『バクマン。』 131 ページ 「模倣と無意識」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 23 号)
新妻エイジは、ストライキ決行の時(『バクマン。 (6)』)に 1 億円くらいは持っている──と ほのめかしていました。そのわりには、あいかわらずドテラー(どてら + er)です。
- エイジ:
- 「このドテラ エルメ■製で 80 万円くらいしますケド」
いや、彼の性格からして、「お金は使わないから すべて親に預けている」と言い出しそうなんですけどね。温厚そうな両親だったけれど、いまでは金遣いが荒くなって、エイジの稼ぎでも間に合わない──とかだったら面白い。
何票差 ですか?
おそらく、『バクマン。』の世界でも 1 位は『ONE PIECE』だと思いますが──、ほかのマンガ家からは、クレームが来なかったのでしょうかね? そんな器の小さな作家はいない──と思いますケド。
『CROW』は 3 位が定位置だったのに、最近は 2 位へと上がりました。この結果は、某マンガの不調が影響しているのかもしれない……だと…… !?
そう言えば、『+NATURAL』は何位くらいなのだろう? なんとなく、『PCP』が落ちたおかげで浮上した──みたいな感じで、不調な気がする。
もしも、『+NATURAL』の原作が本当に面白くなくなってきた場合、エイジは岩瀬に何か言うのでしょうか。彼のことだから、多くを語らず、岩瀬だけに伝わる言葉で話すと思う。この 2 人の会話を、もっと聞いてみたい!
2 週続けて らしくねーぞ!
シュージンは、模倣犯について「無意識に意識」していた。その点を指摘されて、今度は「意識的に意識」してしまっている。『バクマン。』の展開としては 10 数ページの できごとだけれど、作中では何日も悩み続けているわけです。
サイコーと服部がアドバイスしたことで、逆にシュージンを追い詰めてしまった……。ただ、これは仕方がありません。だれも 2 人を責められない。
『走れ! 大発タント』の時のような、苦しい状況がやってきました。シュージンが、いまの状況から自力で脱出するのを待つしかないでしょう。
「面白くない」からではなく、「亜城木らしくない」から怒鳴り込んでくるのは、じつに福田らしい行動です。シュージンとは あまり会話をしたことがなかったのに、まるで遠慮がない。
ふてぶてしい態度と外見から、一見するとチンピラのような福田ですが──中身は心優しい人ですよね。本当に世話好きなんだよなぁ。
自分の中で福田は、お下げ髪をして・メガネをかけ・口調は「──ですわ!」という委員長キャラみたいに思っています。
──明日、病院は何時から やってるかな……。
そんな 深刻な顔して…
妻のことを大事にしていて、気配り上手であるシュージンが──、カヤの容体よりも模倣犯のことを気にしています。これは、相当な重傷ですね……。
このシュージンの問いかけは、世間的には「よろしくないこと」を描いている作家にとって、重大な問題でしょう。創作の中で事件を描けば、「自分の子どもが同じことをしたら・されたら、どう思うんだ!」と叫ぶ人が必ず出てくる。
カヤの答えは、この上なくシンプルで素敵でした。
マネしていい事と いけない事の判断が つくように育てます!
この言葉を聞いて、いくらかシュージンの心も楽になったでしょう。まだ表情には迷いがあるようだけれど、近くにカヤがいるから安心です。
ネームが できない !?
「嫌いな漫画を ひとつ終わらせる権限
」は、新妻エイジの「エキセントリックな天才キャラ」を補強するために、勢いで書いたセリフ──つまりは、作者が「やっちゃった(てへぺろ☆」と思っていました。
しかし、まさか本当に実行する日が来たのでは──という展開です。
もともとエイジは、ジャンプで 一番人気の 作家
を目指していました。編集長と雄二郎が自宅まで来た時には冗談半分だったかもしれませんが、サイコーがアシスタントに来た時(『バクマン。 (3)』)には、本気になっていたと思う。
その時の「ジャンプで一番宣言」から、もう 6 年半くらい過ぎています。その間、ずっとエイジは 2-3 位に甘んじていました。雄二郎や読者は、「エイジは順位を気にしていない」と思っているけれど──、本当は 悔しかったに違いない。
常識的に考えて、エイジが 1 位を獲ったからといって、本当に『PCP』の連載を終了にできるわけがありません。そんなことを信じているのは、作中ではアフロだけでしょう。
おそらく、「亜城木先生」を励まために、エイジはライバルとして上を狙うのだと思います。他人のマネをするアホウに影響されている場合じゃないぞ──と。某アニメで言うと、「いつまでも しょぼくれてんじゃねーぞ、ボンクラ」ですね。
あるいは、エイジのことだから、まったく予想もできないことを狙っているのかもしれません。「ジャンプ」で 1 位の作品を描く大人気作家なのに、こんな事件を起こした! ──とか。