バクマン。 #156-1 「余裕と修羅場」 新体制と仕事量

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『バクマン。』 156 ページ 「余裕と修羅場」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 50 号)

Koh Samui Restaurant Pai nai-コサムイ レストラン パイナイ2
(楽しいランチの裏で──ものすごい量の仕事 !!)

「ジャンプ」では、空前の「再登場ブーム」(※いま命名)が大流行中なうです! さりげなく・あるいは大胆に なつかしい人物が登場して、一段と作品を盛り上げる。

今週号の『ハンター×ハンター』も良かったなー。

HUNTER×HUNTER #325 「参戦」 医師×遺志×意志 | 亜細亜ノ蛾

われらが『バクマン。』も そのブームに乗ったのか、忘れかけたキャラクタが出てきました。待ち望んでいる人は多くないと思うけれど、物語に厚みが出て おもしろい。

この作品のヒロインだったはずの亜豆美保は、どんな流行が来れば現れるのだろう。──とノンキに思っていたけれど、すでに出遅れているかも。黒髪・パッツン・ロング旋風に──。

PSP「俺妹」のインデックス黒猫はどう見てもWORKING!!の山田 – 月を見上げる丘

中野さんに 聞いたよ

「変顔」と言えば、サイコーの専売特許です。ヘンテコな顔で今回も たっぷり楽しませてくれた──のは、前半だけであった……。

「週刊少年ジャンプ」では『PCP』が終了することについて、読者からの反応は特に ないのだろうか。そもそも読者からの声が あまり描かれない本作品では、なんの反響も余韻もなく「中学編」へ突入しそうだなぁ……。

編集部に届いた「熱心な読者」からのファンレターは、編集者が すべて目を通していたはずです。あまりにもネガティブな「ご意見」は、編集部が「誠実に受け止める」として、作家には届けないでしょう。

アンケート票の結果だけで読者を見ている感じがする。

これまでの『バクマン。』で登場した読者と言えば、コンビニなどで立ち読みしている学生や、七峰透の会社で「働く」アルバイト、「判定人」──という感じで、ありがたくない人たちばかりです。

そこに作者の「読者感」が表われているのかなぁ……。

ネームも出来てますし

亜城木夢叶が今まで週に 19 ページ描いていた分量が、これからは約 30 ページになる。──この数字だけを見れば、なんとか可能に思えてきます。これまでも時間が余ることが多かったし、1.5 倍程度であれば大丈夫そうに思える。

「1 日にコーヒー 1 杯分の料金でアートが手に入りますよ!」──とキレイなお姉さんに言われて、ローンを組んで絵を買った「誰か」みたいな安心感です。──タイムマシンが完成したら、その時の自分を殴りたい。

ただ、現時点でサイコーには、休みを 取らなければという条件が付いている。これは──、長期の連載を続けることを考えると、心と体に負担が かかってきます。今は良くても、あとあとキツくなってくるぞ……。

シュージンや服部のように、この時点でイヤな予感がしました。サイコーが妙に晴れやかな表情をしている点も、余計に不安を誘う──。

平井堅さんに似ている さわやかな先輩の家に誘われて、ひとりで遊びに行く時のような気分です。なんだろう、この手のひらの汗は……。

そもそも夜 10 時の帰宅で ずいぶん早いとは、なんというブラックな お仕事でしょうか。『バクマン。』を読んでマンガ家を目指す人って、本当にいるのかな……。

この形が ベストで しょうね

向かい合わせの机で執筆作業は、効率が悪いと思う。ほんのすこし顔を上げるだけで「ご対~面~」となるし、いつも視界の端に人が動いている。

自分だったら、こんな環境は気が散って仕方がない。前の仕事(ISP のサポート・センタ)も向かい合わせの配置だったけれど、パソコンのモニタがあって助かった。それでも、視線がズレると目と目が合って「素直に お喋り出来ない」状態になる。

参考(にならない): 見つめ合うと素直におしゃべり出来ない – アンサイクロペディア

その前に、となりの「くつろぎスペース」を片付けるべきだったのでは? ──と思っていたら、後半では この空間も重要になっていました。

どんどんブラックな仕事場になっていく──。

アシスタントの 仕事量的に

「先生」である亜城木コンビも、アシスタント・トリオも──、地獄の入り口に立っていることを、まったく気がついていない。

そんな温室ムードのなか、あまりにもシンプルなスケジュール表を見て、すぐにかなり ハードと見抜けるとは、さすがアシスタント歴の長い小河です。

この前半と後半との温度差は、映画『アレックス』を思い出させる。──思い出さなければ良かった……。

『アレックス』 悪意と悪趣味の固まりのような超暴力映画 | 亜細亜ノ蛾

土曜も出てくれる人がいると

アシスタントの 3 人は、いままで週 4 日の勤務だった。それで食べていけるのでしょうかね?

3 人の家庭環境が不明なため想像ですが、加藤と折原は親と同居して、「スネをかじって」いそうな気がする。森屋も、マンガ家を志望している──わりには行動が ともなっていない感じだから、親に援助してもらっているのかな。

バクマン。』は、マンガ家と周辺の実情を克明に描いた作品──では ありません。「男のロマン」をコッテリとカロリィ高めに詰め込んだ、バトルマンガ風の恋愛マンガです!(断言)

この作品でマンガ家になる者・成功する者は、「どれだけマンガ家としてやっていく決意が固いか」を問われる。──いつものように、平丸一也は例外ですケド。


今回は、加藤奈津実の出番が多くて、かわいらしく見えました。女性アイドルが出演する DVD のパッケージみたいな、ステキな奇跡です。──あ、アレは「奇跡」ではないか。

このマンガが『美味しんぼ』だったら、とっくに加藤と折原は つき合っている。しかし、そんな気配は なさそう。

ここから分かるように、女性が「好みのタイプは年下!」と言う場合は、「──でハンサムな人か お金持ち」が語尾に隠されていると考えて間違いありません!


前回の感想で予想したように、森屋は小河に反感を持っています。今後も、この 2 人の間には争いが絶えないだろうなぁ……。

バクマン。 #155-3 「仕事場とノート」 3 人目と権利書 | 亜細亜ノ蛾

ただ、「アシスタントのチーフとして小河を呼んだ」ことを、サイコーとシュージンが事前に説明していないから、森屋は反発しただけです。まだまだ亜城木は、アシスタントの心理を読めていませんね。

今回の話を読んで、けっこう森屋が好きになりました。──逆の意見のほうが多いと思うけれど、そこはアマノジャクな自分だから、「いつもの仕様」です。それは 4 回目の感想──金曜日に書こうかな。