バクマン。 #136-2 「伸びしろと対抗策」 秘密特訓と大きな損失

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『バクマン。』 136 ページ 「伸びしろと対抗策」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 28 号)

Gashapon
(特訓ばかりの人生──そんな人もいる)

『CROW』の今後について、「ジャンプ」編集部では議論が白熱しました。どの意見も間違っていないけれど、気になったことがあります。

「マンガ家・新妻エイジ」と「ジャンプ」との関係だけを、編集者たちは語っている。「エイジ個人のこと」は、誰も知らない・知ろうともしていない──と感じました。

マンガ家と編集者との間には、大きな厚いカベがある。

雄二郎は、エイジとは一番 近い位置にいるはずです。その彼ですら、いつも天才の意思をつかみ損なっている。今回の騒動でも、「だって、編集長が終了を許可したもん!」としかモサモサは言っていない。

いったい、何のためにアフロが付いているんだ!(?)

あと 7 話で勝負

シュージンが「シリーズ物の話を描く」と言い出すことは予想できたけれど、なぜ「7 話連続の話」にしなかったのでしょうか?

『PCP』は、シリアスなストーリィのマンガです。このジャンルで 1-2 話完結をずっと続けているのは、あまり見かけませんよね。シュージンは短編が得意なのかもしれません。そろそろ長い話にも挑戦して欲しい。


七峰透の『有意義な学園生活に必要なそれ』(『ONE PIECE』の回想シーンくらい長いタイトル)は、いつの間にか終わっていたのか!

原作も作画も七峰が 1 人でやりたがるけれど、次回は原作者と組むべきでしょうね。そうすれば、その次の作品に経験が生かせる。彼絵は高く評価されていたから、良い原作と出会いさえすれば、十分に上を狙えるはずです。

極端な話を言えば、シュージンが原作を書くと面白い

──それはないと思うけれど、七峰透と岩瀬愛子とのコンビは あり得そうです。『+NATURAL』の終了が見え隠れしているのは、この展開の伏線と見た! どちらもプライドの固まりだから、相性は良くないけれど……。

伝説のレーサー

福田真太は、『ロードレーサー GIRI』を面白くするために、いくつかの要素を挙げました。すべてが人気につながりそうで、納得ができます。

ただ──、伝説のレーサージジィに設定したのは、人気取りとしては弱いでしょう。『GIRI』は「熱いマンガ」だから、シブい人物が良く合うのは分かります。しかし、新キャラ目当ての票は集まりにくい。

「美少女バイク乗り」を伝説のレーサーとして出すべきでしたね。たとえば、『GIRI』の主人公と同い年でありながら、「3 歳からバイクで私道を走っていた」──とか。

ちなみに、「ロードレース」というと、一般的にはロードバイク(自転車)での競技を指すそうです。上で書いたような、「幼児のころからロードレースに出ていた」という設定も、こっちなら成り立ちそう。

「CROW」を 終わりに?

「作家の意思を尊重する派」と「商業主義派」に別れて、編集部で言い争っています。エイジが言う「権限」の話を聞けば、編集者としては当然の反応でしょう。

編集者たちのマンガに対する姿勢が見られる、絶好の場なのですが──、残念ながら、「声の大きな人間」しか口を開いていません。服部と雄二郎にも、班長を抜きにして、マンガ論を話し合って欲しかったなぁ。

これからの作品!

吉田編集が熱く熱く語っている……! 「『CROW』は まだ続けるべき」という考えは、吉田も中野と同じです。しかし、その意味あいは大きく異なっている。

内容は素晴らしいし正論だけれど──、吉田のことだから、ウラがあるようにしか聞こえません。いったい、何の悪だくみだろう?

他人を「その気」にさせるのが上手な吉田は、班長にピッタリです。佐々木とは大違いだけれど、編集長にも向いていそう。こんな上司がいたら、「サラリィマン・タイプ」の人(平丸っぽい人)は、サクサクと仕事が進みそうですね。

ここで 終わらすな

相田も、吉田の意見に加わりました。最終的には、この場面にいる班長たち全員が、『CROW』の継続を望んでいる。

それぞれの意図は違うけれど、けっきょくは「ジャンプ」のため・集英社のため──と言えそうです。まぁ、会社勤めの人間なら、仕方がない。


あの吉田が、平丸とは無関係そうに頑張っている姿を見て、「そうか、やはり彼も、マンガを愛する素晴らしい編集者の 1 人だったのか」──と思ったら、

表彰を 受けるためなのか……。

しかし、その表彰の話は、吉田が自分で勝手に言いだしただけ──なんですよね。本当に もらえるかどうかは、誰にも分からない。

絶好調時のエイジ(ボスキャラみたい)が描き出した『CROW』を抜くようなことがあれば、昇進や賞与に つながりそうですけどね。逆に言えば、それくらいのボーナスがなかったら、編集者も張り合いが出ないよなぁ。


われらが服部は、なぜかこの場面ではスタート・ダッシュが遅かった。亜城木夢叶の やる気を引き出すために、いつもなら まっ先に動き出していたはずです。模倣犯の件が一段落ついて、油断していなければ良いのですが……。