『バクマン。』 135 ページ 「連続と阻止」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 27 号)
岩瀬愛子との打合せをした際に、港浦はボケーっとしていました。その理由を岩瀬は勘違いしていますが、実際には、
「ハズレが出ても、もう 1 本」
という逆・当たり付きアイスクリームみたいな発想をしていただけだという……(ハズレ→『+NATURAL』・当たり→『正義の三肩』)。
港浦と高浜が 0 から立ち上げて、ようやく初ヒットになった作品が『三肩』だから、思い入れの度合いも違う。それは分かるけれど、ほかの作品を ないがしろにするのは問題です。
あの中井巧朗ですら、まともに働いている。今も昔も、アシスタントとしての腕前は一級品です。彼と比べると、本当に港浦は良いところが見当たらない。この先、見せ場があるのでしょうか。
「数打ちゃ当たる」方式で予想しておくと──。
『三肩』のドラマが失敗しそうになったり、原作を無視した演出をしようとした時に、「あんた マンガを何だと思ってるんだ!」と格好良く港浦が監督に注意する──といった展開が、あったらいいな……。
何かを終わらす権限
「福田組」の組員たちが集まったのは、久しぶりですね。たまには全員で、飲みにでも行けばいいのに。とはいえ、このメンバだと──盛り上がらないでしょうね。女性陣やサイコーは、最後まで無言でいそう。
そう言えば、彼らの中でお酒が好きなのは、平丸一也くらいかな? 未成年のころに新妻エイジが飲んでいたのは、「ファンタスティックなジュース」だったし(『バクマン。 (5)』)。
この会合ではビックリしたことに、高浜昇陽も参加している! 『キャラマン。』によると、高浜は「福田組」のメンバではなかったけれど、いつの間にか組員に入れてもらえたのでしょうか。
諦めたような 態度
高浜は、この場で話の主導権を握ろうとしている。何という積極的な態度なのでしょうか! 「高浜昇陽の応援をできたらする・友の会」会員としては、うれしい展開です(イーカゲンな会だな)。
第一印象は無口だった高浜ですが、かなり変化しましたね。上昇志向の強い彼は、第一線で活躍する作家たちとの交流を、心から望んでいたことでしょう。彼が目指しているのはウォルト・ディズニーなので、いつまでも裏方では いられない。
ただ──、なんだかほかの人たちは、高浜を無視しているようにも見える。まぁ、ほとんど話したことがない人ばかりだし……。師匠である亜城木の 2 人がフォローしてやれよ!
もしかして 新妻エイジは……
新妻エイジが初めて登場した時には、彼の性格がよく分からなかった。嫌いなマンガを 終わらせる権限
なんて編集長に要求するくらいだから、生意気な人間かと思ったものです。
バクマン。 #9-3 「条件と上京」 シュージンの機転と初登場のエイジ : 亜細亜ノ蛾
ただ、「権限」が発動することは ないだろうな──とは思っていましたね。最近までは……。
エイジはマンガのことだけを考えていて、本当にマンガを愛している──と現在では分かっています。だから、「他人のマンガ」を彼が終わらせるわけがない。
条件付き ですケド
10 週間も連続で 1 位を獲るのであれば、そのマンガの人気は本物です。そして作家は、「ジャンプ」で 1 番だと名乗れるでしょう。
だからこそ、エイジが出した要求に対して、編集長は よく「権限」の許可を出したものだな……。作家との話し合いだけで会議も開かずに、連載を終了できるのでしょうかね?
エイジの手のひらにある「5」(週)の文字は、この場で書かれたものでしょう。よく見ると、左手にペンが握られている。
このように、エイジの行動や発言は奇抜でありながら、そのほとんどが「他人に何かを伝えるため」です。つまりは、コミュニケーションの一部なんですね。マンガを描いている時の奇声も、作中の擬音そのままだったりする。
エイジの「意味不明な言動」は、じつは皆無なのかも。
やっぱり…
新妻エイジが終わらせたいマンガは、自分自身の代表作である『CROW』だった……! この驚きの事実を平然と受け入れられたのは、亜城木夢叶です。ずっとエイジを見続けてきたから、彼の思考にシンクロできたのでしょう。
自分も、前回の感想で予想していました:
バクマン。 #134-4 「独走と鈍足」 貢献度とダメ押し : 亜細亜ノ蛾
しかし、次のページで語られている「嫌いなマンガ
の定義」にムリがあるような……。まぁ、それについては、明日書きます。