『デスノート』小説版「Lはそんなこと言わない」

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ミステリィ読みって

「うーん、やられた!また騙された!」

何故か、口元をにんまりと歪めながら本を閉じる。

──多くのミステリィファンは、その一言が言いたいためにミステリィを読むのでは?

少なくとも、asiamothは、そうです。

そして、小説版『デスノート』は、「やられた!」という一冊でした。デスノートだから、というだけではなく、一冊のミステリィとしても楽しめる作品です。

ネタバレにならないよう、感想を書いてみました。

DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件

photo

筆者:西尾 維新 大場 つぐみ 小畑 健

出版社:集英社 2006-08-01

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『デスノート』としてもミステリィとしても楽しめる作品。最期に「やられた!」と叫ぶこと請け合い。

hReview by asiamoth , 2006/08/04
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Lはそんなこと言わない

まずは注意書き。

Lのファン、Lを神格化している人は、途中で本を投げ出したくなるかも知れません。いや、それよりも

「Lはそんなこと言わない!」

などと、作者に抗議の手紙を出してしまうかも。

──気持ちは解る、解るが──最後まで読んでからにすることをお勧めします。最後まで読めば、判るから。

主人公の南空さんは

本作品の主人公である南空ナオミは、原作で不遇な最期を迎えたキャラクタ(生きてる説を推す人は多いが)。

小説版ではどうなったかというと──ワトソン役というか、ドジっ子属性が付いていました。流行り(?)のツンデレ属性まで付きそうな勢いがありましたが、残念ながら、デレを向ける相手が側にいなかったという。

まぁ、原作では「殺人鬼に婚約者を殺された元FBI捜査官」という、極々一部分しか見られなかったわけですが──。

謎解きもしっかり

《ミッシングリンク》《謎の探偵》《密室》《連続殺人》《犯人が残したメッセージ》──と、ミステリィファンにはたまらないキーワードに加え、『デスノート』という食材まで盛り込んだフルコース。作者は、かなり美味くまとめ上げました。

中盤までぞんざいな扱いだった密室に関しても、最期にちゃんと意味が与えられていたのは驚きました。

ただ、個人的に一番の謎は「語り部である《僕》が、いつ、この記録(ノート)を書いたのだろう?」というもの。これだけは、最期の最期まで書かれませんでした。「」、ねぇ……。

西尾維新氏は

実は、西尾維新氏の作品をちゃんと読んだのは初めて。

わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 妹+ツンデレ+密室殺人「きみとぼくの壊れた世界」で興味を持って『きみとぼくの壊れた世界』を読み始めて、10ページくらいで挫折したという。

「な、何を言ってるかわからねー」

という感じで。これがライトノベルか──。また、挑戦してみよう。