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『陽気なギャングが地球を回す』

『使える読書』 齋藤孝・著 声に出して読みたい引用文 : 亜細亜ノ蛾 で紹介した『使える読書』の影響で、たまには、いつもは読まない作者の小説に挑戦してみました。これは当たりでしたね。

「サンタクロースの格好をした男の子の大半は、サンタクロースじゃない」

『陽気なギャングが地球を回す』 p.8

こんな感じの、哲学のようなそうでもないような、深いような浅いような、洒落たセリフがほぼ毎ページ出てきます。

巻末の解説を読むと、書き上げた原稿を何度も没にして、苦労して完成させた作品とのこと。なるほど、完成度の高さを感じました。

ストーリィ

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ! 奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!

Amazon.co.jp: 陽気なギャングが地球を回す: 本: 伊坂 幸太郎

明日から使えるセリフ

前述の通り、全編にテツガク~なセリフが満載。

人間というのはそれぞれが主人を持っている。主人とは、つまり人が行動するときの拠りどころで、それは、実際に自分の上に立つ上司かもしれないし、自分だけの「美学」かもしれないし、「損得勘定」かもしれない。とにかく、人は行動するときにはその主人、ルールに従う。

『陽気なギャングが地球を回す』 p.49

銀行強盗をするときに、必ず演説をするギャングの一味が出てきます。仲間が現金をバッグに詰めている間、

「記憶には手続き記憶、意味記憶、エピソード記憶の三種類があるのは有名ですね。(……)」

『陽気なギャングが地球を回す』 p.84

──と、記憶に関するウンチクを語るのです。その演説にもいちおう意味があるのですが、冷静に見るとおかしい。このとぼけた感じが持ち味です。

ジャンルが難しい

ジャンルの特定が難しい作品、というのがあります。

ネゴシエータが犯罪者と知的な交渉戦を繰り広げる映画かと思ったら、単なる銃撃戦がメインのアクション映画だったり(どの映画かバレバレだな)。

「○○もの」というのが始めは判らない映画といえば、『ファイト・クラブ』。単なるバイオレンス映画かと思ったら……。もし、始めから「○○もの」と知って『ファイト・クラブ』を見たら、面白さは半減です。

『陽気なギャング』は、どうだろう? 「ギャングもの」としか言いようがないのですが、サスペンスやミステリィの要素もあって、始めから終わりまで楽しめました。

映画版

全く知らなかったですが、映画になったそうです。

陽気なギャングが地球を回す陽気なギャングが地球を回す

小説が面白かったので、どうやって料理されているか、見てみたいです。

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