バクマン。 #39-4 「文集と写真集」 出られない電話と涙

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『バクマン。』 39 ページ 「文集と写真集」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 27 号)

phonebox (by topherous) (by topherous)

ようやく、亜豆の異変にサイコーは気が付く。いくつも亜豆からの「サイン」は来ていたが、仕事の忙しさに まぎれてしまっていたのだ。

このあたりは、高校生の話とは とても思えない。「ビジネスジャンプ」あたりに載っていそうな展開である(「ヤングジャンプ」だったら、とっくに亜豆は脱いでいるだろう)。

それより何より、ミホのメールは分かりにくい!

女の子から来るメールに潜む地雷原を見つけ出すことは、非常に困難を極める。当たり障り無く「そうだよね! 僕もそう思うよ(^_^)」みたいな返信で爆発することもあるのだ(この場合は、顔文字が「アタシがこんなに真剣に悩んでいるのに、何をふざけてるの!」である)。

そういえばあの時から……

真城からの着信を見て、見吉は すぐにやな予感がする。この勘の鋭さが、女の子らしい。「絶対に言うな」と口止めされていることをサラッと話すのも、「女性同士の約束は破られる」という法則である。

一般的には、「友だちの彼女」や「カレシ持ちの女性」へ電話することは、通常ではないようだ。

普段から顔を見ているし、会話もしている。表面上は仲がいい。それでも一対一で話すことは、良くないこととされている──。

以前から「恋人がいる──というだけで各種の制限がかかる」ことの是非について、モヤモヤと考えていた。自由・平等・機会均等などと言われて久しい世の中だが、身近なところで足かせがあるではないか、と。

──そんなことを思っていたら、アッサリと彼女に振られて、もう二年ほど過ぎようとしている……。

それ相当じゃん

亜豆のことを見吉に聞くサイコーの口調が、キツすぎる。気持ちは分かるが、いつも見吉は損な役回りだ。たまには見吉が良い思いをしている場面が見てみたい。

──あ、それは、少年マンガ的に描けないのかも(書かなければ良かった)。

親友である見吉にすら、写真集のことを話せなかった亜豆──そのことを知ったサイコーは、我が身に起こったことのようにツラかっただろう。自分が同じ立場だったら、ちょっと冷静にはなれない。

一度 切って

非常にシリアスな場面でマヌケな感想を書いて申し訳ないが──。

電話を切ってメールを送る場面を見て、まったく関係ないけど『DEATH NOTE』っぽい、と思ってしまった。「何かのトリックか?」と。

二人の夢のこと !

亜豆は、なぜ電話に出ないのか? 二人の様子を同時に眺められる読者からすると、すこしイライラしてしまう。

泣いているから電話に出られないのか、電話に出られないから泣いているのか……。

「声優になる」という亜豆の夢への道には、「写真集」が立ちふさがっている。あきらかに、亜豆にとって写真集を出すことは、イヤなものなのだ。

ひょっとして、この時のサイコーから来たメールを見ると、「二人の夢のためには、写真集に出ることも仕方がない」と読んでしまったのかもしれない。

──いや、そんなこともないか。うーん、相変わらず亜豆さんの反応は難問だ……!

それ以前に、亜豆が声優になりたい理由は、いまだに描かれていない。それが亜豆という人物を分かりにくくしている。

サイコーの「おじさん」に関するエピソードのように、亜豆が声優を目指す理由を描いて欲しい。次回からの展開に、それが描かれるのだろうか。