『バクマン。』 117 ページ 「FL とブログ」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 08 号)
今週号の「ジャンプ」には、「『ラッキー』と言いながら、腰に手を当ててピースサイン」をする大場つぐみさんが出てきます! まるで『とっても! なんとかマン』みたいで、これがもう、面白い!(不自然な強調)
何のことかと言えば、大好評発売中の『キャラマン。』の宣伝ページですね。『バクマン。』の直前に載っています。この本はファン必携アイテムなので、ぜひとも(下のリンクから)ゲットしてください!
このブログの感想記事: バクマン。 キャラクターブック キャラマン。 – パラレルとリアル : 亜細亜ノ蛾
亜城木先生の ような 漫画家になる
『シンジツの教室』を描いた作者・七峰透(ななみね とおる)は、原稿だけではなくファンレターまで公開です。今までに登場したどのキャラクタよりも、優遇されている。大場さんもお気に入りの人物なのでしょうか。
七峰のファンレターからは、好きなマンガ家に対する「まっすぐな好意」を感じました。「応援しています!!」という気持ちが伝わってくる。「わたしの 冷血力は 530000 です」のサイコーも、喜んだことでしょう。
『この世は金と知恵』と『疑探偵 TRAP』を読んで、七峰はマンガ家を目指し始めました。自分が歩むべき道を示してくれた亜城木夢叶は、神に近い存在かもしれませんね。
しかし、尊敬をすればするほど──、自分の意にそぐわぬ行動を取られると、強く反発するものです。『走れ! 大発タント』を見た七峰は、コレジャナイロボをプレゼントされた子どもの気持ちだったはず。
ギャグマンガは 合ってません
という言葉は、思いやりから出た言葉でしょう。亜城木に失望したとはいえ、嫌がらせのような手紙を出し続けなかった七峰は偉い。自分の気持ちをハッキリと言える人は、好きです。
これだけ毎週のように「ジャンプ」マンガの感想を書き続けていて、「ジャンプ」大好き歴が中学生のころから続いているけれども──、恥ずかしいことに、自分はファンレターを出したことがありません。そう言えば、アンケートはがきも……。
上のような葉書を出したことがないのは、一般的な社会人なら普通のことですケド──、なんだかほかの「熱心なファン」には頭が上がりません。上がらないから、ふんぞり返っておこうかな(?)。
あと、普通の人はマンガの感想など書かない。
本気で始めたのが 中 2
おそらく、この山のような手紙の中には、「私もマンガ家になりたいです!」という内容もあるでしょうね。でも、今までにそんな人物は出ていない。おそらく、本気で目指した人がいなかったのだと思う。
自分の描いた作品が、見知らぬ人にやる気を与えていたなんて、この上なくうれしいでしょうね。カヤにも報告して、一緒に喜んで欲しいです。彼女なら、感激して泣くかも。
ところで──、亜城木夢叶を強く尊敬して、マンガ家になった人物といえば、高浜がいます。現在も連載を続けている人気の作家にまでなったのに、サイコーもシュージンも無感動という……。高浜を応援したく なる
という感情も、あまりなかった気がする。
まぁ、何度も書いているように、『バクマン。』はバトルマンガの手法が取り入れられています。「ライバル同士に馴れ合いは不要だぜ!」ということでしょうか。でもせめて、高浜も「福田組」に入れて欲しい……。
邪道過ぎる気も するけど
さすがに原作を書いているだけあって、シュージンの分析はするどい。『シンジツ』では、自己中心的な人間から先に消されている──。そのテーマを煮詰めていけば、少年マンガとして発表できますね。
物語というモノは、テーマを説明するためにあるのではない──とは思う。でも、明確なテーマにそって展開する話は、分かりやすくて楽しみやすい。『シンジツ』は、まさにそのようなマンガです。
まったくドーデモイーことだけれど、『シンジツの教室』に対する評価で「オリジナリティ」が空欄になっていることが気になる。採点が完了していないのかと思ったら、ほかの項目は埋まっています。ちょっとしたミスでしょうかね?
インターネットから無尽蔵にアイデアを引き出せる世の中で、独創性を評価するのは、たしかに大変です。それ以前に、過去の名作にも、元となった作品があることでしょう。それでも自然とにじみ出してくるのが、個性です。
文句なしに面白いです
新人の「小杉くん
」や港浦が会議の場にいて、驚きました。最初は「連載会議」かと思って、「港浦も偉くなったな……」と勘違いしたりして。まぁ、新人に対して、港浦はエラそうですケド。
いやいや、よく見たらこの審査会では、港浦ばかりが話していますね。編集部では解説役の立場──折原的な存在なのでしょうか。
現実世界の「ジャンプ」に載っている月例賞(トレジャー)のページを、失礼ながら、自分は読み飛ばしています。多くの読者も同じでしょう。
たとえるならば、新人賞のページと読者プレゼントは、同じくらいの存在感です。アンケートはがきのとなりにあるプレゼントのページは、毎週毎週──ムダに気合いが入っているんですけどね。
「ジャンプ」の中でも、読者からのお便りコーナや読者プレゼントをまとめたサイトがあったら、面白いと思います。巻末のコメントをまとめるくらいでは、もう新しくない!
個人的には重要視していないトレジャーですが、「ジャンプ」の次世代を盛り上げる作家の多くは、ここから羽ばたいていきます。とても重要な会議なのでしょう。
いつか参加する連載会議のふんいきを、ほかの編集者にも体験させるためか、編集長・副編集長も審査会に出席している。あいかわらず、佐々木編集長は目に力がありますね!
うちの班でフリワケですから…
編集者の小杉は、相田の班だそうです。たんたんと作家を推薦する口調は、たしかに相田に似ている。
似ていると言えば、小杉の容姿が「サイコーとシュージンを足した感じ」なのが気になります。チェックのシャツを選ぶセンスも、なんだか亜城木風味に思える。現実にいる「小杉編集」に合わせただけでしょうかね?
作家としての力量だけを見れば、七峰透は連載ネームを 描いていいレベル
──と編集長は言っています。
あとは内容を少年誌向けにするだけですが、そうかんたんに直せるのかな……。そもそも、反「ジャンプ」的な『シンジツ』を描くような作者だから、自分の作風を曲げるとは思えません。その印象は、今回の最後まで読んでも変わらなかった。
今回の話で 2 番目に驚いたのは、「ジャンプ」の平均読者の年齢
が 18 歳以上
になっていること。これは、『バクマン。』の世界(しかも 2015 年)だけなのか、実際の「ジャンプ」でも同じなのか、興味があります。
(一番ビックリしたのは、七峰の初登場)
この平均年齢の引き上げは、ポータブルのゲーム機で遊んでいる小・中学生が多いから──かもしれませんね。ひとりでマンガを読むよりも、みんなで楽しめる物を求めるのでしょう。
「ジャンプ」の編集部が読者の年齢を知る方法は、アンケートのはがきで間違いない。そこまでは推測できましたが、ここから先の面白い考察があります。みなさんも、どうぞ。
コメント
また、冨樫の話になってしまうのですが、
レベルE1巻の巻末漫画?(好きな女の子を食べてしまう宇宙人の話が終わって次のページ)で冨樫が担当に「こういう暗い話はジャンプ向きじゃないし、小学生たちが悪い宇宙人を倒すとか、もっと単純な話でいいと思うよ」というようなことを言われている様子が描かれていましたが、
その次に描いた話が「王子が作ったRPG世界で小学生を冒険させる」話で、担当の要望にこたえつつ?レベルEの方向性にあった富樫らしい話で、やっぱ冨樫って凄いなと思うわけです。
まぁあれがジャンプらしいのかとか低年齢層向けなのかって言うと違うとは思いますが、本当に力があるならシンジツの作者も同じようにできるはずだと思います!
あはは、あれ、最高ですよね!
> だから なんで 小学生なんだ────っ!!
と王子一流のギャグのように見せかけて、
おガキ様を本当に拉致監禁するという。
冨樫先生は、すでにあの時点で
「『ジャンプ』らしさってなに?」
を読者と編集者に訴えかけていた──のかも。
七峰も、冨樫先生と同じような道を進んで欲しいです。
さわぎを面白がるだけで終わって欲しくない!