バクマン。 #96-1 「4 位票とシリーズ」 裁判の判決と出世コース

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『バクマン。』 96 ページ 「4 位票とシリーズ」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 36・37 合併号)

最高裁判所
(もちろん、サイコー裁判所──ではない)

いまのサイコーを支える原動力は、何なのでしょう?

もう、「亜豆と結婚したい」がすべて──でもないと思うのです。それは目的のひとつではあるけれど、そのためだけに全力を尽くしている──とは見えません。

「ファンのため」でもないでしょう。プロ野球選手でもあるまいし……。

これがバトルマンガだったら、「宝物を手に入れるため」とか、「仲間を救うため」とか──言いながらも、けっきょくは「セカイを救うため(キリッ」だったりする。

『バクマン。』の初期は、「お金持ちになりたい」とか「好きな子と結婚したい」といった理由から、サイコーとシュージンはマンガ家を目指し始めました。

その浮ついた目的からスタートしたために、現在のサイコーを突き動かしているモチベーションが、見えてこないのです。「プロだから」ですべてが片付く──のかなぁ……。

そう考えると、シュージンの「家族のために頑張る」という理由は、けっこう大きいですね。家族のために力を出すのは、「ジャンプ」では意外に珍しい。親の七光キャラばかりなのに……。

ジャンプキャラは親の七光り : 亜細亜ノ蛾

大真面目に!

『+NATURAL』と『CROW』のコラボレーションを見て、シュージンの口から出てきた感想が、こんなの卑怯ですよ、でした。たしかに、ちょっとズルイ。

(今週号の『ラッコ 11 号』のように、)今回かぎりの企画であれば、まぁ「面白いな」で済むのですが、このスタイルで 当分続けるとのこと。

ほかのマンガ家たちからも、人気取りのためだけにやっている──と見られそうですね。

ただ、たとえ少しくらいズルくても──、オモチャとアニメの担当者は喜ぶことでしょう。それに、子どもは大喜びしそうです。

そして、「ジャンプ」では、それがすべてなのかも。

手段を選ばない

サイコーは、このコラボの件を評価しています。ハングリィ精神のカタマリである彼なら、納得できるでしょうね。できる事は何でもやる──、それは、かつて亜城木夢叶も通ってきた道です。

岩瀬──秋名愛子は、亜城木たちに勝つため、ヘタなプライドを捨てました。これからも、いろんな手を使って攻めてくるでしょう。

岩瀬の捨てたモノが「女」じゃなくて、良かった……。

ところで、プロじゃ ないかと「プロじゃない」とは、紙一重のようで──まるで逆ですね(?)。

残り 8 話……

なりふり構わぬ岩瀬の猛攻撃を目の当たりにして、しかも期限まで 10 話分もない。

これまでにも何回かあった、主人公がライバルに追い込まれるという、バトルマンガ的な展開ですね!

ただ、「能力バトル」がメインのマンガと違って、短期間でレベルアップするようなウラワザは、亜城木夢叶にはありません。

こんな時には、「なんか時間が何十分の一の速度で流れる空間」でもあれば良いのですが……(それ、今週号だけでも、2 つ 3 つのマンガでカブってるよ!)。

そんな状況でも、サイコーは前へ上へと突き進む覚悟をしています。どんだけストイックなんだよ!

6 月 6 日金曜

天狗に なっとる港浦は無視して……。

順位が変わらなかったのは、不思議ですね。『+NATURAL』のコラボと、『PCP』の巻頭カラーは、同じような戦闘力だったのか。

票差に注目すると、『+NATURAL』は『CROW』よりも 4 票だけ下で、『PCP』は『+NATURAL』から票差は 開いているとのこと。さらに、高浜の『正義の三肩』は『PCP』の 10 票下です。

ようするに、『+NATURAL』はもっと上の順位に、『PCP』は下の順位になる可能性が高い。

高浜が追い上げている事実は、個人的にはウレシイ! このまま師匠である亜城木を抜いてしまうのか──とこの場面では思いました。

そうしたら、高浜までテングになったりして。

福田の『ロードレーサー GIRI』も、絶妙な位置につけています。彼の好きな題材(バイク)をじっくり描いて、長期の連載になって欲しいですね。もう、マンガ家として食っていく、と腹をくくったでしょう。

漢(おとこ)には、腹ァくくらなきゃならねェ時がある……(腹肉をもみながら)。

余計な事かも しれませんが

もう、ビックリするくらいに典型的な態度で、港浦が調子に乗っていますね。ハタから見ている分には楽しいヤツですが、身近にいる服部には、そうとうウザそう。

ただ、岩瀬の連載を担当するのは偶然ですが、高浜は(ある意味)ずっと港浦が育てた作家ですからね。すこしくらいは、イイ気分になっても仕方がない。

『PCP』は 3 位票が多過ぎるそうです。この、マイナス要因にしかならない事実から、服部は何を見いだしたのでしょうか。

そんなことよりも、この見開きページでは、珍しく何種類もの表情を服部は見せています。そこから服部ファンは、何を見いだしたら良いのでしょうか !?(答え: 何も見つけンな)