『伊豆の踊子』 川端康成・著
まさか川端康成の名作を紹介する日が来るとは、昔の自分には想像ができませんでした。文学の世界なんて、興味はなかったのです。読んだとしても、探偵小説(ミステリィ)か、好きな映画を小説化した本くらいでした。
そういう人にこそ、この『伊豆の踊子』はピッタリです。なぜなら、川端康成の作品の中でも、この短編は非情に読みやすい。
ただし、現代の日本と比べると、『踊子』で描かれる世界──昔の日本(1910 年代くらい?)は、まるで異世界です。
まず、私は二十歳、高等学校の制帽をかぶり
──と最初に主人公が自己紹介をした時点で、つまずく。「ハタチで高校生──留年?」と思ってしまう。そのほか、「当時の日本」を知らなければ、疑問に思うことが多いです。
そもそも、「おどりこ」って──、何?
ということで、この短編小説は、ファンタジィと思って読みましょう! 分からないところは、自由に想像して補えばいい。
日本人として生まれたからには、川端康成が描く美しい日本語の世界を、一度は体験して欲しいですね。
自分は、上の新潮文庫版で読みました。いまなら、荒木飛呂彦氏が表紙を描いた版もありますよ!


