『バクマン。』 91 ページ 「票と表」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 30 号)
『PCP』(完全犯罪党)が表紙のジャンプを持ったサイコーとシュージン──が今週号のジャンプの表紙でした(ややこしい)。
当然のように、センタ・カラーあたりに『バクマン。』が載っているのかと思ったら──、普通にモノクロのページでしたね。いままで、よく何枚もカラーのイラストを描いて来たものだ……。
作中に出てくる『PCP』は、どうやら作者も期待を込めて描いているようです。今回は、その力の入れようがビシビシ伝わって来ました。
このトシになっても、マンガを読んで「面白ェー!」と叫ぶことがあるなんて──、
──20 年前には考えられなかったな。
絶対 1 位を獲る!
前回のラストと同じように、1 話目にかけた意気込みについて、サイコーは熱く語っています。シュージンも、前回と同様に心を動かされている。
それにもかかわらず、服部は妙に落ち着いて──いや「引いて」いて、なんだか変な空気です。まぁ、もともと服部はこんな感じでしたケド。
福田の読み切りが同じ号に載ることを、服部はようやく亜城木に伝えます。相変わらずこの作者は、不安のアオリかたが上手ですね。ここまでずっと、
「今度こそは亜城木夢叶が 1 位を獲る!」
──という流れで来たというのに、なんだか気掛かりですね……。
マンガは人気だけを 獲ればいいのか
──。難しい問題です。答えはあってないようなモノだし、人それぞれの意見があるでしょう。「ジャンプ」でマンガを描く──描き続ける以上は、ずっと頭を悩ます問題です。
と言うこともなく(えー)、答えはシンプルで──、
──面白いマンガを描けばいい!
服部が語った次の言葉は、軽い考えから出たのではなく、深く考えた上での結論だと思いました。
僕は人気を取れる作品が 多くの読者を楽しませる 良い作品 それ以上は 深く考えないようにしている
何も考えずに出た簡単な意見と、悩んだ末のシンプルな考えとでは、月とスッポンポンです(?)。
明後日までなら OK なんだよな
本人まで「劇画調」になって、福田は読み切りを描いている。タイトルは、
『ロードレーサー淵切』(ブチギリ)
という、熱い熱い──暑ッ苦しいマンガになりそうです。
これだけ性格も作風も熱すぎるのに、なぜか福田は──サワヤカ青年に見えるんですよね。なぜだろう?
連載と同時に読み切りも描き上げよう──というのはムリがあるらしく、雄二郎が手伝っていますね。
いつも思うのだけれど、編集者がここまでやるのは珍しい。というか、ほかの編集者は手伝わないでしょうね。普段はやる気がないくせに、なぜかアフロは福田の頼みを断りません。
そういえば、服部の「悪だくみ」もスンナリと受け入れたし、雄二郎は頼まれれば力を貸す──面倒見が良いほうなのかもしれませんね。
──グータラそうだから、誰も頼まないだけで。
新連載とぶつけても 劣らない……
安之城舞に、どんな衣装を着せるのか──。
これは、たいへん重要ですね! なによりも一番、力を入れて考えるべきでしょう!(断言)
シュージンが出した意見は、いつも ミニスカート
をはいて、その下に レギンスか 見せパン
という──分かってらっしゃる! なナイス・アイデアです。
スカートの下にレギンス──スパッツと言えば、ストリートファイター ZERO シリーズや、『さくらがんばる!』に登場した、かりんを思い出しました。安之城も、お嬢様っぽいよなぁ……。
そうそう、ボア・ハンコックは相手を見下し過ぎのポーズ(見下しすぎて逆に見上げている)
をしていましたが、かりんお嬢様は相手を見下す修行のために──、
──宇宙から地球を見下ろす
!!
た・・・たまんない・・・かりんェ・・・(「かりん」つながり)。
できたての 見本本だ
『PCP』が表紙の「ジャンプ」は──、おお、いかにも「新・連・載!」という表紙ですね。しかも、今週号の「ジャンプ」の表紙に描かれている『PCP』のイラストとは、また別のデザインです。
このような一枚絵を描くには、マンガとは別の苦労があるはず。画面を構成する時にも、まったく異なった神経の使い方をしていることでしょう。それだけに、亜城木夢叶と同じく、作者が『PCP』に力を入れている──と感じました。
気合いが入っているのは、福田の『ロードレーサー』も同じです。サイコーとシュージンの評価も高く、服部も面白いと思うよ
、と言っている。
新妻エイジと亜城木夢叶とは、その作風から、「王道・対・邪道」の戦い──とも言えます。同じことは、福田・亜城木にも当てはまりますね。
現実世界の「ジャンプ」では、王道のほうが圧倒的に支持されていそうですが──、
──『PCP』は票を集められるのか?
これは 票が割れるな
どんなに面白いマンガ──自分の好きな作品でも、どこかに「人には勧めにくい理由」があるものです。
『バクマン。』は、「ジャンプ」そのものに興味がない人には、ちょっと読ませるのをためらう。『HUNTER×HUNTER』も、子どもには見せにくい。
編集者は、どうしても批判的にマンガを読むようです。読者以上に「売れない理由」を探してしまう。彼らの意見を聞いていると、冒頭ではあんなに面白そうだった『ロードレーサー淵切』も、そこそこの結果に終わってしまうのでは──と心配になりました。
相田は、『淵切』を高く評価しています。その一方で、『PCP』は どうしても地味に 見える
とのこと。最近は「辛口」ではなくなってきたため、なんとなく甘い批評ですね。
『PCP』が『完全犯罪クラブ』(仮題)だったころ、亜城木夢叶の担当は港浦でした。そのため、いまでも亜城木のことを港浦は気にしています。
もしも『PCP』が人気を集めれば、相対的に現在の担当である『+NATURAL』の票が流れるわけで──、港浦も微妙な立場ですね。
