『バクマン。』 100 ページ 「余裕と落とし穴」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 41 号)
(ファーストキスの味は──ウソをついてる 『味』だぜ……)
ついに、100 話目となりました!
第 1 話目を読んだ瞬間から「これは面白い!」と確信して、ずっと感想を書き続けています。1 日にコーヒー 1 杯分の料金で続けられる保険や、朝 1 杯の飲尿健康法・「一日一殺」(by. ゼノ)──などと同様に、続けてきて良かったと思います。
『バクマン。』は、セクシィ路線へ走ることもなく(「亜豆家の美人親娘、ついに──ヘルメットを脱ぐ」とか)、ヘンな方向性も目指さず(「中ナントカさんの収穫日記」など)、ダレる展開もなく(「シュージン、空島へ行く」……)、いつも面白い!
これからも、ずっと続けて欲しいです。
主人公である亜城木夢叶が立ち向かうべき相手──佐々木編集長を藍染隊長だと思えば、あと 100 年は戦えるでしょう。マンガの世界の「一瞬」は、最低でも 3 週間以上のことですから……。
編集長の机に
「PCP」のアニメ化の 企画書
は、前回の終わりにも出てきました。これは、ベテラン編集者からすると、何てことのない話らしい。でも、読者にとっては、港浦と同じくらいの衝撃でしたよね。
港浦は、これからも「読者目線の解説役」として活躍しそうです。今回も、『サザエさん』のカツオみたいな顔をして、いいリアクションを取っている。
アニメの話がせっかく来ても、やるかやらないかは 編集長の胸ひとつ
とのこと。これはキツイですよね。ということは、どんなに読者が待ち望んでいても、アニメにならない作品も出てくるわけです。
『トリコ』とか……(理由はみんなで考えよう)。
鶴の一声で?
吉田までもが、まだ そんな事も 知らなかったのか
、とあきれた顔をして港浦を見ています。──おいおい、そういうことは、キミたち先輩が教えることなのでは……?
山久は、港浦よりも後輩のハズなのに、アニメになる流れを知っているような態度ですね。吉田から教わったのか、知ったかぶりをしているのか。
いずれにせよ──、港浦と山久との、掛けあいマンザイのようなやり取りがなくなって、すこしサミシイところです。倦怠期?
ここで、『PCP』はアニメというより ドラマ向きだ
という話が出てきます。これは──雲行きが怪しくなってきましたね。あくまでも、「亜城木作品がアニメになること」が夢の終着駅です。
でも、『PCP』がドラマになったとして──、
亜豆は、ランドセルが似合うかな(そういう問題?)。
仕事場 行く途中
中学生のころから、サイコーとシュージンは変わっていませんね。いつまでも仲の良い、さわやかなコンビです。10 年後も 20 年後も、同じように仕事場ヘ一緒に向かうのだろうな。
実際に、ここまで仲良しのコンビはいるのかな……。
それに、亜城木の 2 人でドリンク類の補充もやっている。普通だったら、アシスタントやカヤに任せてしまいそうですよね。どこまで性格の良いコンビなんだ。
作者は、亜城木夢叶に「理想的なマンガ家像」を投影しているのかもしれませんね。
本当に 大丈夫か?
サイコーとシュージンが公園でくつろぐ姿は、久しぶりに見ました。これまたサワヤカ度がアップです。何も知らない人が見たら、「エエ若いモンが、こんな昼間に──」とか思われそうだケド。
思えば、コンビが崩壊寸前となった原因(の一つ)も、この公園でサイコーが目撃したキスでしたね。カヤも入れて、3 人にとっては思い出深い公園です。
一方、中井は真冬の公園でのがんばりを台無しにした。
完全犯罪 成立
『走れ! 大発タント』の時は、「子どもたちが楽しんで読んでいる──というウワサ」程度の反響でした。『PCP』は、完全犯罪をマネする子どもまで登場しましたね!
──字面だけを見ると、PTA から怒られるな……。
『PCP』のキャラになりきっている子どもたちは、とても楽しそうです。「かめはめ波ごっこ」や「波動拳ごっこ」に通じるモノがありますね。とくに、安之城舞のマネをしている子は、将来性あるな……(何の?)。
そんな子どもたちを見たサイコーとシュージンは、さぞかし喜んでいる──と思ったら、何だか浮かない顔をしている。
自分も、シュージンと同じで上手く いきすぎてて
何か 怖い
という感想です。この微笑ましい場面が象徴するように、なにか落とし穴
があるのでは……。