『バクマン。』 74 ページ 「同級生と闘争心」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 12 号)
シュージンがスランプのようです。──というか、彼は「絶好調で面白いアイデアがスルスル出てくる!」という状態を見たことがないような……。このあたりは、作者自身の姿をイメージしているのかも。
高校生のころは、それこそ毎日のように、シュージンは新しく話を作っていました。それなら、学生時代のほうがシュージンの才能があふれていた──とは言い切れません。
聞いた話によると、子どもが英語を早く覚える理由は、知っている日本語の範囲がせまいから──だそうですよ。オトナになるほど、自分が使える日本語の単語や表現が増える。だから、それらを英語に置き換えることが難しいそうです。
同じように、いまのシュージンは、作る話のレベルが上がってきたから、なかなかよい話が思いつかないのでしょう。
なんでここまで
このページでは、いつもとは違うフンイキのエイジが見られて、新鮮でした。
服部と──哲さん
と 2 人きりになってから、エイジが問いかける──。なんだか、見てはいけない物を見ているような、ドッキドキの場面です。質問の内容もけっこうキワドくて、最初は嫉妬心から聞いているのかと思いました。
いや──、セリフだけを追っていけば、「僕も哲さんと同様に、亜城木先生を応援しています!」とだけ、エイジは言っているように聞こえる。いつもと同じですよね。
しかし、それならば、わざわざ二人の時に話す必要がないのです。エイジは、イライラしているようにも見える。(ジャマな)雄二郎を先に返して、亜城木先生に 肩入れ する
ことを服部に聞いた、エイジの本心はどこにあるのでしょうか?
服部のほうも、僕以外 雄二郎さんにも こういう話は しないでほしい
などと言っています。このセリフも、なんだかアヤシイなぁ……。この計画を知っている雄二郎なら、服部が亜城木夢叶をヒイキしていることくらい、分かりそうなものですケド。
ヒミツを共有する二人の今後に注目です! 平丸と吉田のような、アヤシげな関係になっていく気がする──。
手塚賞佳作
新しく仕事場に来たアシスタント・折原一力(おりはら いちりき)は、「イナズマイレブン」に出てきそうなキャラクタです。
すくなくとも、サイコーやシュージンよりは、折原は「マンガの主人公っぽい」感じ。──これってまた、主人公が不在になって、折原が中心の展開が続く──という予感がするのですが……。
高木の妻の 高木香耶です
、とサラッと言う、カヤがかわいらしい。──ああ、そうか。もう「見吉」とは呼べないのか……。
去年の暮れに
折原の元気の良さには、みな押され気味です。
そういえば、港浦が初めて仕事場に来たときも、こんな感じでしたね。かなり張り切っていました。いまでは、港浦の「カラ回り」「空元気」がバレバレなので、港浦も素になっています。
ちょっとわざとらしい感じの折原もまた、いつの間にか、おとなしくなるかもしれませんね。
高浜はたった一コマの登場です。しかも、なんだか元気がない。登場したばかりの、無愛想な高浜に戻ったようで、なんだか悲しいです……。『BB ケンイチ』の次に描く作品を、早く見たいです。まさか、アシスタント業で満足する、なんてことにはならないと思いますが……。
もう新妻エイジ号ですね
いよいよ、『+NATURAL』の連載が開始です。さっそく港浦が掲載誌を持ってきました。ちょっと笑ったのは、港浦がジャンプを3 冊持ってきた
のは、自分も読むからだという。編集部で読めよ!
『+NATURAL』を読んだシュージンの解説が興味深い。邪道で王道
とは、亜城木夢叶が描きたかった作風なのでは……。
そして、服部もそういう作品が好きなのでしょうね。おそらく、邪道ともいえる作品の見せ方で、ジャンプに新風を呼び込む──それが、服部がやりたかったことだと思います。いまさらですが、服部に任せて『金と知恵』の連載を目指していたら──と思ってしまいました。
ついにラッコも…
カードゲームと言えば、『遊☆戯☆王』ですよね。初期のころは、初期・荒木飛呂彦作品のような味わいで、「いつ打ち切られるのか……」とハラハラしていたものです(失礼)。
それがいつの間にやら、『遊☆戯☆王』は「マジック&ウィザーズ」でのバトルが中心となり、大人気の作品となっていきました。自分はジャンプ以外のマンガ雑誌にはウトいので知りませんが、たぶん、類似の作品が多くあることでしょう。
詳しくは知りませんが、これからの新しい作品をカードゲームにして、人気を取ろうなんて、かなり難しいのでは? すでに原作やアニメで人気の作品がゲームになる、という場合が多いと思います。
そんな凡百の作品がウゴウゴする中で、『+NATURAL』はメディアミックスを初めから狙っている。たぶん、『CROW』と同様に、アニメ化もされることでしょう。
──服部と同じく、『タント』で新妻エイジに勝てるのか、疑問を持ちました。ムリじゃないかなぁ……。現役のジャンプ作家の中でも、「自分はエイジに勝っている」と断言できるのは、おそらく一人では(誰?)。