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『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 16 巻 「修学旅行狂詩曲」

Frost on Paper Cup
(寒い冬に飲む炭酸飲料は──淡い恋の味)

今回のコミックスは、カバーから楽しい!

ご覧のとおり、「巨大な安形紗綾(あがた さあや・サーヤ)が、スケット団のメンバを片手で持っている図」です。遠近法で強調されているにしても、サーヤの胸を大きく描きすぎだ!──え、違う?(棒)

この「キャラクタたちをコミカルに描くために遠近法を利用する手法」は、どこかで見たことがあるような──。

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この作者のことだから、とぼけそうな気がするケド。

篠原健太:
「へえ、けい……おん? とかいう作品があるんですか。知らなかったな……」
「この、おでこが広い人と、まゆ毛が太い人とでは、どっちが人気なんですか?」

──いろんな方面に敵を作った気がする。


裏表紙の折り返し部分にもサーヤがいます。「ジャンプ」本誌では、カラーになっていた扉絵ですね(わざわざ、ヒメコを切り抜いてある……)。

第 16 巻は、サーヤが目立つ 1 冊 でした。

第 136 話 「修学旅行狂詩曲 5」

サブタイトルは英語表記では「スクールトリップラプソディ」──とつづられています。長いため、自分は「ストリップ」と略していました。ただ、それも前半部分だけのこと──。

修学旅行編の後半は、シリアスな印象です。

「前回のあらすじ」にヒメコのツッコミが入らないことからも、マジメなムードであることがすぐ分かる(か?)。あらすじだけを聞くと、『To Loveる』的なお色気ばかりのコメディに思えるけどね!


おそらく作者としては、「男女入れ替わりネタ」というアリガチな手法を使いつつも、「ボッスンはヒメコのことを・ヒメコはボッスンのことを、どう思っているのか?」が描きたかったのでしょう。

気持ちがボッスンへ向かいつつあるサーヤもからめて、ややこしくも切ない状況です。先が読めません。この修学旅行中に、ボッスンは、ヒメコかサーヤと付き合い出すのでは──と思いました。

メンバ同士が付き合ったり、ほかに恋人ができたくらいで解散してしまうほど、スケット団の結束はゆるくない。──そうは分かっているけれど、スケット団と恋愛は、なぜか合わない気がする。


スイッチと結城澪呼(ゆうき れいこ)との会話が絶妙でした。この回は、「自分の素直な気持ちを相手に伝える話」です。そのため、この 2 人の心情も、もう少し深く描いて欲しかった。上の段落で書いたこととは矛盾しますが(いつものこと)。

「ボッスンの体の中にいるヒメコ」(※非・性的な意味で)をするどく見抜いた澪呼は、面倒ごとを避けたいスイッチに引きずられていきます。ここが個人的にはツボでした!

このコマでは、はなして スイッチくんと澪呼がイヤがっているように見えますが──、内心では、「これはもしかして…… ////」と彼女も「何か」を期待していたのでは?修学旅行だし、夜だし──。

第 137 話 「修学旅行狂詩曲 6」

スイッチも澪呼も、いつもとは違う場所でなら、普段では話せないことも口から出るのでは? この 2 人が舞台からそのままフェードアウトして、しばらく姿を消してくれると、いろいろ想像ができましたね。

ボッスンとサーヤとの仲を気にしている澪呼は、なんだか乙女っぽい。言い回しが いちいち怖いけれど、よく聞くと「みんなで仲良く話しましょう」と言っているのです。「いきなり 2 人きりは照れる」ということかもしれません。


スイッチ・澪呼・椿の 3 人が何を話したのか、ものすごく気になる! 普通の状態であれば、この 3 人の会話は想像できません。

あとから分かるけれど、「猫属性」をつけたままの椿は、「普段より丸い」らしい。だから、文句も言わずにスイッチと一緒についてきたのです。「猫背」な澪呼にも、親しみが湧いたのかもしれませんね。

立ち去る際に、スイッチくん 炭酸飲めないん じゃなかった? と気遣う澪呼がかわいい! 自分の大切な人のことは、ちゃんと覚えているのですね。

次の回・138 話の扉絵では、まるでスイッチの彼女みたいな澪呼の姿が出てくるので注目です。

やはり澪呼は──。


澪呼のことばかり書いていますが、メインはボッスン(の姿をしたヒメコ)とサーヤです。「ボッスンは、ヒメコのことをどう思っているのか」とサーヤから聞かれて、ヒメコがこたえる──という複雑な状況になっている。

ヒメコの心に浮かんだ知らんよ アタシという言葉は、ものすごく切ない。

ボッスンは、ヒメコのことを嫌っているわけがありません。かと言って、「男女の仲」を望んでいるわけでもない──はず。お互いに何でも知っているようでいて、本当に、「知らない」としか言いようがないのです。

ヒメコは、ボッスンの何を知っているのだろう?

自然に口から出てきた何とも 思ってねえぜというセリフは、冷たいようでいて的を射ていますね。これは「関心がない」という意味ではなく、「家族のようにいることが自然な」──空気のような関係だからです。

ただ──、「サーヤはボッスンが好きなのか」を知りたがるヒメコは、いつまでも家族のような関係を望んでいない──という暗示にも思えました。

ヒメコもサーヤも、ボッスンには感謝をしている。それで良いのかもしれませんね。まだしばらくは──。


笑いながらごく自然に、チュウさんの部屋へ入ってくるボッスンとヒメコには、ちょっとドキッとしました。もちろん、「真ん中にチュウさんをおいて、布団を 3 つ並べて寝る」と考えていたのだろうけれど、「同じ部屋で寝る」ことには変わりがない。

けっきょく同じ布団で寝ることになるし、作者は、どンだけ胸をキュンキュンさせるんだよ! 萌え死ぬわ!!(日本語訳: 作者グッジョブッ!)

部屋の番号が「201」であることも、2 人(ボッスン・ヒメコ)と 1 人(チュウさん)という暗示だったに違いない。

第 138 話 「修学旅行狂詩曲 7」

話に夢中になって、ボッスンとヒメコは同じ布団に寝ていることを意識しなくなる──という状況が素晴らしすぎます! なんだか、ものすごく自然に見える。

それでも──やっぱり、「家族みたいだから」自然な感じですね。カップルというよりは、「結婚して 15 年目の夫婦」みたい。

いつか、そんな日が来るのだろうか──。


ボッスンもヒメコも、お互いに男女としては意識をしてこなかった。それは事実でしょう。しかし、ボッスンのつぶやいた次のひと言が、すべてを物語っている。

今まで…

もしもボッスンとヒメコとの恋が始まるのだとしたら、それは「これから」の話です。


最後の最後で、ちょっとだけロマンが出てきたのは嬉しかった。第 15 話 ぐらいから ずっと 秋という驚くべき情報を、軽~く話しているのも彼女らしい。

このページは、全体的にセリフはギャグっぽいけれど──、もうすぐこの作品自体が終わりそうですよね! アニメ化の話を聞くまでは、かなり心配した。

第 139 話 「まぎらわしいゆかいな仲間たち」

「今まで」どおりの、「部室でダラダラする話」です。

大きく進展したかに思えたボッスンとヒメコとの仲を、リセットするつもりで描いた話なのでしょうかね。

修学旅行編の前半は、珍しくお色気要素が多すぎて、なんだか落ち着いて笑えなかった。今回は、安心して笑える話です。スケット団も読者も、「久しぶりに部室へ帰ってきた」感じがする。


「名前あるあるネタ」は、意外とキケンです。

「はぎわら みどり」に発音が近い人──の(怪物な)親からクレームがついたりして。まぁ、そんなことをこわがっていては、マンガなんて描けないけれど。


模型部の萩原緑さんは、良いですね! すこしおとなしめの高橋キャプテン──という感じ。表情も豊かだし、ムエタイのフィギュアという言葉に反応(キラーン)するところがかわいかった。

今回の話にとってつけたようなキャラクタだから、たぶん、今後の登場はないのでしょうね。非常に惜しい!

とってつけたと言えば、オギワラユカリさんも逸材なのに、今回だけの出場だと思う。ヘンタイのフィギュアを持ち歩いているなんて、どんな趣味なんだ(ゴクリ……)。

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