『バクマン。』 93 ページ 「中央と最強」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 32 号)
いつものように、今週号の『バクマン。』の感想を 4 回に分けて書きます。今回の感想の範囲では、電車に乗る場面が印象的でした。このマンガらしい、「純」な良いシーンです。
そういえば、この間、電車の中でずっと──イチャイチャしているカップルを見かけました。それがまた微笑ましい──というレベルを遥かに超えた、行きすぎたスキンシップだったんですね。キスはしていないけれど、つねにベッタベタでした。
離れて見ていてもアツアツの──熱すぎるカップルだったから、近くにいた人はたまったモノではない。それは分かりますが──、そのカップルの隣に座っていた女性が、スゴイ顔をしていた。「嫌悪感」が答えのジェスチャを、練習していたのかも。
それにしても──、醜い顔をしていた。
いや、その女性は、整ったお顔をしていたんですよ。せっかく恵まれた容姿をしているのに、わざわざそこまで崩さなくても──と残念な気持ちになりました。ブランド物やエステにつぎ込むお金の何十分の一で、特急券を買えばいいのに。
長々と書きましたが、何を言いたいのかというと、サイコーと亜豆をねたむのはやめましょうね……。
嫉妬する人間ほど、醜い生きものはいない。
成長かもしれない
中学生のころの岩瀬は、女の子らしかった。ちょっとした勘違いから始まった恋を、宝物のように心の中にしまい続ける、純情さを持っていましたね。
現在の岩瀬も、じつはそんなに変わっていない。
恋愛などに うつつを抜かしながら
仕事をしているシュージンたちを、岩瀬は軽蔑しています。マンガに自分のすべてを捧げようとする、岩瀬の決意から出た感情でしょう。
でもそれは、裏を返せば──、
岩瀬は、恋愛を神聖化しているのかもしれません。
真城・高木・カヤ・亜豆の 4 人は、仕事も恋も成功させようと、頑張っている。それが自分たちの幸せだ──と分かっているワケです。
ところが岩瀬は、仕事は仕事・恋愛は恋愛──と割り切っている。というか、「割り切らなければならない」と思い込んでいます。この 2 つが両立するとは、とても思えなくなっている。
このあたりは、服部の責任でもあると思う。もうすこし、岩瀬へのアフタ・ケアが必要でしたね。でも、「火にガソリンを注ぐ」ような結果になったかもしれないケド。
中央線だよね
今回のタイトルは、「中央線と埼京線」にもかけているようです。「サイキョー」という読みを使ったネタは、たぶん、ものすごく多いでしょうね。
自分が住んでいる地域には、「近鉄内部線」と書くローカル線が通っています。ほかの地域に住む人は、絶対に読めないと思う──「鉄ちゃん」でもない限りは。これで、「きんてつ うつべ せん」と読みます。
この珍しい「内部線」の読み方を使ったネタは──残念ながら、地元では聞いたことがない。なにか気の利いたシャレが考えられそうですが──、うーん、20 年以上も住んでいると、逆に思いつきませんね。まぁ、またの機会に……(来世とか)。
積極的な気が
若い恋人同士が久しぶりに会ったというのに──、電車内デートのみです。ああ、キミタチが「鉄」なのか(違うと思う)。
帰りまでずっと手は離さない
ことは、女性からすると本当に頼もしい
──と感じるのでしょうか。誰かに追われているワケでもないのに……。こういうことを書くと、自分がいかに──オンナゴコロが分からない人間か、バレバレですね。
キスしよ
サイコーが言うとおり、今日は思いっきり積極的な亜豆です。オーディション会場から連れ去られたことが、よっぽど亜豆はうれしかったのでしょう。
とはいえ──、次 会うのは 夢が叶った 時
とのこと。また、亜豆お得意の「おあずけプレイ」です。服部もそうですが、サイコーの近くには「アメとムチ」の使い手が多いですね。
サイコーも成長していて、亜豆の言葉にもそれほど動じずに、「いいとも」(輪っ!)のサインを送っています。亜豆はサイコーのポーズを「目玉のマーク」に見て、「駄目」と思った可能性はありますが。
絶対 何か あったって…
サイコーの顔芸も、レパートリィが増えてきました。常人ではマネができない領域に達している……! この世界だけでも、食って行けそうです(どの世界?)。
ところで、蒼樹紅の『青葉の頃』は、まだ連載中なのでしょうか。順位も何も情報が出てこなくなって、長い時間が過ぎています。「便りがないのはいい便り」というから、連載終了の候補には挙がっていない──と思いたい。
今回のサイコーと亜豆とのやり取りは、『青葉』のエピソードに使えそうです。蒼樹の大好きな、ステキな純情話だし。シュージンのほうから蒼樹に話してあげたらいいのに。
と思ったけれど、なんとなく『青葉』は──、
お色気が全開のマンガになっていそう……。