、『バクマン。』でやっている話は、「模倣犯シリーズ」(命名: オレ)と言えるでしょう。「芸術品でもあり・商業作品でもあるマンガ」について、より深く追及する話になっていきそうです。

はたして、「表現の自由」は、本当に自由なのか……。

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バクマン。 #131-1 「模倣と無意識」 洞察力とメンタル面

『バクマン。』 131 ページ 「模倣と無意識」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 23 号)

Weekend Love
(人の精神が目に見えたら──話は簡単だ)

今回は、小杉編集が良いことを言っていました。自分が思っていることと下の言葉とは、一字一句違わず同じです。やるな、メガネくん……!

悪いのは本当に 犯罪を犯すバカと 面白半分な 報道の仕方をする TV 局です

これは、当たり前のことであり、あらためて言うまでもない。それなのに、創作物をマネした犯行が起こるたびに、「マンガのせい」「ゲームのせい」と叫ぶ人がいる。

そんな「現実と虚構との見分けがつかない人たち」だから、いまだに「マンガの精」「ゲームの精」を信じているのでしょう。サンタクロースや妖精を信じるのは、子どものうちだけにしないと、見ていて つらいぞ。

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バクマン。 #130-4 「熱と灰」 置手紙と愉快犯

『バクマン。』 130 ページ 「熱と灰」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 22 号)

Anonymous at Scientology in Los Angeles
(「愉快犯」では──済まないこともある)

自分が大好きなアニメ作品・『魔法少女まどか☆マギカ』は、最後の 2 話分だけ、 1 か月ほどテレビ放送が遅れました。その理由は、大まかに言えば「作中に避難所のシーンがあるから」と言われています。

魔法少女まどか☆マギカ 第 11 話 – 最後まで残る思い : 亜細亜ノ蛾

大震災の影響により、東日本だけではなく日本中が被害を受けていた時期だから、仕方がないでしょう。納得はできる。

しかし、現実世界と創作物とを混同するようなことは、とても文化的・近代的な考え方とは思えません。「山より大きな巨人」や「柳の下の幽霊」をおそれるようなものです。

どうか、マンガに描いてあることをマネして、手足をゴムのように伸ばしたり、黒装束と日本刀を具現したり、死んだ人間をリスクなしでホイホイ生き返らせて操ったり──、そんな人たちが現われませんように。

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バクマン。 #130-3 「熱と灰」 充実感と完全燃焼

『バクマン。』 130 ページ 「熱と灰」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 22 号)

Yakiniku 焼き肉
(ブログや原稿・肉は──焼きすぎないほうが良い)

前のページでシュージンが急いできた理由は、クラス会に間に合う可能性があったことと、カヤから せかされたこと──の 2 点だけかと思っていました。しかし、この場面を見ると──、

直井いちこのことを、かなり気にしているな……。

シュージンも男だから、アワヨクバな気持ちが、0.01% の千倍くらいは あったのでしょうか(けっこう確率高いな)。

──いや、『バクマン。』ガールズの中でも破壊力バツグンな蒼樹紅と密会や密談をしても、シュージンはグラグラ来ていなかった。そんな彼が、いまさらほかの女性に目がくらむとは思えない。

──とはいえ、結婚してから しばらく時間がたった今ごろって、「ちょうどその時」な気がしますケド(どの時?)。

いずれにせよ、続きは「週刊少年ジャンプ」誌上には載せられないので、『季刊オトナのバクマン。』で!(※季刊: 夏冬のコミケなど)

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バクマン。 #130-2 「熱と灰」 カラオケ組と海外旅行

『バクマン。』 130 ページ 「熱と灰」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 22 号)

Vina Karaoke Bar
(むしろカラオケのために海外へ──もアリ?)

自分は、「勝ち組」「負け組」という言葉が嫌いです。そうやって、他人をカテゴライズする人がイヤだ!(──と他人をカテゴリィに押し込めているワナ)

読者からすると十分に成功している・成功し続けているサイコーが、今回は「負け組」に見えてしまいました。遊び方を知らないオトナって、なぜだか哀れな存在に思われるんですよね。

幸せって、なんだろう……。

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バクマン。 #130-1 「熱と灰」 サインと骨折

『バクマン。』 130 ページ 「熱と灰」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 22 号)

Akira Toriyama Autographs 125
(もらって誰もがうれしいサイン──を目指して)

自分は、同窓会にはイヤな思い出しかありません(誘われなかったり恥をかいたり)。でも、「ジャンプ」の売れっ子マンガ家であるサイコーは、さぞかしモテモテなのだろうと、

──そう思っていたのに……。

いきなり不安をあおる書き出しはさておき──、「週刊少年ジャンプ」で同窓会ネタは、かなり珍しいですよね。登場人物と対象読者の年齢が高めな『バクマン。』ならではの話です。ほかのマンガでは、『こち亀』くらい?

学園が舞台のバトルマンガで「のんきに殺し合い」をしている人たちは、進学・就職活動が大変そうだなぁ……。10 年後、彼らには何が残っているのだろうか。

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バクマン。 #129-4 「青春と末路」 酒飲みと小遣い

『バクマン。』 129 ページ 「青春と末路」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 20・21 合併号)

089/365 Money...What Money
(ポケット・マネーが──次々に消えていく)

今回は珍しい展開でした。その場のムードに流されて、どんどん おかしな方向へ向かって行く。でも、流されない者の冷静なツッコミは容赦なく入る。でもそれって──、

今週号の『SKET DANCE』とカブってる!

思わずそう叫びそうになりましたが──、毎回毎回、自分やら空気やらに酔ったような登場人物ばかりが出てくるマンガもあるので、あえて言うことではないですね。

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バクマン。 #129-3 「青春と末路」 命懸けと一寸先は闇

『バクマン。』 129 ページ 「青春と末路」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 20・21 合併号)

Hope
(闇の中にいるからこそ──光がよく見える)

前のページで平丸は、マンガに対する姿勢を中井に問い詰めています。「お前が言うな!」と思ってしまいましたが──、今回のページでは、その不純な気持ちは同じであることを平丸自身も認めている。──ちゃんと自覚はあったのか……。

平丸もエイジも、「世間から自分は どう見られているか」をじつは意識していて、発言や行動に気をつけています。メチャクチャな言動をしているのは、なれた(なめた?)相手の前が多いんですよね。

天才たちは、意外と社交的だったりする。

褒められたものではない動機でも、ちゃんとした結果を出しさえすればいい。そうすれば、他人からも認められます。中井だって、アシスタントとしては一流の仕事ができるはずだから、ヤケにならずに前を向いて欲しい。

それにしても──、呼吸をするようにヒット作を生み出すエイジには勝てないけれど、刺身の上にタンポポをのせる仕事レベルで平丸は連載作品を生み出せる。もうすでに、アニメ・フィギュア化も済ませています。

平丸をうらやましいと思うのは、中井だけではなく、サイコーも同じでしょうね。ひとりの女性を振り向かせるためにマンガを描く──という点ではサイコーと同じですが、天才は遠く先を行っている。

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