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『バクマン。』 19 ページ 「デビューと焦り」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 04・05 合併号)

メリークリスマス! ──を目前にして悲しい別れがあった。去年の冬も似たようなことを書いたが、いつから冬は別れの季節になったのだろうか。

一番悲しかったのは、あまり悲しくなかったことだ。もう、このトシになると、いちいち涙など流れない。それでも、泣いてスッキリしたいものだ。「涙は心の汗」とはよく言ったもので、たしかにスポーツをしたときの発汗に似た爽快感を泣いたときに感じる。

泣きたいときには、自分は いつもマンガを読む。今回は『寄生獣』に任せた。うん、バッチリ泣いた。号泣。加奈……。

『寄生獣』を読もうキャンペーン : 亜細亜ノ蛾

大のオトナを泣かせる──マンガには その力がある。

今週号の『バクマン。』では、作家からの視点でマンガでの「泣き」「笑い」について描かれていた。じつに興味深い。

『寄生獣』は神が描いたとしか思えないが、あのレベルの作品も「計算して描く」ことができるのだろうか……? 冗談抜きで、あの作品は何かが降臨してきて初めて描ける、と思う。

それはそれとして、「19 ページ」の感想を書く。

どこがダメか

服部が格好いい! ──毎回そう書いている気もするが、気のせいだろう。

デビューを目指す二人のためを思って真剣にアドバイスをしている──そう感じるから服部がよく見えるのだ。まぁ、編集者なら当たり前かもしれないが、近くに雄二郎がいるから……。雄二郎のように(未来の)天才マンガ家を利用して出世しよう、という腹が服部には ない。

服部が語る王道のファンタジーバトルマンガの要点を見て、苦笑した人もいるだろう。「住人が数字で呼ばれる掲示板」でよく見る(?)「世界まる見え!テレビ特捜部」ネタのように、いくらでもテンプレ化できるじゃないか、と。

イミフwwwうはwwwwおkwwww 世 界 ま る 見 え に あ り が ち な こ と

それは とんだ思い違いで、服部が言う条件をすべて満たした上で面白い王道マンガとなると、かなり難しいのだ。

──ここで悪い例に挙げてファンの方には申し訳ないが『家庭教師(かてきょー)ヒットマンREBORN!』ってなぜ戦ってるのか はっきりしていて その戦う理由に 共感できるか? てか、タイトルに「家庭教師」と付いている意味を分かっている(覚えている)人も少ないのでは。あと、『D.Gray-man』も「何のため」に「何」と戦っているのか、自分は完全に ついていけなくなった。ひょっとしたら、作者自身も同じなのかも(だから休載中?)。

自分には、上に挙げたふたつの作品は「(編集部の意向で)単純な王道バトルマンガの枠に入れられるのを嫌うあまり、余計に作者が本来描きたかった世界から離れてしまった」ように感じたのだ。ひと言で言うと、「ややこしい」。

『NARUTO』や『BLEACH』・『ONE PIECE』・『HUNTER×HUNTER』はバランスを保ったまま長期連載を続けている。上の例と何が違うのか考えてみると──なんだかんだ言って、主人公が「目の前の敵」を倒すことに一所懸命になっている。どの作品も背後には大きな力が動いているのだが、あまりにもそちらを描こうとすると失敗する、と思う。

リボーンは 今の展開を「番外編」にしてしまって、ホノボノ路線に戻ったほうが好きだ。ディーグレイマンは──ときどき変なタイミングでギャグの回を はさむのを止めては いかがか。だって──シリアス部分と同じようなキ■ガってるノリで笑えないギャグを描かれても……。『ダークナイト』のジョーカー的な笑いを目指しているのだろうか。コドモは泣くで。

新妻くん !?

エイジ節が炸裂して楽しい展開になってきた。たんなる変人をこれだけステキに描ける才能が素晴らしい(これ、ほめてる?)。

下のエイジの言葉は、多くの作家が口にする。

好きなキャラは 勝手に動きます

これこそが創作のコツ──いや基本だ、と自分は思う。しかし、サイコーとシュージンとっては何の足しにもならないと服部は考える。なぜだろうか。いくら計算してネームを書くシュージンでも、キャラが勝手に動く感覚は分かると思う。

『DEATH NOTE (13)』のインタビューを読む限りでは、大場つぐみさんは あまり考えなくてもキャラが動いていくタイプのようだ。もちろん、そのインタビューすら読者がどう読むか計算して答えている、という可能性もあるのだが……。

photo
DEATH NOTE (13)
大場 つぐみ
集英社 2006-10-13

by G-Tools , 2008/12/25

もう いいです

前半部分で一番不可解だった場面は、シュージンがエイジに噛みつくところだ。

エイジの毒気に侵されず、闘争心を燃やしたサイコーの気持ちは分かるし、立派だと思う。並の作家志望者であれば、天才を目の当たりにして心を折られただろう。

しかし、それにしてもサイコーがエイジに言ったセリフ──宣戦布告には、無駄なトゲがある。イヤミったらしい。エイジに先を越されて ひがんでいるようだ。男の嫉妬すら感じる。

以前から自分は「サイコーは、じつは自分勝手でイヤなヤツ」と思っていたし感想に書いてきた。だから、とくに今回の言動でサイコーの見方は変わらないが──あまりにも「空気読め男」じゃないか? あ、それはエイジも同じか……。

マンガに対する情熱を隠すことなく、思ったことをハッキリと計算せずに言う──そう言う意味で似た二人として、今回のサイコーとエイジを描いたのかも。

さて、ここまでの 7 ページで普通のマンガ連載一回分のボリュームがある内容だった(それは言い過ぎか)。しかし、まだまだ続きがある。よって、明日もまた感想が続くのだった……。

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