『バクマン。』 96 ページ 「4 位票とシリーズ」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 36・37 合併号)
ジャンプのアンケートで不思議なのは、「面白かった順」にマンガの番号を書かせるのに、集計の時にはその順位が無視されることです。それを知らない読者の中には、真剣に順位を選ぶ人もいるはず。
たぶん、集計する際に順位まで数えていくと、時間がかかるから──という理由で順番を無視していたのでしょう。でも今だったら、コンピュータ処理で何とかなりそうな気がします。
ずっとアンケート票の順位を無視する形で統計を取ってきたために、いまさら変更する気はないでしょうね。
それに、たとえば 1 位は 3 ポイントで、2 位は 2 ポイント・3 位は 1 ポイント──とポイント制で票を数えたら、3 位の票が多いマンガは、永久に順位が上がらないでしょう
面白かったもの 3 つ
の票は、すべて等価値である。
そこに、今回のミソがあるのです!
逆だ……
間違ってない !!
と叫びながらダッシュする服部が、妙に面白い。まるで、置き引きをして逃げる大学生みたいです(ヒドイ言いよう)。
速攻でアスキー・アート化されそうな逸材の服部ですが──、いかんせん、バクマンの AA は見たことがない。
そういえば、日記の感想にも書いたけれど、今週号は盲進(突進)するネタ
がカブりまくりですね。──あ、そもそも、少年マンガでは盲進・盲信・猛進するのが当たり前か……。
「ジャンプ」2010 年 35・36 合併号の感想 – 亜細亜ノ蛾 – ダイアリー
やっぱり 5 位でしたか
サイコーが落胆したように、3 位票が 多い
という情報は、マンガ家にとって喜ぶべき情報ではないですよね。
普通だったら、「4 位には落ちないように気をつけて、1・2 位票を目指す!」と考えるはず。マンガ家も編集者も、そこで考えることをやめる(カーズ・あるいはマジェント・マジェント)(あ、ネタバレ!)。
しかし、服部は違った。
1-3 番目までの票には、すべて同じ価値がある──、そこから逆の発想をする人なんて、服部だけでしょうね。もちろん、その点に気がついた作者がすごい。
おそらく 4 位票も多い
4 位票まで 集計したら 順位が上がる
なんて考えは、なかなか出てきませんよね。すべてが仮説とはいえ、説得力はあります。
以前にも服部は、10 人のうち 2 人が入れてくれたら人気マンガになる
というデータを引き合いに出して、亜城木の 2 人に邪道マンガを勧めたのでした。
バクマン。 #12 「10 と 2」 戦力外通告する編集長と暴走する服部 : 亜細亜ノ蛾
服部は、根っからの策士ですね!
バクチ打ちのマンガ家と、策士の編集者との、絶妙のコンビネーションが生きてきそうです。
まだ 考えていない
4 位票を 3 位以内に持って行くには、どうしたらいいのか──。その答えまで用意できていたら、本当に服部は神の領域に達していたのですが、リンゴ好きの死神止まりだったようです(リューくん)。
ただ、ようするに、順位を上げるまでにもう一歩だという 光は射し込んだ
のは事実ですね。その一歩とは何かを見つければ良いわけです。そんなに簡単には見つからないだろうけど……。
現実世界の「ジャンプ」を読んでいても、「何かひと味足りないな……」と思うことがあります。面白いことは面白いけれど、何か──物足りない。
もうひと味・もう一歩──、それが見いだせたら、人気のマンガ家や名編集者になれるでしょう。
滅茶苦茶多いな…
セリフだらけのマンガ
でも、面白ければ良い──。それはまさに、『バクマン。』のことですよね。
亜城木が『正義の三肩』を読み直すと、思った以上にセリフが多かった──といった場面が、個人的にツボでした。自分が持っている『バクマン。』の印象も、これと同じなのです。
ようするに、初回に読んだ時には、熱中しているから、セリフが多いことなんて気にならない。
セリフの多さといえば、『銀魂』と『SKET DANCE』の師弟コンビを思い出します。たまに、ちょっとセリフが多すぎて、読むのは後回しにしたりする。でも読んでみると──満足するのです。
そういうマンガが好きな人は、「小説版」も抵抗なく読めるのでしょうね。自分の場合は、小説は小説・マンガはマンガ──と思っています。『デスノート』だけが例外でしたね。
『デスノート』小説版「Lはそんなこと言わない」 : 亜細亜ノ蛾 (いま読むと、ひどい感想だな)
服部とサイコーの会話を聞いて改めて思ったことは、アンケートまで 出してくれる 読者
は、やはり読者の中でも特殊な人たちだということです。
そもそも、隅々まで 読んでくれてる
読者なんて、ごく少数なのでは? 自分も、読んでいない連載はいくつかあります。とくに、読んでいない新連載は、そのまま消えていく……(現在、最下位争いをしている 2 作品)。
つまりは、上位を獲りたかったら、「アンケートハガキを出す読者」を想定したマンガを描く必要がある、と思うのです。それはどんなマンガかと言えば──、
けっきょくは、「面白いマンガ」ですね。
