バクマン。 #172-1 「美保と菜保」 宿題とスルー

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『バクマン。』 172 ページ 「美保と菜保」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 17 号)

Tapping a Pencil
もちろん人生の宿題も──スルーできない

いよいよ亜豆の演技が始まります! ただ 1 人だけ台本を持たずに戦地へ立った彼女は、間違えずに演じきれるのだろうか……。

じつは、今回の前半には かなり不満を感じました。

原作者の大場つぐみさんは、物語を描くために登場人物をコマのように動かしています。そのこと自体は良いのだけれど、今回ばかりは不自然すぎました。

ところが、その不満の 99.98% くらいは覆い尽くすほど、小畑健さんの絵が良い! 「いままでの亜豆は なんだったんだ」と思えるほど魅力的でした。

そして「ナナ姫」も(黒く)輝いている!

7 番 亜豆美保

亜豆を応援する人たちは、みな熱い視線で画面を見つめています。演じる本人と同じくらい緊張していますね。孤独な服部の背中が すすけているぜ……。

余裕がありそうな人物は、亜豆の母親・美雪だけです。さすがに髪の量がモッサリ──もとい、人生経験が豊富なだけは ある。

──ところで、どうして亜城木先生は収録現場に招待されなかったのだろう? この点も奇妙ですね。


カメラ好きの自分としては、撮影している動画用のカメラが小型で気になりました。たまにテレビ番組でカメラが映ると、ものすごく大きくて驚くからです。

ウェブ上で放送する場合は それほど映像の質が求められないから、このカメラで十分なのかもしれない。

サトル おはよう

声の演技をしているはずが、亜豆は全身で「菜保」を表現しています。彼女を見つめる厳しい視線とは逆に、すがすがしくて優しい表情をしている。

──亜豆って、こんなにも かわいかったっけ……。

そう言えば、ラジオ番組では「戦闘服」を着ていた亜豆が、今日は普段着です。菜保に合わせているのでしょう。本当であれば亜豆は、制服姿で演じたかったのかも。

亜豆・ファティマ疑惑: バクマン。 #169-2 「声と反響」 ON AIR と即答 | 亜細亜ノ蛾

アズキュン いいっスよ

あの石沢秀光までもが、亜豆の声に聴き惚れています!

これまでの展開でも明らかですが、亜豆に対する石沢の感情は、ひねくれた愛情ですよね。サイコーとシュージンが顔見知りでなければ、あるいは成功しなければ、熱心な亜豆ファンになっていたと思う。

そして安岡が、完全に「おまいら」に なっている! おそらく亜豆をきっかけにして、声優の世界への扉を開いてしまったのでしょうね。リーゼントも片足──を残した全身を突っ込んでいる。

ファンの世界は楽しい楽しい──生ぬるい泥沼です。

一人で教室に…

今回の話で最大の焦点である「台本とは違うセリフ」の場面に来ました! ──が、正直なところ、話の流れも演出も失敗していると思います。

まず、掲示板でも原作との違いを指摘していないけれど──、このような場所に たむろしているような連中だから仕方がないでしょう。

ただ、「黒悪魔」(シュバルツ)と「白悪魔」(ヴァイセ)の違いを、ここまでの場面でサイコーとシュージンが気づいていない(ように見える)のは おかしい。

そもそも、監督もプロデューサも音響監督も声優も、全員が脚本の間違いを見逃しているなんて、あり得るのだろうか? 誰も真面目に原作を読んでいないことになる。

愛されていないな、『REVERSI』……。


大月奈々観の生き生きとした表情が おもしろい! 水を得た魚が、エサと恋人と住みかとハリウッド映画の主役権まで手に入れたような躍動感です。

前回の感想で書いたように、大月は伊藤潤二先生のキャラみたいに見える。いかにも「悪女」(ワル)という感じで、ホラー作品のほうが向いていますね。

バクマン。 #171-1 「マイクと台本」 配信と告知 | 亜細亜ノ蛾

反応としては まったく同じなのに、石沢のほうは醜く見える

スルーできない ところです

音響監督の意見は正論です。一番大事な台詞の内容は聞き逃せない。

ただし、わざわざ視聴者にまで間違えを伝えるなんて、少しばかり やりすぎなのでは? 彼とは知り合いの声優が居ることを考えると、亜豆にだけ厳しくするつもりだったのでは──とも感じました。実際は どうなのでしょうかね?

そもそも、脚本のミスはスルーしているし……。


亜豆の演技は、セリフも表情も菜保に なりきっています。アニメの演技を見聞きしていると言うよりは、いわゆる「ギャルゲー」の一場面を見ているみたい。

主人公のサトルに対して積極的で大胆な菜保は、恋人気取りなのではなく、仲がいい友だちとして接しているのでしょうね。

この心優しい菜保であれば、「一緒に帰って、友達に噂とかされると恥ずかしいし…」なんて言わない! 言わないんだ……(回想)。

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