『バクマン。』 99 ページ 「悔し涙と嬉し涙」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 40 号)
世の中には、すくない巻数で終わった名作が多いです。短い話だからこそ、名作になり得たマンガも多いはず。「ジャンプ」では、『レベル E』くらいでしょうか。
ゲームにもマンガにも、妥当な長さがあると思う。それなのに、「どこまでも薄くのばされたカルピス」みたいなマンガが、「売れている作品」と呼ばれたりします。
いまの「ジャンプ」システムやマンガ業界、そして読者の意識に問題がある。「売れたら勝ち」は真ですけど、勝ち以外の価値が見つかると良いですね(シャレではなくて)。
あと、『ジョジョの奇妙な冒険』のシステム(各部ごとに登場人物を入れ替え)を、ほかのマンガ家がマネしないのはなぜでしょうか? スター・システムの成功例も、最近では聞かない気がする。
「カルピスをのばしきったカス」マンガを続けるよりは、上記のシステムを採用したほうが面白い、と個人的には思います……だと…… !?
アニメじゃ ないのか…
ドラマ CD 化には、サイコーは不満顔です。
ライバル作品たちはアニメになったのに、自分たちの作品はドラマ CD であることに、サイコーは引っかかっている。でも、『PCP』はドラマ CD にも小説にも、アニメにもなる──可能性も残っていますよね。
服部が言う内容的に 小説やドラマ CD に しやすい 人気もある
作品と言えば、『+NATURAL』のほうが近いように思います。『CROW』とのコラボ設定も生かしやすいし。展開の都合上、そんな話は入れられなかったのでしょうね。
ドラマ CD とアニメでは、ファンの層が違うのかもしれませんが──。まずはドラマ CD で試して、売れそうならアニメ化する──という商品展開はよくありそう。アニメでコケると、多大な損が出そうですからね。
そのワリには、「ジャンプ」発のゲームが、次々に失敗しているような……。
やってもらいたい 声優
ここから 2 ページ分、たっぷりとサイコーの顔芸が楽しめます。
しつこく声優を指定してくるサイコーを見て、服部は「うわ…… 真城くん 声優オタクだったんだ……」と思ったことでしょうね。
服部からすると、「なぜ、亜城木夢叶(というかサイコー)は、デビュー当時からアニメにこだわるのか」が分からないわけです。今回の一件で、「サイコーはものすごくアニメ・声優が好きだから」と納得したかも。
サイコーも、服部には事情を話して良いのでは? でも──、マジメな服部のことだから、「そんな不純な動機でマンガを描いてきたのか!」と怒られたりして。
あ──、冗談抜きで、「声優と知り合うために」アニメ化を目指すマンガ家は存在しそうですね。声優との打ち上げなどもあるだろうし。
で 誰なんだ ?
上で書いたとおり、自分の(にごった)目には、服部がサイコーから顔をそむけているように見える。「いたたまれない……」という感じ。さりげなく、服部は声優には 詳しい方では ない
、と言っているし。
──いや、冗談ですよ。さすがに、マンガ業界に身を置いている人間が、アニメ好きを下に見ることはないでしょう。いわゆる同属嫌悪になる。
さて、亜城木夢叶──とくにシュージンにしてみれば、自分たちの作品のストーリィを他人が作る、という状況は初めてです。不思議な感じがするでしょうね。
こういったメディアミックスの話で思い出すのは、『DEATH NOTE』です。
映画版の『DEATH NOTE the Last name』と『L change the WorLd』も、小説版の『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』も、挑戦的な内容でした。
原作のフンイキを壊さずに、独自の世界を構築する。あるいは、原作とは違う方向性を示す。──いろんな『DEATH NOTE』の世界を楽しめて良かった。すくなくとも、『DEATH NOTE GT』みたいな展開になるよりは……。
亜豆には言うなよ
ゴミをまき散らしながら喜ぶカヤの姿は、まるで新妻エイジのようです。たしかに、どちらも「新妻」ではあるし、髪の色が似ているケド(じつは血がつながっている !?)……。
カヤが言うとおり、亜豆に情報を流したくなければ、カヤに話さなければいいのに。とはいえ、話さなかった場合は、夫婦間でイザコザがありそうですね。「何でも話し合える夫婦」は、いいものです。
そんなシアワセ夫婦をにらみながら、アニメじゃ ない
・アニメじゃない、と言い続けるサイコーって……。
これで夢が 叶った
サイコーと亜豆が、これまでずっとコダワリ続けてきた夢であるため、さすがにドラマ CD で妥協することはなかったですね。たぶん、亜豆はこだわってないと思うケド。
連載して 2 年くらい
でアニメ化と言えば、この『バクマン。』もそうですよね。だいたい、どの「ジャンプ」マンガにも当てはまる法則なんだろうか。
『DEATH NOTE』の連載も 2 年ほど続いて、アニメになりました。『バクマン。』も、 108 話くらいが最終回になるのだろうか……。
夢が叶ったあともダラダラと続けて欲しい──と思う一方で、それをやると面白くなくなるだろうな、と分かってしまう。
ダラダラと長く続ければ続けるだけ良いのは、結婚くらいです。高木夫婦、いつまでもお幸せに──。